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お酒で話をはぐらかす?

レックは自分の鞄を漁りならがある物を探した。

それは自分の10年間の相棒の牛刀である。

社会人になり飲食店で働きだした時に買ったものでそれなりに愛着もあり手になじむ持ち具合だ。

レックの鞄からはビール、サバイバルナイフ、包丁、BB弾、寝袋、エアーガン、鍋、ライター、タバコ、などが出てきた。

それらを素早くデスラに収納する様に促ししまって行く。


それなりにしまい終わった所で神はレックに話しかけた。

「とりあえず天魔法はステータスでチェック出来るから後でしなさい。」


「ああ、わかった。」


今のレックはそれどころでは無い。

もしかしたら荷物を持っていけるのかもしれないのだから。


そんなこんなでグダグダなレックは神に話をそらすために提案した。


「新しい門出に一杯飲まないか?」


そう、鞄からはビールが出てきたのだから飲まないとね。


冷えてないけど…


レックは神にビールを渡し2人で乾杯した。

神も久々の地上のお酒に舞い上がる。


「レックよなかなか素晴らしい物を持ってるな!」


「あそこの鞄から出てきたからな。」


レックが指差した所には中身がなくなった鞄が置いてある。

デスラもいつの間にか戻って来て自分の周りをふよふよしている。


神が思い出したかの様に手をぽんと叩きとりあえずビールを冷やしてくれた。


なぜもっと早くビール冷やしてくれねーんだよ。

レックはほとんど飲み終わったビールに少し悲しくなりながら話を促す。


「あの鞄の中から好きなものを1つ異世界に持っていけるから好きなのを持っていけ」

これは神からサービスだからとグイグイ飲んでいく。

すでに4本目を開けている。


「残りは全部やるよ」


「良いのか?」


レックは神に残りの19本のビールを渡し神に別れ告げた。


「じゃあまた死んだら会おうや」


神はビールを貰った事に舞い上がって鞄の事など忘れていた。

そう、神は1つと言ったけどすでにデスラに収納済み、分からなければ何をしても悪い事では無いのだよ。

要はバレなければ良いだよ、

とレックはニヤリとし異世界に旅立った。

まあ後でバレるけどもうそこに居ないから関係無いよねと思いつつ。






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