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play9 会話のサーチ。

「はあぁ……肩凝った」


 さんざんダンディーティーチャーに弄られて、戦ったあと以上に疲れるハメになった。


「ていうかソース子、いつまで私を呼び出しておく気なのよ?」


「あわわあわわあわわわわ」


 まだ正常に戻らないし。ていうか、とっくに授業は終わったっての。


「こうなったら……えいっ」

 きゅっ

「はああああああん!」


 よし、このショック療法で元に戻せれば……。


 ばぁん!

「コーミ、今の声は何………………へ?」


 …………誰?


「きゃ…………きゃあああああああ!!」


「っ!?」


「は、半裸の変態痴女が、コーミを襲ってるわああああ!」


「ま、待って待って! ヘンタイ痴女って私のこと!?」


「いやあああああ! 誰か、警備員を呼んでえええええ!」


「ちょ、ちょっと待ってって言ってんでしょうがああっ!」


「いやあああああ! チカンヘンタイゴーカンマァァァ!」


 だから、待てっつってんだよ!



「何だ、コーミの召喚獣だったんですか」


「いっくら送還しろって言っても反応しないから、ちょっと刺激的な手段で気つけしただけよ」


「確かに刺激的でしたねぇ……」


 胸を両手で隠したまま悶絶するソース子を見ながら、ふぁんてぃが苦笑している。


「で、ふぁんてぃって何なの?」


「私の本名がファンファン・テーリングっていいまして」


 ファンファンって大佐かよっ!


「ちょおおっと名乗るには抵抗がありますので、略してふぁんてぃとしています」


「ていうか、何でひらがな? カタカナでいいんじゃね?」


 この世界、なぜか日本語が共通語となっていて、ひらがなとカタカナが存在してるのだ。


「ひらがながいいんですよぉ、ひらがなが可愛いんじゃないですか」


「……漢字で攻めては?」


「か、漢字ですか!?」


 無論、漢字もある。


「不安定でふぁんてぃ、とか」


「不安定って……ちょおおっと心惹かれますけど、やっぱりひらがなですよ」


 ま、いいんだけどね。


「それにしても、ソース子にルームメイトがいたとはねぇ」


 そう。私をソース子にイタズラしようとしてた痴女と間違えたのは、ルームメイトのふぁんてぃだった。すれ違いが続いて今まで会ってなかったのだ。


「それにしても……召喚獣と話す日が来るとは夢にも思いませんでした」


「それ、あのダンディな先生にも言われたわ」


「ダンディって……まさかヒゲダンスですか!?」


「は?」


「あの先生はヒゲダンスって名前で登録してるんです」


 ヒ、ヒゲダンス……あのテーマ曲はかかってなかったし、あの格好じゃなかったけど。


「ヒ、ヒゲダンス…………あのビジュアルでその名前は止めてほしかったわ……」


「それを言っちゃえば、ソース子ってのもどうかと思いますよ。サーチさんの召喚主は意外と人気ありますから」


 確かにねー。可愛い系を絵に描いたような子なのよね、ソース子は。


「あとは残念な胸よね~……うりゃうりゃ」


「ひゃん! や、は、【いやらしいよ】ん、【18禁だよ】ん!」


 まだ悶絶中なのか、先っぽを刺激されると変な声をあげる。


「それよりサーチさん、いい加減に送還されないと、コーミの魔力が尽きちゃいますよ?」


「私だって帰りたいわよ。さっさとひとっ風呂浴びて寝ちゃいたいわ」


「……本当に人間みたいな召喚獣ですね」


「あら、私は元々獣人だからね、人間に限りなく近いわよ」


「へ、獣人? 全然獣っぽさが無いじゃないですか?」


「人間の血が濃いからね、私は」


「へぇ~……何の獣人なんですか?」


「鳥。とは言っても、ダチョウとかエミューみたいな飛べない鳥だけどね」


「へええ!」


 そんな会話を楽しんでいると、ソース子が突然飛び起きて。


「ま、魔力が……」


 あ、やっぱ尽きそうなのね。


「なら私は帰るわ。ソース子、送還して」


「え~……もう少しサーチさんと話してみたかったなぁ」


「そう言われてもね、召喚主の魔力が尽きちゃったら、私はどっちにしても強制送還だし」


「だったら、コーミの魔力が回復すれば無問題ですよね!」


 はい?


「ま、まあ、そうだわね」

「だったらー♪ 出でよ、天秤の蛇ハクダシンよー!」


 そう言うと、白ヘビがふぁんてぃの腕に巻きついて現れた。ていうかハクダシンって、白い蛇の神ってこと?


「ほらハクダシン、『回復力増進』よ」


 そう言われた白ヘビは、魔力不足でアップアップしていたソース子に移動し。


 ガブッ

「ってえええええええ!!」


 噛みついた。


「な、何すんのよ、ふぁんてぃ!」


「ほら、これで魔力不足は治ったでしょ。これでまたお話できますよ♪」


 い、今のは……。


「それ、召喚獣?」


「はいー。私の召喚獣、回復のスペシャリスト・白蛇ハクダシンでーす♪」


「か、回復のスペシャリスト……」


「ハクダシンは星四の召喚獣で、戦闘力は皆無なんですけど、回復魔術に関してはトップクラスなんです」


「か、回復に特化してるんだ……」


「ですからふぁんてぃは、治療院を定期的に手伝うのを条件に、バトルを免除されてるんですよ」


 な、なるほど。そりゃあ、その方が有意義だわね。


「ですからぁ、サーチさん、コーミ、まだまだお話しましょうよ♪」


「……ま、別にいいけどさ」


「やったー! でしたらサーチさん、この部屋のお風呂に入りましょうよ」


「は?」


「ああ、サーチさんには言ってませんでしたね。ふぁんてぃは……お姉様大好きっ子です」


 はいいっ!?


「そういうわけですから! 裸の付き合いといきましょうよー♪」


「ちょ、ちょっと!? 私はそういう趣味は……」

「ありますよね? 絶対ありますよね? 私達は同志ですよね?」

「ちょっと、ソース子、送還して、送還!」


「……ごめんなさい、サーチさん……私、今夜はベッドに忍び込まれたくないので……」


 こらあああああ!

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