ビキニアーマーで殺意を込めて 〜元アサシンは巨乳の夢を湯煙の彼方に見る〜

ドラゴンズサーチ ～召喚せし者達の宴

play28 手助のサーチ。

「ていうか、このことは絶対に秘密ね」

「あ、はい」

「わかったわ」

「ふぇ！？　な、何でですか！？」

　ソーコ一人だけわかってなさげ。

「あのね、私やリーフはね、この事実を知ってることが大きなアドバンテージなの」

「ふぇ、ふぇい」

　ふぇいって返事なのよね？

「なら、秘密にしてくれるわね？」

「ふぇ！？　ふぇい、ふぇ！」

　何だ何だ、このふぇいふぇい語は？

「召喚主様は『わかりました、サーチさんの仰る事に同意します』と言っています」

　いつの間にそんなに言ったの！？

「ま、わかってくれたのならいいわ。ていうか、リーフ」

「はい？」

「あんたは戻れるの、今すぐにでも」

「あ、あ～……戻れますよ。戻れますけど」

　……何？　どうかした？

「私が戻るには、召喚主様の同意が必要でして……」

「同意？」

「つまり、契約を解消する必要が……」

「契約解消！？　ふぇぇぇぇぇぇぇぇん！」

　あー……こりゃ同意なんかするはずないわ。

「なら…………リーフ達も大会出ちゃう？」

「「ふぇ！？」」

　何で二人ともビックリしてんのよ。

「あんた達、世界一魔術会出たくて選考会に出たんでしょ？」

　二人は顔を見合わせてから、申し訳なさげに。

「あ、いえ、上級生が無理矢理……」

「ふぇぇん、噛ませ犬で出ろって、ふぇぇん」

　引き立て役で駆り出されたのかよ！

「ていうかさ、そんなの押しつけられて、悔しくないの？」

「悔しいですっ！」

　リーフ、某お笑い芸人みたいな顔しないの。カッチカチかよ。

「なら勝って見返すしかないでしょ。ジャイキリよ、ジャイキリ」

「「……じゃいきり？」」

　あれ、知らない？

「ジャイ○ンを斬り捨てるんですか？」

　ちげえよ。ていうか、ジャイキリ知らずにジャイ○ンは知ってるのかよ。

「ふぇ、じゃあジャ○子を斬り捨てる？」

　違うっての！　だから何でジャイキリ知らずにジャ○子の方を知ってんのよ！

「ジャイアントキリングだよ！」

「「……あ、ああ～」」

　ようやくわかったのね。

「ジャイ○ンとキリン、good？」

　どうやったらジャイ○ンとキリンがグッー！　なんてすんのよ！？

「強敵を倒すってことよ！　要は噛ませ犬のあんた達が優勝したりすれば、校内はパニックでしょ！？」

「た、確かに」

「ふぇ、わたしが学校代表に……ふぇぇ」

「私が影から徹底的にバックアップするわ。どう？」

「……う～ん……確かにこの学校の上級生達には、目に余るモノがありますが……」

「ふぇぇ……」

　ふむ、二人とも思うところはあるみたいだけど、なかなか踏み出せない模様。だったら。

「ソーコ、絶対命令権を使って！」

「ふぇ？」

「リーフは私の言うことを一つだけ、絶対に守りなさいって！」

「ふぇ！？　ふぇふぇふぇ……以下同文！」

「え゛」

　よし、これでリーフは私の言葉に逆らえなくなる。

「ならリーフ、ここで全部脱ぎなさい！」

「え…………な、何て事を言うんですか…………って、手が勝手に！？」

　それはもう、私も感心するくらいの脱ぎっぷりで。

「サーチお姉様、止めて！　止めさせて！」

「ダメよ、絶対命令権は最後まで絶対なのよ」

「しょ、召喚主様ああ！？」

「ふ、ふぇぇ！？」

　よーし、最後の一枚脱いだ。

「ソース子、カメラ！」

「え？　あ、はい」

　カシャッカシャッ

「止めて止めて撮らないでえええっ！」

　よーし、シャッターチャンスもバッチリ。

「もういいわよ～」

「ふぇ。リーフ、もういいみたい」

「ふぇぇん！」

　ソーコみたいな泣き方をしながら、リーフは下着を身につけていく。

「な、何をするんですか！？」

「リーフ、もし選考会で優勝しなかったら、今の画像を拡散」

「いやああああああああ！　止めて止めて止めてえええっ！」

「なら、優勝してね？」

「しますしますしますからあああ！」

「世界一魔術会に付きあってね？」

「付き合います付き合います付き合いますからああああ！」

　はい、言質はとった。

「オッケー、なら頑張って♪」

「ぐすん、ぐすん……サーチお姉様、何だってこんな事を！？」

「えー、だってー、私一人じゃ寂しいしー」

「……サーチお姉様は一人じゃ寂しいなんて可愛らしいキャラじゃないですよね……」

　うっさい。

「ま、今のは半分くらい本音。もう半分は……あんたを放っておけないから、かな」

「え？」

「帰るんだったら、私だけじゃないでしょ。私とリーフ、二人で帰らなきゃ」

「サ、サーチお姉様……」

「あんたはいつでも帰れるんだろうけど、召喚主であるソーコが納得しないと、ね」

「召喚主様が納得って……」

「ふぇ、まさか」

「リーフの代わりになる召喚獣なんて、星七の以外あり得ないでしょ」

　それを聞いたソーコが、少し眉を吊り上げて。

「ふぇぇ！　リーフの代わりは他には居ませ」

「サーチお姉様ぁぁ！」

「ふぇげ！」

　せっかくいいことを言いかけた召喚主(ソーコ)を、おもいっっきり突き飛ばすリーフ。

「サーチお姉様……リーフを星七の召喚獣と同等に思っていて頂けるなんて……」

　ちょっ、あんたが突き飛ばした召喚主、壁に頭からイったわよ？

「リーフは感激です…………嬉しい！」

　う、うん、嬉しいのはわかるんだけど。

「リーフ、後ろ後ろ」

「え…………っ！！？」

　血塗れになって白目を剥くソーコを見つけ、真っ青になるリーフ。

「召喚主様！　召喚主様あああっ！」

　これは……真実を告げない方がいいのだろうか。

「い、一体誰がこんな事を！？」

　あんただ、あんた。

「ま、まさかサーチお姉様が！？」

　前言撤回、やっぱ言おう。