閑話 ④
─ エマ18歳 ─
✳レオナルド皇太子
私は和平のためエマとの婚姻を諦めなくてはならない。私は諦められるであろうか。いや諦められない。
ならば・・・婚姻が出来ぬならエマを側に置いて置けば良いのだ。
私は密かにエマ用の部屋を準備させた。部屋の飾りは此でもかと豪華に仕上げた。窓は・・・必要ないため鉄格子を二重にしてある。ドアも必要なく思え鉄の扉にして外からでしか鍵を掛けられないようにした。
パーティー当日、私はカインに裏切られた。
が、私はまたエマに助けられた。そしてあの正拳突きが再び拝めるとは思いもしなかった。
私は絶対にエマを逃がさない。
エマがパーティーを出たところで精鋭達がエマを捕まえる手筈となっている。エマが如何に一流の冒険者であっても意表を着かれれば逃げることは難しい。
だが、エマは私の前からいなくなった。
まさかバルコニーから姿を消すとは思わなかったのだ。
エマはグレイス領にもテキサル領にもエリュード領にもどこにもいない。エマは完全に消え去ってしまったのだ。
✳ ロイ
エマ様に言われた通り私達は指定の場所に集まるとエマ様が目の前に現れると「行くわよ」と私達と共にゲンブの島に移動した。
「やっぱり危なかったわね。あの男、私をペットか何かと勘違いしているのかしら。私はもうアメリア国には戻れないけど貴方達はどうする?」
リナとマックは共に顔を合わせると「私達はエマ様と共にいます」と返事をしてくれた。そしてロイは私の前に跪いていた。
「私はずっとエマ様の事をお慕いしておりました。8年前の約束をお覚えでありましたら、私はここゲンブ様にエマ様を幸せにすると誓います」
「馬鹿ね。忘れている訳ないじゃない」
これでこの話は終わりとなります。
初めて書きましたが学生の時にもっと文学を学んで置けばと後悔しております。
初めての作品は盛りに盛り過ぎたので次はもう少し控えめにと考えております。
新作は8月の毎週金曜日に発表できるようにしていきたいと思っております。




