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44.えっ!王に?

パーティーの夜よりエマは姿を消した。

姿を消したのはエマだけではない。エマの従者であるロイと専属侍女のリナ、護衛騎士のマックウェルも姿を消した。

グレイス公爵に訪ねても解らず、獣人国など他国に行ったのではと確認したが、他国も行方が解らないと言われている。


あれから2年が経ち、ラミーユとエニスお兄様が婚姻を結びテキサルの跡継ぎとなることになっている。

リーサオーラはルーブルお兄様と婚姻を結びルーブル公爵婦人として経済界の中心となって活躍している。

だが、リーサオーラは後悔している。

最後があのような事となってしまった。

あれが最後だと知っていたら、あのような事はしなかった。

エマが消えた事でラミーユとも会えない日が続いていた。

折角、姉妹になったのに・・・


ラスボス宰相は一族全員処刑とされた。グロレンス男爵や他の貴族も同様であった。ただし、カインは強迫による強要で情状酌量の余地ありとされ生涯奴隷として労働を課せられている。


そして、今日はレオナルド皇太子とファイオナ姫の婚礼の日で王都ではパレードが行われていた。


「あまり変わらないわね」


「ですね。お嬢様がいなくなっては発展が難しいのでしょう」


「ねぇ、いつまでお嬢様って言うつもり?いい加減直して!」


「ゴメン」


パレードが終わり王城にてパーティーが開かれる。

今日パーティーはエルフ国や獣人国、ドワーフ国など全ての国の王及び王妃が招待されていた。その中でも昨年から海の向こうの国『グレマエイス』と取引を行う事となり、此度初めてグレマエイス国の王と王妃を招待した。


