召喚の理由?
だんだんと光りが薄れ薄暗い部屋に3人の老人と10代後半ぐらいの男女が、居る事がわかった。
「今回は男性のようだね。」
若い男が独り言の様につぶやくのが聞こえた。
レックにわかるのはこの5人に呼び出されたという事、今回はの発言で前の召喚者は女性である事が分かるが呼び出された訳はどんな内容なんだよ。
しかも複数の召喚が必要な可能性もあるし、ここで時間を取られるのかぁ〜と思っていると老人に話しかけられた。
「まずは名前を聞きたいが私の言葉が分かりますかな?」
「レック」
「レック様ですか? 後は何個か質問させていただきますね。」
老人はこんな状況でも冷静な対応をしてくるレックに対してかなり頭のキレる人物である事に警戒をし、とりあえずは話を進める事にした。
「まずは我々の目的から話させていただきます。」
「我々はレッドデボン国に所属する召喚士と呼ばれる職業の者です。」
「この度のレック様の召喚は、魔王との和解の為の物だという事を理解して頂きたい。」
3人の老人が交互に話しかける。
魔王と和解?
凄まじくめんどくさい内容だなとレックはため息をこぼす。
「まずはステータスを見せていただけますか?」
「断る」
レックは自分のステータスが他人に見せてはいけない物だと本能が言っているのを無視はしない。
何故ならデスラがすでにインビジブルで姿を消しているからだ。
他人に自分の情報を与えるほどお人好しでは無い。
「自分の情報を与えるほどお人好しでは無いんでね。敵かも知れない相手に情報は渡せないな。」
「そうですか」
やはりやりにくい男だと老人は思い、それならそれで後で服従の腕輪や指輪で従わせれば問題無いと3人の老人は顔を見合わせた。
すでに第1の勇者と第2の勇者は指輪と腕輪により服従の条件は揃っている。
普段はただ力が増したり魔力が上がる能力だが指輪と腕輪は登録者の命令を強制的に実行させる事が出来る。
そこで若い男女が口を開いた。
「どうせ今出ても死ぬだけなんだからここで素直になって生活とか保証してもらった方が良いんじゃないか?」
「ステータスなんてこの国の人達と比べたら10倍はあるんだし恥ずかしくないでしょ?」
多分だが俺のステータスは10倍どころか万倍以上は軽くある。
それはデスラが俺の天魔獣である事が起因している。
全てのスライム族の能力などは全てデスラに帰化する。
その一部は主人に上乗せされる。
例えばデスラはHP1のスライムが倒されただけでHP1上乗せされる。
それが今までの分なのだ。
チートすぎるぜデスラ!
流石は最上級神のスライムだよなと思いつつ2人に言ってやる。
「まずここに連れて来られた時点で拉致だな、しかも異世界だから監禁もされてる様なもんだ、拉致監禁する様な犯罪者に教える事なんてないだろ?」
「まずは自分の世界に帰れるのかの有無とかの説明が先だし色々と計画がズボラすぎるぜ。」
「それについては今から説明させて頂こうかと。」
老人の1人が慌てて喋りだした。
やはり色々とダメな転移に巻き込まれた様だった。