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第十五話 ていうか、またまた戦隊。

「フレア!」

「…………」


 いろいろと吐き出してスッキリしたらしいウォータは、まだ塞ぎ込んでいたフレアに駆け寄って抱きしめた。


「ウ、ウォータ?」

「フレア。私達、まだ一人じゃないから。私が居るし、フレアも居る」

「ウォータ……」

「それにリーフもスカイも居る」


 あ、ウォータの言葉で思い出した。リーフとスカイは無事なのかしら?


「ナイア」


「そうですわね、探してみましょう」


 ハグし合っている二人を残し、探しに行くことにする。


「ウォータ、フレアを頼むわ」


「サーチお姉様、どちらへ?」


「リーフとスカイを探しにね」


「あ、でしたら私から呼びかけますよ?」


 へ? 呼びかける?


「はい。私達が子供の頃から合図として使っていたサインがありまして」


 へえ。


「それでわかってもらえるんなら、手間が省けるわ。お願いしていいかしら?」


「了解です……フレア、大丈夫?」

「あ、うん、大丈夫。私にはウォータが居るから」

「え……」

「ウォータ……」

「フレア……」


 見つめ合う二人はやがて一つの影となり……ってちょっと!?


「昼間っからナニしてんのむぐぐぐっ」

「サーチ、今はそっとしておきましょ」


 ナイアに引き摺られ、草むらに連れて行かれる。


「むーっ! むーっ!」

「フレアが立ち直るには人肌が必要なのかもしれませんわ」

「むーっ!」

「ですからワタクシ達はそっと見守りましょう」

「むー……むーっ!?」

「ああ、ですがワタクシもあれを見ていたら……」

「むぐぐぐっ! むぅ! むぅぅぅぅ!」

「ワタクシも人肌が恋しくなってきましたわ」

「むぅぅぅぅ…………む、むふぅ……」

「ああ、サーチ!」



 ズドムッドムッドムッドムッドムッドムッ

「ぐふげふごふげぶぅ!」

「ほらほらほらほら人肌だよ人肌! ただし膝だけど」

「ご、ごめんなさい! ごめんなさいい! んぶふぁ!?」

 ドサァ


 たく……。


「サーチお姉様……大胆ですね」


 あんた達には負けるわよ!


「ていうか、落ち着いた?」


「あ、はい。ご迷惑をおかけしました」


 迷惑なんて……あ、あんたらが【いやん】してくれたおかげで、ナイアまで【あはん】してきたのはひたすら迷惑だったわ。


「それより何かサインするんじゃなかったの?」


「ああ、そうでした。ウォータも協力してね」

「勿論」


 そう言ってお互いの手を握り合う二人。うんうん、絆がさらに深まったようで何より。


「それじゃ始めよっか」

「うん、いつもの爆発でいいよね」


 ん? 爆発?


「では……とぉう!」


 ボォン! ボボォン!


 は?


「色とりどりの煙幕ですわね」


 赤、青、緑、水色って……まさか!?


「セイレイレッド!」

 ボボォン!


「フレア!?」


「セイレイブルー!」

 ボボォン!


「ウォータ!?」


「セイレイグリーン!」

 ボボォン!


「リ、リーフ! いつの間に」


「セイレイライトブル~」

 ボボォン!


「スカイまで!? ていうか、ライトブルーって

ビミョーだな!」


「四人揃って! 属性戦隊!」

「「「「セイレイジャー!」」」」


 ボボボボボォォン!


「…………」


 ……イエロー……あんたの仲間になりそうなの、灼熱大陸にいたよ。


「私達、この遊びで仲良くなったんです」


「最初はフレアと私だけだったんですが」


「……たまたま通りかかった私は、いつの間にかセイレイグリーンにされてて……」


 リーフは巻き込まれたのか。


「私は~、一目見た瞬間に~、虜になりました~」


 でしょうね。スカイ、好きそうだし。


「ていうか、リーフとスカイ、大丈夫だったの?」


「はい。私はスカイのおかげで」

「噴火が始まってすぐに~、リーフを抱えて上空に逃げましたから~」


「そっか。無事で何よりだわ」


「……ですが……長老様を始め、私達木の一族は……」

「私達も~、かろうじて上空に逃げられた人以外は~……」


 ほぼ全滅、か。


「さっきの噴火で、精霊族は壊滅に近いわね」


「はい……」


 俯く四人。ていうか、またこの空気か。


「はいはいはい、落ち込むのはあとにしよう。今はまだやらなきゃいけないことがあるわ」


「やらなきゃいけない事……ですか?」


「ええ。オニコとツィツァを探して、あのバカ王をブッ飛ばすのよ」


「バカ王……そうです、炎の王が全ての元凶……」

「あいつが暴走しなければ、長老様は……!」

「同じ精霊族である私達に牙を剥くなんて……!」

「絶対に許しませんから~!」


 よしよし、回復してきたわね。ならさらに戦意を上昇させようかな。


「精霊シスターズ……じゃなくて属性戦隊セイレイジャー。あんた達にビッグなお知らせよ」


「え?」


「氷結大陸にね、あんた達の仲間になりそうな子がいるわ」


「氷結大陸に!?」

「私達の仲間が!?」


 あ、いや、まだ仲間になるって決まったわけじゃないんだけど。


「どんな方ですか!?」


「イエローって言ってね、氷属性の固まりみたいな子よ」


「こ、氷属性!? この大陸には居ない種族ですね」

「氷の一族はかなり昔に大陸から出て行ったと聞いてますが」

「まさか……氷の一族の末裔!?」


 いえ、ゴーレムです。


「これは……是非迎え入れるべきですね!」

「賛成!」「賛成です!」「賛成~」


 大陸を超えて、違う戦隊同士で繋がり合うのの………………ていうか、マズくない?


「待って。イエローは違う戦隊の」

「でも氷属性でイエローは変ですよね?」

「そうだよね。氷属性ならブルー?」

「いや、ブルーは私だから」

「ならライトブルー?」

「ライトブルーは私です~」

「あ、氷は白いから、ホワイトじゃない?」

「セイレイホワイト……いいんじゃないかな」


 ……イエロー。あんた、スノーイエローからセイレイホワイトに変わることになるかもよ。氷結戦隊ユキダルマン、ピーンチ。


 

これがしたくてフレア、ウォータ、リーフ、スカイを出した。悔いはない。

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