ゴブリンは燃やさないとね!
「おいあんたら大丈夫か?」
レックがまだ息のある男と女に声を掛けた。
「あなたのお陰で助かったわ」
女がレックにお礼を言いつつラーズの手当てに走った。
幸いラーズの傷は腕を切られたのが大きな傷では有るがそれ以外はかすり傷程度であったために命に別状はない。
「あんたのお陰で命拾いしたよ、ありがとう」
ラーズもレックにお礼を言いつつ自分手当てをしていた。
俺がもう少し早ければとか思う事もある、だが2人は生きている。
これはこういう世界なんだ、力が無ければ死ぬし最悪はあのゴブリンに壊れるまで犯され続ける。
「所であんたはこの辺じゃ見ない顔だな?」
ラーズが問いかけてきた。
「ああ遠い国から自分探しの旅に出てるんだ。」
レックは適当に旅人だと偽った。
まあ異世界から来たと言っても信じてもらえるはずもないしな。
「この辺に街はあるかい?」
「街はないけど村なら近くにあるわよ」
「そうかありがとう」
とりあえず近くに村がある事が分かり一安心のレックはゴブリン達の装備品をデスラに収納し始めた。
デスラがインビジブルを使ってない所を見ると見られても問題ないとの判断なのだろう。
「所でその浮いてる黒いのはなんだい?」
「私も気になってた。」
2人はデスラに興味があるようだがとりあえず適当に言っとかないとデスラ自体がはっきり言ってイレギュラーだからな。
これは俺の収納魔法で消す事も出来るぞ?
普段はすぐ出せるように浮かせているがな。
デスラにインビジブルを使うように小声で伝えるとデスラは周りの景色に溶け込んだ。
「ほらな?」
「とりあえずこのゴブリン達は燃やさないと周りから色々寄ってくるんじゃないか?」
「そうだね、ごめん死体集めるの手伝って。」
ゴブリンの死体は結構ヒドイ病原菌の塊らしくとりあえず討伐したら燃やすのが鉄則になっている。
討伐部位とか無いのかな?とレックは思いつつもラーズを見ると無手ゴブリンの爪を剥いでいた。
ちょっとグロテスクな光景でまあ爪は腐ったりしないからなと1人納得していると燃やす準備が出来たようだ。
「じゃあ燃やすからね?」
もしやここで異世界初の魔法を見れちゃうのか? とドキドキしていると女が懐から缶を取り出した。
缶の中身をゴブリンにかけて石をぶつけあわせている。
あれ?魔法じゃ無いの?と思っているといきなりゴブリンの死体がゴーっと燃え盛った。
多分あの缶の中身は油か何かで火打石で火を付けたんだなと思い、デスラに頼んでタバコとライターで一服をし始めた。
働いた後の一服はうまいなぁ〜。
「な、何それ?」
「火が出たぞ?」
「魔法じゃ無いのかな?」
「火が出せるなら火かしてくれればいいのに」
女ががっくりとしていた。
レック自身も魔法で燃やすと思っていたからまさか火打石で火を付けるなんて思わなかったのである。
「 あーこれは火の出る道具なだけだぞ、魔法じゃないから」
「さすが旅をしてきただけあって色々持ってますね」
「まあね」
「とりあえずここから移動しましょう、今から歩けば村に夜までには着くはずよ。」
とりあえず2人について行けば村に行けるなと一安心のレックであった。




