表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1801/1883

play27 卑猥のサーチ。

「ていうか、リーフならわかるかな」


「はい?」


「私、元の世界に帰りたいのよ」


「ああ、でしょうね」


「で、どうやったら帰れるの?」


「そうですね……リーフが知ってる方法は三つです」


 三つもあるの!?


「教えて教えて教っえて♪」

「お、お姉様、近い近い」


 あら、失礼。


「で、どんな方法?」


「おほん。では一つずつ……まずは一番簡単な方法です。本人の意志で帰ればいいあ痛っ!?」

「それができればとっくにやってるわよ!」

「さ、最後まで聞いて下さい!」


 何なのよ!


「いいですか? 召喚獣は召喚獣交換という方法で、元の世界に帰る事ができます」


 ああ、そういえば召喚獣を使って別の召喚獣と交換することで、星をあげていけるんだっけ。


「ただし、召喚獣交換を行うには、ある程度の精霊力消費が条件になります」


「なんだ、精霊力使えば戻れ……………………あああっ!?」


「わかりましたか? サーチお姉様には精霊力がありません。よって、この方法は却下で……と言おうとしてたんです」


 うう、ムダに殴ってごめんよう。


「で、次ですが……これは一番簡単でもあり、一番難しくもあります」


「どんな方法よ」


「死ねばいいんです」


 ……はい?


「サーチお姉様は何回かされているようですが、召喚獣を消滅させた事があるでしょう? あれです」


 召喚獣の消滅って……つまり。


「負けるってこと?」


「そうなります。あるいは自死、という手も」


「……できれはやりたくないなあ……」


「リーフも嫌ですね。死ぬんですから、痛いでしょうし」


 うん、痛い。死ぬほど痛いよ。ていうか、実際に死ぬんだし。


「ただし、一つ心配はあります」


 心配?


「先程も言った通り、サーチお姉様には精霊力がありません。ですから……」


「つまり……死んでも戻れる保証はない?」


「その通りです」


「なら、却下ね。死んでダメだったらシャレになんないし」


「でしたら三つ目しかありません」


「三つ目は、私にもわかるわ」


「え?」


「世界一魔術会で優勝して、えっと…………何とかっていう優勝賞品をゲットするのよね?」


「い、いえ、違います」


 へ?


「星をランクアップさせて、七まで到達すればいいんです」


 はい?


「星七までランクアップすると、召喚主は星EX召喚獣との交換権を得るんです」


「EXとの交換権…………つまり、精霊力のない私でも、召喚獣の交換が可能になり……」


「はい。確実に元の世界に……灼熱大陸に戻れます」


「ていうか、星のランクアップなんて可能なんだ」


「できます。同じ召喚獣を使い続ければ」


「……つまり、他の召喚獣が星一以上なのは……」


「はい。それだけ長く召喚領域で戦っている、という事ですね」


「ていうか、あんたは星二つだっけ、新緑の狩人リーフさん?」


 それを聞いたリーフは、顔を真っ赤にする。


「や、止めて下さい!それは若気の至りですっ」


「新緑の狩人?」


「今は深緑のリーフですっっ……な、何でそんな古い情報を」


 ていうか、ソース子の本って古かったんだ。


「まあいいわ。で、ランクアップの方法は?」


「難しくありません。要は勝てばいいんです」


「あら、私、何回か勝ってるわよ」


「特に召喚獣を消滅させたり、星二つ以上の差がある相手に勝ったりした場合は、ほぼ確実に」


 消滅は二回させたし、ジャイアントキリングは一回達成してます。


「……でも、まだ星一だけど?」


「召喚獣カウンターでランクアップできます。後で案内しましょうか」


「よろしく頼んます……ていうか、ずいぶん時間が経ってるけど、あんたの召喚主は大丈夫なの?」


「…………あああっ!?」


 悲鳴をあげたリーフは、ドアを蹴破る勢いで飛び出していき……。


「……ひっく、ふぇぇん」

「大丈夫です、リーフは召喚主様を見捨てたりはしませんから。放置して申し訳ありませんでした」


 泣きじゃくる女の子を連れ、戻ってきた。


「……ちっさ」

「ひぐっ!? ふぇぇん!」

「サーチお姉様! 身体の大きさは個人差ですし、個性の一つですから!」


 ていうか、150㎝いってない私より小さいって、相当だよ?


「ど、どうせ私なんか、150㎝もないチビなんですぅぅ。ふぇぇん」


「え、私も同じ身長のはずなんだけど?」


「え…………あ、明らかに私より高いじゃないですか、ふぇぇん!」


 あ、あれ、おかしいな……?


「ステータスで確認しては?」


 あ、そうね。ちょっと閲覧…………あああっ!?


「身長が伸びてるっ。5㎝も伸びてるっ」


 ついに150㎝の壁を破り、153㎝に突入!


「それに今のブーツ、ちょっと靴底が厚いはずだから……もう5㎝くらい高いか」


 つまり158くらいはあるわけか。


「……10㎝の差……ふぇぇん!」

「よしよし……サーチお姉様、これ以上追い詰めないでっ」


 はいはい、すいませんでしたっと。


「ていうか、あんたの名前は?」


「ひっく、わたしは倉庫三号と言います」


 はい?


「それ、召喚主ネーム?」


「はい。本名は…………卑猥すぎて言えません!」


「卑猥?」


「サーチお姉様、女性の……」


 ……ああ、女性ならマ行、男性ならタ行のアレか。


「ていうか、あんたの親最低ね」


「ふぇ!? 両親をディスらないで下さい、ふぇぇぇん!」

「サーチお姉様!」


 はいはい、ごめんなさいごめんなさい。


「ていうか、何で倉庫三号? それは自分で付けた名前よね?」


「え? いえ、召喚主ネームも親が決めました」


 ……また泣かれたら面倒だから言わないけど……マジで親最低だわね。


「んじゃ、ソーコって呼ぶわね」


「ふぇ、みんなもそう呼んでくれてますので」


 オッケー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