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謁見

何処の国に訪れても国王陛下と言う者は威厳がある。エマ達は謁見の間へと通されると、目の前にはこの国の王と思われる人物が訝しげな眼差しでエマ達を見ている。

エマは王と思われる人物に挨拶を行うと、自分達が友好的な国交と商談に為に訪れた事を伝えた。


「遠路遥々訪れて貰ったところ申し訳ないが、商談と言われても、そなたらの国の事は何も知らんのでな。知らん国との取引は難しいと思うが?」


王と思われる者は否定的であった。だが、それもエマにとっては予測の範囲であった。


「それでしたら、我が国の魔道具を見て頂きたいのですが宜しいでしょうか?」


「見る分には構わん。だが、それが我が国が欲するものとは限らんぞ」


王と思われる者の訝しげな態度は続いているが承諾を得られたと、次から次へと魔道具を取り出し、扱い方法を説明する。


魔道具〔湯沸し器〕

魔道具〔伝書鳥〕

魔道具〔ベル〕

魔道具〔テント〕


と、様々な魔道具を取り出すと、先程まで頬杖を着いて憮然と訝しげな態度で対応していた国と思われる者は、口を開けて呆けている。

エマは、そんな王と思われる者の事はお構い無くメインの魔道具を取り出す。


魔道具〔収納袋&ポーチ〕

魔道具〔魔道自動車〕

魔道具〔コテージ〕


家まで取り出した事で王と思われる者の口は顎が外れるのではないかと思われるほど大きく呆けていた。

エマは、これ等が一部であることを伝えると王と思われる者の言葉を待つ。しかし、エマの説明が終わっても王と思われる者の時は止まったままであった。

王と思われる者だけではない、隣にいる王妃も、その場にいる全ての者の時が止まっている。

いち早く我にかえった隣に立つ大臣が咳払いすると、王と思われる者は漸く我にかえる。


「な、なるほど、そのような国宝を我が国との友好の証として・・・」


「あっ、いえ、これ等は普通の売り物でございます」


「う、うりゅもにょ!?」


国宝と思っていたものが普通の売り物であると告げられると、王と思われる者は思わず立ち上がり叫ぶ。しかし、その言葉は驚きのあまり言葉としてなしてはいなかった。

王と思われる者のあまりに恥ずかしい姿に隣にいる大臣が「国王陛下!」と叱咤を飛ばすと、王と思われる者は咳払いをしながら再び座り出す。


「な、なるほど、面白いものを扱っているのだな。だが、友好を結ぼうにも、そなたらの国は遠すぎるように思える。そなたらは再び、この地に訪れる事が出きるのかな?」


エマは謁見の間に魔道具〔転移門〕を取り出す。流石に王と思われる者を転移させる訳には行かないため、護衛の兵士に門に入って貰えるようお願いをする。

渋々、兵士が門を潜ると兵士の姿が消えた。

突然と兵士が姿を消した事で謁見の間の空気が変わる。兵士が攻撃され消されたと勘違いされたようであった。

だが、再び兵士が現れると、何があったのかと皆が狐に摘ままれたような顔をしている。


「な、何があったのだ!」


王と思われる者が兵士に訪ねる。兵士は説明しようにも自身の身に起きた事が現実なのかどうか頭が困惑して、説明して良いのか戸惑っていると、王と思われる者が「早く説明せよ!」と、兵士に叱咤したため、信じて貰えるか解らないが自身の身に起きた事を話すことにした。


「ま、街でございます。この門の先に行きますと、見たこともない街がございました」


「それは〔転移門〕と言う魔道具で私の能力を元に作った魔道具でございます。この門により、この国と我が島を繋ぎ、人や物の交流を図りたいと考えております」


王と思われる者は再び立ち上がると、フラフラと転移門に近づく。臣家の者が「陛下?」と訪ねるが王と思われる者から返事はない。王と思われる者はそのまま転移門を経験すると、戻ってきた王と思われる者は突然にエマに膝間付く。


「「「国王陛下!!」」」


自身の国王が得体のしれない娘に跪く姿を見させられた室内の者達が静止しようとするが、王と思われる者に「黙れ!」と一喝せれてしまう。


「異国のご令嬢よ、数々なる無礼な発言をお許し下され。もし、許されるならば、我が国との国交を結んで頂きたい」


エマは跪く国王の手を取ると、ゆっくりと国王を立たせる。


「こちらこそ宜しくお願い致します」


こうしてエマが住む島とアルカカン帝国との国交が結ばれる事となった。




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