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5.えっ!魔法ギルド

「マックウェル!」


「はい!」


「今日、エマ様が魔法ギルドに行かれる事になった。ゼニス様よりお前に護衛との事だ」


「えっ!魔法ギルド?」


「ああ、表門前に馬車が来ているから直ぐに準備するように」


「チッ!」


「おい!」


魔法学の授業でエマはスキル持ちである事が解った。

スキル持ちは発覚したら直ちに魔法ギルドに登録する事が貴族の義務である。

私と侍女のリナ、従者のロイ、そして護衛としマックウェルの4人で行くよう父ゼニスより指示されていた。


【マックウェル】

グレイス騎士団長のご子息。グレイス騎士団長は幾度の魔物の侵攻を撃退し魔物からグレイス領を守った事で男爵の爵位を授かるほどの実力者だ。

マックウェルも父の血を受け継いでおり、エマとは8歳ほど年上だが、その若さで既に実力は優秀で様々な武術を得意としている。その中でも剣術については同年代では右に出るものはいないと言われるほどの実力を持ち合わせている。

というかただの剣オタクだ。

趣味は剣を集める事で剣について語るときの彼の目はヤバい。

今も剣の修行を邪魔されたせいか非常に不機嫌な顔をしている。

因みに、ロイに剣術を教えている。最初はしょうがなく教えていたがロイの真剣さや教えれば教えるほど成長しているため、マックウェル自身も最近は楽しんで剣を交えている。ただ、ロイから師匠と言われる事は凄く嫌がっているようだ。


「さぁ行きましょ」


「「はい」」


「・・・」


「どうしたのロイ?」


「エマ様、なぜ私も行かねばならないのですかね?」


「不満?」


「ええ。折角の訓練の時間が削れてしまいました」


「お父様がマックウェルを護衛にって言われたんですもの仕方がないでしょ。」


「何で俺なんだよ」


「ご主人様はマックウェル様の事を信用されているのですよ。マックウェル様なら絶対にエマ様を守ってくれると思って選ばれたのですわ」


「ま、まあ確かに俺より強いやつはなかなかいないが・・・」


「師匠、一緒にエマ様を守りましょう!」


「師匠っていうな!」


「ほらー、マックウェル様、眉間にシワなど作らず折角の外出なのですから楽しみましょ」


リナはマックウェルの眉間に指を当て眉間のシワを解すと袋に詰めていたお菓子をマックウェルに渡した。

マックウェルの顔が真っ赤になっている。言葉も「なっ!」「おまっ!」「うっ!」「あっ!」といった具合に言葉になっていない。


(おやおや~マックウェルさん、もしかしてリナの事・・・)


(後もう人押しね)


「魔法ギルドで剣に付与をしてあげるわ」


「付与!」


剣に魔法を付与させるには大金貨1枚とかなり高く、簡単には行えない。これでマックウェルは釣れるだろうか?


「ええ。だから、宜しくね」


「当たり前じゃないですか。グレイスの騎士はグレイス家を守るためにあるのです。私を貴方の僕にして下さい。」


(何、この変わりよう・・・)


「解ったわ。宜しくねマックウェル」


「やだな~エマ様、マックと呼んで下さい。親しい者からそう言う風に呼ばれてます」


「そう?それじゃこれからはマックと呼ぶわね」


「ところでエマ様、今日は魔法ギルドに行かれるだけですか?」


「違うわよ。冒険者ギルドにも行こうと思っているわ」


「『冒険者ギルド』!!」


戦闘狂のマックにとって冒険者ギルドは聖域と同等な場所であった。


「行きましょう!何時行きます?今すぐでもいいですね」


「魔法ギルドの後って行ったでしょ。冒険者ギルドに行ったらロイとマックには冒険者達から色々と話を聞き出して欲しいの」


「情報収集ですね」


「そう。冒険者の常識や不平不満を聞いておいて。新しい魔道具へのヒントになるから」


「なんだ冒険者登録するのかと思った」


あれ?

マックは冒険者登録したいのかしら。

なら、登録すればマックは常に側にいてくれるのかしら?

マックの実力は確か。ロイの他にマックが側にいてくれたらこの上なく安心出来るわ。

なら・・・


「ねぇマック、折角の縁だから私達でチームとして冒険者に登録しようかと思うの。父ゼニスの許可が必要となるけど、登録したら魔物狩りも行う予定よ。どう?今後も一緒に行動しない?」


「うーん、だが剣の修行が・・・」


「ねぇリナ。マックがいてくれると頼もしいわよね」


「はい。マック様はお強いのでいて下さると心強いですね」


「そ、そうか?し、仕方がない。一緒に冒険者として行動してやるか」


(決まったわね。マックの取扱いはリナを使いましょ。)


