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夜の月に笑われて  作者: 宮城まこと
桜の下でもう一度
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第五話 真相①

 朝早くから事務所が騒がしかった。響子さんの携帯に安瀬馬さんからメールが届いたのだ。この事件の真相に近づくための、大きなヒント。

「やっぱり、こういうことだったのね。助手くん、ちょっとこっちに来てくれる?」

「どうした響子さん」

 俺は響子さんに手招きされるままに、近寄ると彼女に携帯の画面を見せられた。

「えっと、なになに?」

 ここからは俺が読み上げた安瀬馬さんのメールの文章だ。

「お前が調べて欲しいと言っていた鹿崎華実は、お前が調べた通り神楽坂町の市長の娘だ。それで彼女は謎の体調不良が起こる前日の桜を守るデモ活動に参加していた。親とは、不仲だったらしい。

 その反抗心からか、デモに参加していたが彼女の学友に尋ねたところ、デモの参加者にも腹を立てていたらしい。本気ではなかったみたいだ。悪いが、オレが調べることが出来たのはここまでだ。あとは自分で捜査しろ」

 相変わらず仕事が速い。たった一日で、ここまで調べ上げるなんて。

「答えはもう出ているわ。鹿崎華実がこの事件の犯人よ。まだ動機は完全ではないけれど、今調べるべきは彼女がどうして桜に固執しているかよ。それが分かれば、彼女が犯人だって確定できる」

「じゃ、今日はそれをやるのか?」

「そうよ。その前に、朝ごはんを食べましょ」


 俺たちは朝ごはんを食べ、今一度神楽坂町に向かった。

 今日の天気は曇りだ。ひどく頭が痛い。どうしてだろう、悪い予感がする。響子さんは俺の珍しい頭痛を気遣ってくれたが、俺は大丈夫だと言って鹿崎さんの家に行った。

 インターホンを押し、鹿崎さんの母が出て来た。今日は火曜日、春休み真っ只中で華実さんはいてもなんらおかしくなかったが、今日も桜のことで外出しているらしい。

 例の如く偽物の警察手帳を見せて、同じ挨拶をした。

「警察の方ですか……どうぞ、入ってください」

「失礼します」

 響子さんは礼儀正しく家に入り、靴をそろえ奥に招かれる。

「それで、何を聞きたいんですか?」

 テーブルに座り、紅茶を出される。

「華実さんと、あの桜について訊きたいんです。よろしいですか?」

「ええ、構いませんが、どうして警察が?」

「もしかすると、警察の出番がくるかもしれないので。事前調査と言ったところでしょうか」

 響子さんは、にこやかな顔を崩さず、眉ひとつ動かずに答えた。

「……そうですね、お父さんと華実はよくあの桜道で遊んでいました。花見をしたり、休日は見に行ったりそのぐらいです」

 鹿崎さんのお母さんが、そう告げると響子さんは「大切な思い出なんですね」と答える。それから一言二言言葉を交わして、鹿崎家を後にした。

「今夜が勝負ね。一旦家に戻るわよ助手くん」

 この哀しい事件をもうすぐ終わらせることが出来る。さぁ、あとは俺が戦うだけだ。

次話決着!

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