バカにされる?
「ところでお前の天馬獣はどうしたんだよ?」
「神様の所で貰わなかったの?」
2人の男女が天馬獣について訪ねてきたがそれをレックは無視した。
「はん、さてはもらい忘れたか小さすぎて連れてくるの忘れちまったのか?」
と、若い男が笑いながら言ってきた。
「言っとくけど俺の天馬獣はすげーんだぜ、なんて言っても天馬獣の中では大型で力も天馬獣の中では1、2を争う程らしいからな!」
「私の天馬獣だって特殊個体で回復魔法も使えるエリートなんだからね!」
「あーわかったさては呼応してくれる天馬獣すら居なかったんだろ。」
男はさらに大笑いをしてはらいてーと言っていた。
2人の天馬獣自慢をハイハイと流しお宅らの天馬獣とうちのデスラを比べて欲しく無いレックは話を別方向に持っていった。
「どうやら僕は天馬獣すら貰えない落ちこぼれの様なので役には立てそうにありませんね。」
「役に立たない人間がタダ飯を食う訳にも行きませんのでそうそうにここから出て行きますよ。」
「マジで貰えなかったのかぁ〜ダセーなぁ〜」
「そんなに笑ったらダメだよユウト」
女の方も笑ったらダメ言いつつ笑いを堪えている。
「アイも笑いを堪えてるじゃん」
ユウトに言われアイと呼ばれる女はそんな事無いよと笑いを堪えた顔で反論していた。
ハッキリ言って説得力の欠片もない。
「勇者様方まだレック様のスキルがあるではありませんか!」
「役立たずなどと決めつけるのは早過ぎますぞ。」
老人2人はやはり神からのスキルがトンデモない事を知ってる様だなとレックは思うと同時に勇者は誰も役立たずなんて言ってねーだろと静かにイラついていた。
「俺ら役立たずなんて言って無いけど? お前らだって天馬獣すら貰えない男が役に立たないって思ってたって事じゃん。」
ユウトの鋭いツッコミにタジタジになる老人を見てユウトはさらに大笑いしていた。
「俺のスキルなら言語理解と言語筆記だが?」
これは神からのオマケとして貰っていた。
「言語理解とか俺らも持ってるし、まあ筆記は持ってないけど字を書かねーから必要ないスキルじゃねーか。」
「ハイ!決定ー!こいついらねーわ。」
ユウトが即座にレックをハズレと決めつけ老人に言い放つ。
「ぷ、言語理解と言語筆記とか異世界に連れて来られたのに天馬獣は無い、スキルがハズレって恥ずかしすぎるし。」
アイもレックをハズレと決めつけての発言をする。
レックもバカでは無いから言って良いスキルとダメなスキルとを厳選して言ったのだがどうやらこの2人のバカは信じた様だ。
レックはうまく話の流れで自分のスキルを言ってしまった風を装い老人がどんな反応をするのかを観察していた。
「まさか異世界の勇者様が言語筆記と言語理解しか持ってないとか…」
「今までに無いイレギュラーですね。」
「とりあえずこのままではマズイですね。」
「この男には少しの金を待たせて放逐しましょう。」
「もしも王にこの事がバレたら我々の首が飛びますぞ。」
3人の老人が小声でひそひそと会話をする。
成る程これは狙い通りに事が進んでるなと内心ではほくそ笑むレックであった。
だがレックも気付いていなかった。
この2つのスキルが有るだけでトンデモ無い事件に巻き込まれる事を。
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