「あっ!エマ様、魔法ギルドが見えて来ましたよ」



【魔法ギルド】

魔法の研究・付与や魔道具の研究・開発など魔法に関する事業に特化したギルド。

特に貴族は10歳になると魔法ギルドに登録し国に貢献しなくてはならない。

魔法ギルドの主な仕事は【付与】【登録】【鑑定】【研究】【改修】がある。

尚、魔法ギルドにもランクがあり、魔法ギルドへの貢献度によって昇降する。だが、そのランクもほぼ賄賂で決められているところが強く各ギルド内で一番価値のないランクと言われている。


「おやエマ様。お約束通り来て下さったのですね」


この者は魔法ギルドの副ギルド長でありエマの家庭教師をしている男である。


「ええ、スキルの付与をしに来ました」


「成る程、スキルの付与には鑑定で鑑定証の写したものをもって登録窓口で登録を行ってから付与となります。案内致しますね」


「宜しくお願いします」


エマは副ギルド長の案内で鑑定窓口へ向かった。


「ここが鑑定所になります。鑑定はエマ様だけで宜しいでしょうか?」


「折角だから四人お願いします」


「それでは一人10BG(大銅貨1枚)となります。この水晶に手をおいて下さい」


四人の鑑定結果は次の通りであった。


マックの適正属性は炎であるが魔法は全てレベル1であった。マック曰く剣の練習に魔法は邪魔らしい。

「炎魔法を極めれば剣に炎をまとわせる事が出来るかもよ」と冗談で言ったら此からの練習メニューに炎魔法も入れていくそう。


ロックの適正属性は土。魔力もそこそこあるので魔法剣士としての才能があるかもしれない。検査結果が解ると「これはいいですね」と呟いていたけど何の都合が良かったのだろう?


リナの適正属性は水と光の二属性持ち。魔力も非常に高いので、リナにはヒーラーとして育てて行こう。

尚、リナの水魔法だけLv4となっていたのでリナに聞いて見たら昔本で呼んだら水魔法が使えることが解り、それ以来洗濯など至るところで水魔法を使っていたらしい。


エマは授業で鑑定してあったが、ギルドでの鑑定がないと登録出来ないとの事なので鑑定を行ったが、「適正属性が闇」「全属性レベル0」「スキル二つ持ち」「アメージアの加護持ち」と驚き要素てんこ盛りの鑑定結果に検査員は驚きで時が止まっていた。

面倒臭い、ほっておこう。

尚、授業で解ったスキル〖浮遊〗〖収納〗は毎夜魔力が尽きるまで研究していたためレベルが上がっていた。


全員の鑑定結果を持って次は登録窓口である。


「こちらは魔法ギルドの登録窓口です。どなたが登録されますか?」


「私達三人お願いします」


マックウェルは既に登録してある。

貴族は10歳になると鑑定を行うのは義務化されているため、男爵のご子息であるマックウェルは既に登録を済ませていた。


「一人10BGになります」


10BGは銅貨10枚である。尚、銅貨10枚で大銅貨1枚となる。

エマは大銅貨3枚を受付に渡すと受付はそれぞれのプレートを作成した。


「それではこちらに血を垂らして下さい」


針で指を刺し血を一滴プレートの上に垂らすとプレートは淡く光だした。


「これで登録の手続は終了となり、皆様は『ブロンズ級』からとなります。この階級は六段階あり昇給には年一回開かれるギルド会議にてギルドへの貢献度を見て決定されます」


ギルドとうろくを終えると本来の目的であるスキルの付与をする事にした。


「こちらは付与専門窓口となります」


「私のスキルの付与登録をお願いします」


「『浮遊』に『収納』ですか。初めて聞くスキルですね。登録ありがとうございます」


「マックウェル、剣を出して」


「はい!」


「すみません。こちらの剣に付与をお願いしたいのですが」


「こちらですね。少し見させて頂きますね」


そういうと受付の後ろにいた男性が剣の鑑定を始めた。


「良い剣ですね。これなら2つほど付与が可能となりますがどうされますか?」


「『鋭利』『耐久』ですとどうなりますか?」


「こちらの剣は『鋭利レベル3』『耐久レベル3』まで可能かと思います」


「お値段の方は如何程に」


「1つの付与に10GG。1つのレベル上昇に10GGとなります」


「それじゃ限界まで付与するようお願い」


「それでは60GGとなります」


エマは60GG支払いマックウェルの剣に付与を付けて渡すとマックウェルは剣を抱きしめていた。

【エマ・グレイス】

8歳 女性 Lv2 

職業 〖貴族〗 適応魔法 闇

体力 30  魔力 30

力  8   守  3   速  3   知  20

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv2 槍 Lv1 斧 Lv1 弓 Lv2 鞭 Lv1 拳Lv10

スキル 〖浮遊 Lv2〗〖収納 Lv2〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

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