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それでも私は君に惹かれた

作者: 戸川涼一朗
掲載日:2025/10/22

好きになるって、どういうことなんだろう。

ただ一緒にいるだけで幸せ。でも、相手を理解するのは難しくて、

時には怒ったり、泣いたり、傷ついたりもする。

それでも――人を好きになる気持ちは止められない。

この物語は、そんな“まっすぐな想い”を描いた恋の話です。


私には好きな人がいます。

その人は高身長で、誰からも愛される人気者。

勉強も運動もできて、しかもイケメン。

そんな彼を見ているだけで、胸がドキドキしてしまう。


でも、私は何の取り柄もない“普通の女の子”。

話しかけることすら恐れ多くて、

ただ遠くから見つめるだけの日々を過ごしていました。


ある日、クラスの友達が言いました。

「ねぇ聞いた? ハルト君、彼女できたらしいよ!」

その瞬間、心の中に小さな痛みが走りました。

“そっか……当たり前だよね。あんな素敵な人なんだもん。”

そう自分に言い聞かせて、何も考えないようにしました。


放課後、帰る途中。

食堂の前を通ると、ハルト君とその彼女が話しているのが見えました。

つい気になって、足を止めてしまいました。


「イケメンで優しくしてくれたから付き合ったけど、

あなたって浮気もするし最低な男……。別れて。」

そう言い残して、彼女は立ち去りました。


ハルト君は、辛そうな顔ひとつせず、ただ俯いたまま。

その姿が気になって、私は思わず声をかけてしまいました。


「ねぇ、ハルト君。さっきの話、聞いちゃったんだけど……浮気って本当?」

彼はゆっくり顔を上げて、静かに答えました。

「うん、本当だよ。俺さ、付き合ったら満足しちゃうんだ。」


「みんな勇気を出して告白してるのに、そんな気持ちで付き合うなんて。

ハルト君には、恋愛する資格なんてない!」


そう言い放った私は、自分でも驚くほど怒っていました。

「ごめん……言いすぎた。」

でも、ハルト君は黙ったまま、その場を去ってしまいました。


翌日、ハルト君はクラスで孤立していました。

おそらく、彼女が周りに話してしまったのでしょう。

けれど、どこか寂しそうな背中が気になって、私は近づきました。


「ねぇ、昨日はごめん。言いすぎた。」

「いや、そんなことないよ。俺が悪いんだ。」


「ちゃんと謝ったの? その彼女に。」

「……今さら、なんて言えばいいんだよ。」

「“ごめん”の一言でいいと思うよ。私も一緒に行くから。」


私は彼の手を取って、彼女のもとへ向かいました。

そして、ハルト君はしっかりと謝りました。


「ねぇ、スッキリしたでしょ?」

「まぁ……少しね。」


それから、私たちはよく一緒に過ごすようになりました。

そして、ある日。

「俺、お前のことが好きだ。」

そう告白され、私は泣きながら頷きました。


相変わらずハルト君の“浮気癖”は治っていません。

それでも私は、彼のことが好きです。

恋は、綺麗なことばかりじゃない。

許せないことも、受け入れたくない瞬間もある。

でも、誰かを想う気持ちはそれでも消えなくて、

不器用にぶつかり合いながら、少しずつ形を変えていく。


この物語が、誰かの“それでも好き”という想いに

そっと寄り添えたら嬉しいです。


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