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家族への思いの裏側

ドワーフとエルフが和解され、エルフ国の東の森を納めるマッケンフィールド家が捕まった夜。


エマの部屋をノックする音が聞こえる。

同室のリナが何方かと問うと、ドアの向こうにいたのはハーミーであった。


「エマさん、ご免なさいね。実は私の家族についてお願いがあって来たの」


「家族と言いますと、現在捕らえられておりますマッケンフィールド家の人達ですか?」


「そう、彼らよ。彼らなんだけど、おそらくこのまま行けば、聖国への国外追放になるかと思うのだけど、私達はあの国では魔物扱いされ訪れただけで殺されてしまうわ」


おそらく、ハーミーさんの言う通り、聖国に行く=死罪みたいなもの。それだけ、60年もドワーフとの関係を悪化させた事を重く捉えているみたい。

そして、ハーミーさんはおそらく・・・


「ハーミーさんは彼らを聖国に行かせたくないのですね。ですが、ハーミーさんは彼らに酷い仕打ちを受けていたはずですが、どうして助けたいのですか?」


「そうよね。普通は信じられないわよね。私も彼らの事を許していないわ。ルワンダの婚姻の儀に参加出来なかったもの。だけど、不思議に思われるかもしれないのだけど、彼らに死んで欲しいとは思えないの」


「いいえ、ハーミーさんらしいかと思います。私もレオナルドを殺したいとは思っておりませんので、何となくその気持ち解ります。ですが、どのようにして助けるのですか?」


「それなんだけど、彼らと契約を結んで頂けません?」


エマはハーミーが考えていることが何となく解った。確かにあそこならエルフ国に迷惑をかけない。それにアルルカン帝国との交流を図るため、絶賛大量生産中であったため、融通することは可能性である。

エマが可能であることを伝えると、ハーミーから感謝される。



─── エルファンローレンス城 ───


「今日はお二人で来たのか?アメリア国の王子は一緒ではないのだな」


エマはリューグナー国王に自身の能力やアメージア様との関係性などを詳細に説明を行った。

そして、エマが手掛ける島の開拓に追放予定であるマッケンフィールド家の人達を預かりたい事を伝える。


「罪人には罪を償わせなければならない。人手が必要なら我の方から移住希望者を集いても良いぞ」


「私も罪人には罪を償わせるべきだと思います。そして、彼らは長年ここにいるハーミー様を迫害してきた罪がございます。そのハーミー様に対する罪も償わさせたいのです」


リューグナー国王は顎に手をやり悩む。エマ達の考えを理解はしていた。

だが、罪人への対応を誤ると第二の彼等が生まれる事になる。死罪に近い彼等に対して彼等に引き渡す事は明らかに罪が軽くなってしまう。

国王の悩みは長考していた。


「少し宜しいでしょうか?」


「何だハバルフ?」


「彼らは罪人ですので恩赦を与える訳には行きませんので、彼らに引渡しとしても条件を設けてみてはどうでしょうか?例えば、足枷をつけさせるとか、罪人の証を、額に刻むなど」


「そうだな。ならば、私がだす条件は3つだ。『左頬に罪人の証である✕の焼き印を押す事』『子が出来ぬよう処置をする事』『財産を与えぬ事』。これを守れるのなら罪人をそなた等に引き渡そう」


かなり重い条件だ。エマはハーミーにどうするか伺いたく、彼女の方を見ると彼女は頷いていた。


「ありがとうございます。我らの我が儘をお聞き頂き感謝致します」


「うむ。だが、ハーミー・マッケンフィールドよ、彼らそなたの奴隷になる事に返事をするとは思えないのだが」


「それにつきましては大丈夫でございます。長年、彼らの事は見ておりましたので、どのようにしたら彼らを思い通りに行動をさせるか熟知しております」


これについては根拠のない自信ではない。彼女が東の森にいた頃は不正等はなかった。彼等は彼女の事を迫害していたが、東の森を守ってきたのは彼女であったことを気付いていない。

そして、これからも彼女に守られている事も気付かないと思う。


「そなたも損な役回りだな」

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