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8.えっ!奴隷ギルドですか?

商業ギルドは不動産にも明るい。

最後にモーリスさんに商業施設の空き物件の紹介をお願いしたところ、少し中心から外れた所に良い物件があり、その物件をリース購入することにした。

さて、次は・・・


「えっ!奴隷ギルドですか?」


「そうよ。商品が出来ても販売出来る者がいないとしょうがないでしょ。それに今後、鍛冶屋への注文が増える事を考えると人材が必要だわ」


「確かにそうですが・・・」


「直ぐそこだから大丈夫よ」



【奴隷ギルド】

『奴隷』という言葉で勘違いされがちで、エマも本で読むまでは奴隷ギルドの必要性を知らなかった。

奴隷ギルドは『犯罪者奴隷』『職業斡旋』『孤児院』に別れる。


●犯罪者奴隷

法に反した者を刑期までここで預かる事になる。この犯罪者奴隷は『排泄物の清掃』『開拓作業』など通常の者がやりたがらないが必要な仕事を犯罪者奴隷にさせている。犯罪者奴隷には首輪がされており、定期的に行われる点呼に姿が見えないと首輪が位置を知らせる。場合によっては首輪が爆発することもある。


「こちらは、奴隷ギルドですがお嬢ちゃんが何かようかい?」


「これから起業するのに従業員が欲しいの。グレイス領内にある孤児院で12~18歳の孤児は何人ほどいるかしら?」


「そうですね。私が知るところでは18名ほどおります」


「そう。日曜日の午前9時より借りた物件で面接したいから集めて頂けます?」


「了解致しました。他に何かありますでしょうか?」


「次のオークションっていつかしら?」


「二ヶ月後の第2土曜日でございます。もし宜しければ紹介状をお書き致しましょうか?」


「ええ、お願い。それじゃ今日はこれで帰りましょ」


「次のご来店お待ちしております」



― 次の日 ー


「お父様、少しいいでしょうか?」


「どうかしたのかい?」


「私のスキル『浮遊』と『収納』は特殊ですので少しでも能力を把握したいと思っておりました。先日、街中のギルド巡りを致しましたらお父様が領地巡りと兼務で冒険者をされていたとを教えて頂きまして、なら私もスキルアップと領地巡りを兼務で冒険者として活動したいと思っております。つきましては、お父様の許可を頂きたいのです」


「ああ、その件か。いいんじゃないかな」


「はい!?」


「冒険の話はギルド長のモールスから聞いていた。いつ相談してくれるのかと待っていたよ。私が止めるとでも思ったのかい?冒険者は危険というイメージが強いが自分の力を過信せず着実に活動していれば危険など差程ない。むしろ勉強になることは多いと思う。それにモールスが目を光らせているから安心だろう」


「あ、ありがとうございます。基本的には荷運びや薬草採取を中心に行う予定です」


「それじゃマックウェルが満足しないだろ」


冒険者ギルドの件があっさりと通り少し拍子抜けしたけど、次は商業の話をすることにした。


「それから、執事のセバスさんが執事の仕事を息子さんに譲り隠居すると聞いたのですが本当ですか?」


「どこで聞いたのだ?確かにその話は出ている。セバスも早めに息子に譲りたいようなのだが、セバスも隠居した後にやりたい事がないらしくてな」


これは実際に聞いたのは夢の中でしったのは大分後になってから本人と会い教えて貰っていた。

夢の中ではなかなかやめられず、エマが13歳になるまで執事を続けていたが今回は私が彼を必要としていた。


「それでしたら、セバスに是非に私の仕事を手伝って頂きたいのですが」


「仕事とは?」


エマは手持ちの用紙をゼウスに手渡した。


「これは?」


「先日、幾つかの商品を登録致しました。、一番上の二重線が引かれたものが新商品として登録したものです。その下に書いてあるものが今後開発して行きたいものとなっております。これらの商品を開発して行けば第二第三の店舗が必要になって来るかと思いますので、セバスにそこを管理する支配人になって欲しいのです」


「成る程、セバスどう思う?」


「嬉しい限りです。これなら我が息子も私の老後の心配もしないでしょう」


「ありがとう。セバスにも後で販売計画案を見て頂けるかしら」


「勿論でございます」


「それと、明日事務所に孤児院の子が来るの。お父様とセバスさえ良ければセバスも一緒にどうかしら?」


「セバス、一緒に行ってくれるか?」


「畏まりました。明日はそのようにさせて頂きたいと思います」


「ありがとうございます。セバスも宜しくね」



― 次の日 ―


セバスと一緒に事務所に行く事にしたのだが、驚いたのがお父様より支度金を手渡されたからだ。

お父様やお母様には私の部屋の者を売って資金作りをしていたことがバレていたらしい。

最初は受け取るのを断ったがお父様より「これはエマの計画書を読んだ上での支度金だよ。領主に会いに来た商人の話を聞いた上で商人と契約を結ぶのは領主の仕事なんだよ」と言われたので、お父様と契約を結ぶ事にした。


