神様から名前を貰う。
二話目です。
まばゆい光が場を支配し小さくなっていくにつれてその者の姿が見えはじめた。
小さな球体が空に浮かび呼び出した男の周りをふよふよと浮かんでいる。
神も見たことのない野球ボール程の大きさの天魔獣が居る。
「お主は何を呼び出した?」
神は男に問いかけると男は
「スライム」
とだけ答える。
こんな天魔獣のスライムなぞ居ないはずじゃが?
少し見てみるか。
神はすかさずそのスライムを見極めはじめく、く、くと笑いをこらえるようにしている。
「お主さては姿、形だけではなく能力まで想像したな?」
「まあね」
「面白い、そやつはわしの管轄外の天魔獣でな、最上級神の天魔獣だ」
「ふ〜ん? それで?」
神の中でも上位に位置する神の創りし天魔獣は普通は人間程度の魂では呼び出せるはずがないのに呼び出したこの男に興味がわいた。
「普通は呼べても強い程度の天魔スライムだが規格外だから気を付けよとしか言いようがないな…」
「そうか」
「ところでお主は1度死んだ事により名前が無いのを気付いているか?」
そう言われふと男は自分の名前が何であるか思い出そうとする。
前世の記憶はあるし友達の名前も思い出せるのに自分の名前が思い出せない。
神は男の顔見てニヤリとし、何やら考えながらこう言った。
「わしがお主の名前を付けよう。」
「ナナシのゴンベーとかでよくね?」
男は自分の名前すらどうでも良いようだった。
そんな発言を無視して神は男に名前を付ける。
「お主の名前はレックと名付ける」
レックと神に名前を付けられた男は何時もの様にふ〜んとした態度を崩さず空飛ぶスライムをモミモミしている。
「レックね、まあ何でも良いけどありがとうさん」
神にお礼を言いレックはふと死ぬ直前まで持っていた物がその場にある事に気付いた。
ただの背負い鞄20リットル入る大型の鞄だ。
出掛ける直前まで持っていたはずの鞄で死んでまであるはずの無い鞄がここにある事に浮かれるレック。
果たしてその鞄には何が入っているのか?
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