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新しき幹部

「皆は集まっているかしら?」


「はい、会議室におります・・・もしかして、そちらの方も連れて行かれるのですか?」


セバスが疑心の目をハーミーに向ける。

エマがセバスに告げずに連れを連れてくることなどなかった。ましてや、会議に出席させるなど考えられなかったからだ。


「大丈夫よ」と、エマが伝えると「左様ですか」と少し落ち着いたようであるが、ゼバスの警戒は解かれる事はなかった。


緊急会議が開かれる。

エマの隣にはリナやロイは居らず、見知らぬハーミーが笑みを浮かべながら座っているため、皆が何事かとセバス同様に落ち着かない様子で此方を見ている。

先ずはハーミーの紹介をしなくてはならない。


「彼女は天帝と言う冒険者グループのリーダーのハーミーさんよ。彼女は自身が持つスキルによって、私が処刑された事やアメリアが滅びた記憶を持っているわ。その為、彼女を私達の仲間に率いれる事にしました」


会議室は静寂となってしまった。ここにいる人達はエマから秘密を明かされているが、他に記憶があるものなど目にしたことがないため、何処か実話ではないように思っていた。だけど、もう一人同じように記憶があるものが現れた事でエマが語った事が実話であった事を理解した。


「ちょっと、いいかしら?」


手を上げたのはマリアお母様であった。


「天帝のハーミーさんが来られると言う事は天帝の皆さんも来られるのかしら?」


天帝はかなり大きい冒険者グループである。その為、王家と繋がっている者もいても可笑しくないと、お母様は警戒しているようであった。

笑みを浮かべながら座っているハーミーにマリアお母様も笑みを浮かべながら質問している姿を見て、二人は同族かもしれないと思った。


「天帝の中にはアメリア国を崇拝しているものもおりますので、今は私だけになりますわ」


「どうして、エマちゃんの仲間になってくれるのかしら?」


マリアお母様の質問にハーミーは自身が持つ記憶を事を細かに説明した。

エマが処刑される時の罪状が余りにもこじつけ過ぎて平民の皆が冤罪であると思っていた事や、レオナルド王子が如何に傍若無人であったか、そしてマリアお母様によってアメリア国が滅んでしまった事を話した。

お母様は片手を頬にあて、「あらあら怖いわね」と話したが、皆はそんなお母様に恐怖しているようであった。


ハーミーに諜報部隊長の地位を与え、様々な情報の収集と、島に危険が訪れていないかなどの主に防衛に協力して貰う事にした。


会議が終わりエマはハーミーを連れ島の開拓具合を散策する。


「エリイスの街並みも驚いたけど、この街もすごいわね」


「ありがとうございます。ですが、これで完成ではないのです」


エマは更なる街の構想をハーミーに話した。乗り降りが簡単に出来るエレベーターや歩く歩道、空飛ぶ車など、まだ現実化出来ないものを話す。

すると、ハーミーから「それじゃ、ドワーフの国に行けるといいわね」と告げられた。

どうやら、ドワーフ国は既に幾つかそれらのものがあるらしく、かなり文明の栄えた国らしい。

どうにかドワーフ国に行ける手段がないかと考えているとハーミーから質問をされる。


「この建物は何?」


ハーミーは検閲所の建物を指差して聞いてきた。エマはハーミーと一緒に建物内に入り転移門を通る。

そして検閲所の外に出ると、そこには見たこともない世界が広がっていた。


「ここは・・・?」


「ここは遠い海の向こうにあるアルルカン帝国です。実は長い航海にてこの国に辿り着くことが出来まして、この国と国交を結び転移門にてこの国と私達の島を結ぶ予定です」


流石のハーミーもここまでは見透せなかったようで、「ハハハ」と乾いたような笑い声を上げながら、ひきつった笑みを浮かべていた。

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