「ほう、良い店舗ですな?」


「でしょ。ほらダニエル、工房つきなのよ」


ダニエルに今後は製造だけでなく人材育成も兼ねて引き抜いてきてしまった。鍛冶屋の親方には怒られる覚悟だったけど、ダニエルの将来が心配だったらしく逆に喜んでくれた。

尚、元の鍛冶屋にも製造依頼の契約を結ぶ事となっている。多分、そうしないと間に合わないと思うから。


「ホーミン先生もどうかしら?」


私の魔法学の先生である。魔法ギルドで働きながら家庭教師をして頂いていた。授業中に魔道具〔湯沸し器〕や今後開発予定の魔道具の一部を話、良い人材を紹介して欲しいとお願いしたところ、「私では駄目ですか?」と立候補された。

ホーミン先生が言うには「魔法ギルドはコネの社会です私では副ギルド以上は望めません。でしたらエマ様と共にいた方が面白いと思いまして」出そうで、私にとっては嬉しい申し出であったので喜んでお願いをした。


「ええ、素晴らしいですよ。楽しみですね」


「エマ様、奴隷ギルドの人達が子供達をお連れになりました」


「私は奴隷ギルド長のドーミンと申します。本日は宜しくお願い致します」


「宜しくお願い致しますね。子供達も宜しくね」


子供達が怪しい目で私を見ている。

その目・・・気持ちは解るわよ。皆よりも年下の子に「子供達も宜しくね」と言われてもね。


「おい、何で俺より年下のお前が偉そうにしているんだ?」


「あら解らない?私が雇用主となるからよ。雇用に年上も年下もないのよ。ただ私達も無理に働かせようとも思わないわ。そうね、5分間待ちます。私達は皆さんを雇うつもりでいますが、無理強いはしたくないので決めて頂戴。ここで働くか別の職を探すかを」


そういうと、リナにお茶を用意して頂き皆で休憩する事にした。皆で相談している声が聞こえる。


「あいつ生意気だ。別の所にしようぜ!」


「他で働ける所なんてあるのかよ!」


「あんた、年下に指示されるのがイヤなだけでしょ」


「私はここで働くわ。あの人、無理強いしなく私達に選択肢を与えてくれたわ。悪い人じゃないはずよ」


「ふん、好きにしろ!」


「そろそろ、五分ね。それじゃ、ここで働きたい方は来て下さる?」


ぞろぞろとエマ達の方へ多くの子供達は近づいてきた。残っているのは先程の生意気な子供を含め三名が残っていた。


「それではドーミン、私達はこの子達を雇用したいと思うのですが、この中で手先が器用な子とか計算が得意な子とかいるかしら」


「手先で言いますと、『カンナ』『グリス』『タービン』『ボルト』が得意です。計算ですと『サイン』『コサイン』『タンジェント』ですね。他ですと『スムージー』『バニラ』『タルト』『ミルフィーユ』は料理が得意です」


「それでは、手先が器用な子は『ダニエル』と『トーマス』の所に、計算が得意な子は『サムシン先生』の所に、料理が得意な子は『ミント』の所へ移動して」


トーマス

大工職人。ダニエルの知り合いで紹介して貰った。


サムシン

エマの経営学の先生。といっても、まだ学生なのだが父ゼニスが優秀だからとエマの家庭教師として依頼された。

今回の話をお願いしたところ喜んで引き受けてくれた。


ミント

我が家の料理人。料理長に我が儘を言って引き抜かせて貰った。我が儘と言っても決して無理強いはしていない。ただ、「もう新しい料理を教えない」と言っただけ。


「ホーミン先生、残された子の魔力はどうかしら?」


「そうですね、この三人の子の魔力がかなり高いですね」


「『マナ』『ルナ』『カナ』ですね」


「それでは、三人はホーミン先生の所へお願い」


「それでは説明に入るわね。二ヶ月後の『オークション』にて人材を再度雇用する予定です。そこで『セールス』に向いた人材を雇う予定です。先ずは工房担当の皆さんにはここに新しい魔道具の提案書がありますので、魔道具の開発と量産をお願いします。料理担当の子にはここにレシピがありますので料理を研究して下さい。

二ヶ月後に魔道具や日用品はセールス販売を料理は出店販売を行って行く予定です。

サムシン先生の所で学ぶ子は経営学を学んで将来的には支店長と一つの店を任せて行きたいと思いますので宜しくお願いします。

残った子はセバスの基で教育を受けて頂き、優秀な子には地域の支配人を任せようかと思うので頑張って下さい。

尚、この二ヶ月は育成期間ですが、ちゃんと給金を支払いますので安心して下さい」


「な、な―俺達も駄目か?」


さっき、雇用を拒否した三人だ。


「貴方達は今回はいいわ。貴方達は私が年下だから生意気に思えているのよね。そのような事で人を差別する人はお客に対しても差別するわ」


「・・・」


「安心して。雇用は毎年行うつもりよ。貴方達は変われると信じているわ。ただ、来年雇用するときは確実に今回の子達の下で働いて貰う事になるけど」


可哀想だけど仕方がないわ。判断・態度には責任を伴って貰わないと。

私も皆の生活が掛かっているからしっかりしていかないと。

【エマ・グレイス】

8歳 女性 Lv2 

職業 〖貴族〗 適応魔法 闇

体力 30  魔力 30

力  8 守  3 速  3 知  20

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv2 槍 Lv1 斧 Lv1 弓 Lv2 鞭 Lv1 拳Lv10

スキル 〖浮遊 Lv3〗〖収納 Lv3〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗


魔法ギルド  ブロンズランク

商業ギルド  Hランク

冒険者ギルド Hランク

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