川の上流で
「この辺でゆっくり出来るとことかあるかな?」
「村の西口を出て30分程歩いた所に川が流れてるからそこら辺ならゆっくり出来ると思うぞ。」
レックがラーズに話しかけラーズが自分のわかる事を答えた。
「あとは川の辺りは魔獣の間引きをしてるとは言っても結構な頻度で魔獣が出るらしいから気をつけろよ!まあここの村の男連中はDランククラスの実力はあるからこの辺の魔獣なら自分で狩っちまうけどな」
成る程この辺は魔獣は多いけどそんなに強くは無いのね。
むしろ川が近いから水目当ての動物(人間を含む) を食糧にするために魔獣が集まりやすい傾向にあるようだ。
「まあちょっくら出かけてくるわ。」
レックはラーズに声をかけ川の方へ歩いて行った。
川は30分程歩いた所にあって丁度中流ぐらいな場所なのだろう。
川の流れも緩やかで飲み水としても利用してるみたいだ。
鮎や鯉に似た魚もいてこいつは食えるのかとマジマジ見ていたら情報が頭に浮かんできた。
アユッピ白身魚として結構有名、塩焼きでスダをかけて食べるのが絶品。
コッコイ白身魚で高級、主に煮魚にするが地域によっては生で食べる。
結構当たる人が居るので生食は注意。
あ〜これが天眼の能力か…知らず知らずのうちに能力を使っていたみたいだ。
でもこれがあれば魔獣の強さも見れるな。
とりあえずこの辺は村人が良く利用するみたいだし上流の方に行って魔法を試すか。
レックは川の上流を目指し歩く事1時間半。
岩をジャンプで飛び越え、崖をクライミングし、自分の身体能力がかなり上がっている事に驚きを隠せない。
崖のクライミングなんて命綱を付けて先輩と何度かやったぐらいなのにスイスイ登れるのだ。
そして泉の湧き水が流れて川になる場所を発見した。
泉に少し引っかかりを覚え泉を凝視した。
神の加護の泉。
無限に水が湧き出る。
汚染浄化作用があり毎日飲めば健康的になる。
進化の泉で無い事に安心し散策を始め少し森の開けた場所で魔法の練習をする事にした。
もちろんこの辺は探知で人がいない事を確認済みである。
まずは魔法についてステータスを確認しよう。
「ステータス」
レックレベル1
職業アサシンが追加されました。
敵に気づかれる事なく一瞬で相手を葬ると手に入る職業。
相手が自分より勝っていないと手に入らない。
上位者相手にまず見つからず、目の前にいても見失う場合もある。
………
………
………
………
なんか増えてるししかもゴブリンキング倒したのにレベル1とかこれってふざけてるよね?ねえ?
まあいいや。おめあてのものは〜。
………
魔導大天…
おーあったあった。
「称号セット」
って言ってみたけど言わなくても使えるんだよな…。
まずは初歩のファイアからだな。
えーっと、身体のどの部分から魔法を出すのかイメージし、体内の魔力を放出、この時イメージをおろそかにすると魔法は出ず魔力だけが消費される。
成る程。
完全詠唱、簡易詠唱、呪文詠唱、詠唱破棄があり完全詠唱を威力10とすると簡易詠唱7、呪文詠唱が3、詠唱破棄は1程度の威力である。成る程成る程。
要は牽制するなら詠唱破棄である程度離れてるなら完全詠唱での攻撃が有効なんだな。
ゲームみたいで面白くなってきたぞ。
アサシンの事は完全スルーである。
それにアサシンとか犯罪っぽいとかレックは思っている。
「えーっとファイアの呪文は…我の言霊に反応し現世へ姿を現せ、その威力を持って相手を焼き尽くさん。ファイア」
呪文覚えるために声に出して読んだだけで手の平から物凄いスピードで空に向かって行く。
ぼーーーーーーー「チッ」どーーーーーーーーーん…
…………………はっ?
な、なんだ?
しかも何かにかすって爆発したし…
俺の上に居るのが悪い、そうしかも探知に引っかからないぐらい遠くだし?
まあ良いか?
ヒューヒュー…?
風が急に出できたな?
ふと空が暗くなり上を見上げると…
「ん?」
なんかデカイのが太陽を隠したみたいだ。
全長50m程のデカイ何かだ。
「クォラー、誰じゃわしにメテオインパクトなんぞぶっ放したバカ野郎はー」
メテオインパクトってなんぞや?
隕石の衝撃?そんな物騒な物は知らん知らん…
「キュイキュイ!」
ん?デスラがなにか叫んでるな?
ん?何々?
「ちっ悪運の強いドラゴンですね、死ねば良かったのに!」
ん?とうとう幻聴まで聞こえるようになったか?
最近転移とか転生だとか依頼だとかで疲れてたのかな?
「キュイキュイキュイ!」
ん?何々?
「主人、あいつに本当のメテオインパクトを見せてやるんです。」
とりあえずデスラちゃんをモミモミしてみよう…
「キュイキュイ?」
「主人な〜に?」
ん?なんかデスラの言葉が分かるっぽいな… しかもドラゴンが嫌いみたいだな…
「デスラ?」
「キュイ?」 「な〜に?」
「ドラゴン嫌いなのか?」
「キュイキュイキュイキュイキュイ!」