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いざ、王宮へ

エマ達は上陸者を選定して再度上陸を行う。エマが代表者だと知ると、この国の兵士達がざわめく。それもそうだ、こんな異国の大型船から下りてきた代表者が、こんな子供なのだから。


エマ達は兵士達に連れられながら城に向かう。衛兵を代表するものから馬車を進められるが、知らない国の馬車に乗るには、何らかの仕掛けがあるかもしれない。まだこの国を完全に信用する事は出来ない。その為、エマは「乗り物はございます」と馬車を断ると、収納スキルから魔道自動車を取り出す。


兵士達は再びざわめく。

残念に思うのが何を話しているのか解らないが、恐らく魔道自動車と言う馬がなくても走れる乗り物に驚いているのだと思う。


魔道自動車を前後左右取り囲むように護衛と言うていで城まで移動する。移動中、街中を通ることになったが、街に住む人達は何事かと皆が興味津々に魔道自動車が通るのを拝もうと道に溢れんばかりに集まって来ていた。


エマは窓を開けると兵士の代表と思われる者に翻訳機を通して「街の人にお菓子を渡しても良いか?」と問うと、承諾を得る事が出来た。

エマはポーチからお菓子を取り出し街の人達にばら蒔き始める。


移動中、ずっとポーチから出てくるお菓子を流石に可笑しく思う兵士の代表と思われる者は、エマに問い掛けるとエマは「魔法のポーチです」と答える。

これで、この国に魔道具〔ポーチ〕のような品物はないことが解った。


城に辿りつくと、エマ達は魔道自動車から降りると再び収納する。城門が開くと十数人はいるのではないかと思うほどの兵士がエマ達を向かえており、兵士達に囲まれながら謁見の間へと歩き始めた。


(ここに来るまで色々と得られたわ。これ等を活かして絶対に交渉を成功させる!)



○衛兵騎士団長


(なぜ私が務める世代にこのような大事が起こるのだ)


衛兵騎士団長の私は嘆く。

この国は長く平和な世が続いていた。その為、歴代の衛兵騎士団長は役職着くも特に問題なく任期を終えられた。それが私の代になって、このような大きい事件が起きるとは私は本当に運がない。


私が緊張していると、大型船から一隻の小舟が近づいてくる。

小舟からは、まだ成人していないように見える青年二人と老人一人が降りてきた。


(何だ?この面子は?)


あまりにもチグハグな外来人に私の緊張は緩み出す。小舟から降りてきたチグハグな外来人が何か語り出すが何を言っているのか解らない。

私は国王様から授かった魔道具〔翻訳機〕を使うと、チグハグな外来人は驚いた顔をしている。


(もしや、田舎者達か?)


私は翻訳機に驚く彼らを見て思わず笑みを浮かべる。私は彼らを我が国より遅れている田舎者と思い込み、この時は完全にチグハグな外来人を下に見下していた。


翻訳機を通して彼らと会話をすると、大型船に船の代表者がおり、この国と友好的な商業取引を行いたいと言う内容であった。

私はこんな田舎者に我が国が欲しいものがある筈がないと思うが、此方も王命で害意がなければ国王陛下の元に連れていかなければならない。


国王陛下との謁見の話を伝えると彼らは一度戻り再び現れると、先程の三名にマスクを被った男性と育ちの良さそうな少女が加わっている。


(これは悪巫山戯か何かき?)


あまりにも変な一団に悪戯ではないかと疑ってしまった。こんな者達を国王陛下の元に連れていかなければならないのかと溜め息が出そうになる。

これも仕事だと私は諦める事にした。

だが、私がチグハグな一団に対する評価は過ちであった事を気付かされる。


彼らに馬車を進めると断られた。何を考えているのかと怒りが込み上げて来たが、その怒りは一気に冷却されることもなる。

少女が手を翳すと鉄の塊が現れた。彼らは、その鉄の塊に乗ると鉄の塊は動き出したではないか。


(何なんだ、これも魔道具なのか?)


私は彼らを王宮まで案内する。道中に街中を通ると、女の子が街の人達にお菓子を配りたいと言う。やはり、ただの子供かとお菓子を配る彼らを見ていると、暫くすると私は異変に気付く。

彼らはポーチからお菓子を取り出し街にばら蒔いていたのだ。既に1時間近くばら蒔いている。あんな小さいポーチの何処に沢山のお菓子が入っているのだろうか?

私は不思議に思い問い掛けると『魔法のポーチ』だと伝えられた。


その後は何事もなく王宮に辿りつく。私達の仕事はここまでであった。この道中で解ったことがある。

彼らの技術は我が国より遥かに上であった。

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