「お初にお目に掛かります。息子の婚礼に参加して頂き有り難く感じております」


「いえ、色々ありましたが無事に婚礼出来てなりよりです」


「えっ!何と!?」


「いえ」


パーティーの主役の周りに人が集まるが海の向こうの聞いた事もない王と王妃に会えるという事でパーティー参加者が二人の方をチラチラと探っている。

其も仕方がない。何の儀式なのか向こうの作法なのか解らないが2人はレースに顔が覆われて顔が拝めない。

この怪しさもあり皆が彼らに興味を抱いていた。


パーティーの波は少しずつ海外からの訪問者二人にも押し寄せ王家や貴族が挨拶をしに来た。


「此度は海の向こうからこられお疲れと思いますがご挨拶宜しいでしょうか?」


「ええ」


何人目の挨拶か忘れてしまったが、二人の所に現れたのはルーブル公爵夫婦であった。レースを被った二人の肩が小刻みに揺れていたがルーブル夫婦は気にせず挨拶をしてきた。


「私はアメリア国北部にあるグレイス領を統治しておりますルーブル・グレイスと申します。隣にいるのが妻のリーサオーラ・グレイスです」


「以後、お見知りおきをお願いしますわ」


「こちらこそ、リサさん少し痩せましたかしら?」


「えっ・・・」


「あら、後ろにいるのはラミさん?」


「う・・・そ・・・エ・・・」


リーサオーラが何か話そうとしていたところをグレマエイス王妃がソッと指をリーサオーラの口にあてる。


「お静かに。後で私達の部屋にご招待しますわ」


その後もラミーユとも同じ話をし全て貴族に挨拶を行ってパーティーは終了した。


パーティー後、グレマエイス夫婦の部屋にノックの音がした。


「グレマエイス王様、グレイス公爵及びテキサル侯爵のご夫妻がお話があると来られております」


「入って頂いて」


皆が部屋に入るとグレマエイス王と王妃が共に顔のレースを外した。そこには皆が見たことがある姿に涙が溢れ出てきていた。


「「エマ!」」


「リサさん、ラミさんお久しぶりです」


「ごめんなさい。ごめんなさい。私、貴女の気持ちも解らずに。貴女も辛い筈なのに。ワインを掛けてしまってごめんなさい」


「何も言わなかった私が悪いの。ご免なさい」


「エマさん、酷いですわ。最後の言葉もなくいなくなるなんて」


「ご免なさい。何て言葉を掛ければいいのか解らなくて」


「なるほど『グレマエイス』並べかえると『エマグレイス』って訳か」


「あっ!本当ですわ」


「それにしても私達、『姉妹みたい』って言われていたけど本当に姉妹になったのですね」


「本当ですわ」


「ところで、隣にいるのはロイか?」


「はい。お久しぶりでございます」


「はー、お前達、夫婦として成り済ましていた訳か」


「えっ!ロイとは本当に結婚したわよ」


「えっ!結婚?」


「海の向こうで国を開き国王になったのも本当よ」


「えっ!国王に?」


「皆さん行ってみます?」


皆に確認すると皆が頷いたのでグレマエイス国に空間転移した。


「ここは・・・」


「グレマエイス国よ」


高いコンクリートのビルが立ち並ぶ中、宙に透明な管の中に車が行き交いしていた。

私達の周りはグレマエイスの民が歩いていたが、ある紋様の上に乗ると自動で遠くまで移動したりしている。


「ここはグレマエイスの第三都市ね」


「第三都市?」


「そう。色々な国に勧誘してドンドン人口が増え今では500万人を越えているの」


「500万人!」


ほぼアメリア国の人口と同じであったため皆が驚いている。住民を見ると人間の他にエルフやドワーフの姿が見られていた。様々な獣人も見られる。


「各地域の浮浪者や孤児院に声かけて増えたのよ。エマ商会が良い隠れ蓑になってくれたわ。それにこの国はもっと人口を増やして欲しいから育児に掛かる品物は無料提供しているわ」


「無料!?」


「エマ商会が全国に展開して利益的にはまだまだ余裕よ。他にも学費や医療も無料。それと、法律で共働きする場合はどちらかが必ず休みとなるよう育児計画書を義務付けているの。この育児計画書は夫婦だけではく近所の人でも可能にしてあるわ。それに育児の施設を設け、ここに来れば育児をサポートするので夫婦を助ける事が出来るの」


「はぁー」


「今のところ、出生率は3.75%と順調よ」


「そんなに!」


「どんどん人口を増やさないと。まだ島の2割も開拓出来てないもの」


「2割?島の大きさって・・・」


「アメリアの3倍ほどよ」


「3倍!」


「そうだ。リサさんにいいところ案内してあげる」


エマは皆を商業区へと案内した。

商業区に付くや否やリサの目が輝き出し走り出してしまった。


「す、凄いわ!」


リサが驚くもの仕方がない。

この商業地区には『ピザ屋』『ハンバーガー屋』『牛丼屋』『ラーメン屋』『カレー屋』『パン屋』『うどん屋』『そば屋』『ステーキ屋』と何処か懐かしい飲食店、『カラオケボックス』『ボウリング場』『ゲームセンター』『図書館』『ショップ』などの娯楽も揃っていた。そうまるで前世の景色のように。


リーサオーラが感激しているなかで1組のカップルが挨拶してきた。


「皆様、お久しぶりでございます」


「もしかしてリナさん?」


「はい。今はマック様と結婚致しましてエマ様と共にこの国で生活しております」


「マックは?」


「マック様は地域の開拓のため、率先して魔物退治を行っております」


「三方の戦いで応戦したエルフやドワーフ、獣人などいたでしょ。彼らは皆、ここの住人よ」


「ここから?」


「驚いた?」


「ここに来て驚かされてばかりだよ」


「丁度良いからあそこでお茶にしましょ」


エマが指したのは『コーヒー屋』であった。


「実は皆さんにお願いがあります。リサさんとラミさんの部屋に魔道具〖転移門〗を置かせてくれませんか?何時でも私の部屋に来れるようになるわ。もし、2年前の事を許して頂けるなら置いて・・・」


エマが話を言い終わる前にリサとラミはエマの手を握りエマに伝えた。


「「私達、姉妹じゃない。当たり前だわ!」」


「ありがとう」


ラミとリサの言葉に嬉しくエマは思わず泣いてしまった。2年前に喧嘩別れしてから仲直り出来ずにきていた事を後悔し続けていた。


「エマ、俺達?」


「各お城同士を繋げる魔道具〖転移門〗を用意するわ」


「ところでレオナルドは呼ばないのかい?」

【エマ・グレイス】

17歳 女性 Lv250

職業 〖女王〗 適応魔法 闇

体力 999 魔力 800

力 555 守 200 速 270 知  800 

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣Lv10 槍 Lv1 斧 Lv1 弓Lv10 鞭 Lv1 拳Lv10 弓豪Lv10 弓神Lv10 拳豪Lv10 拳神Lv10

スキル 〖浮遊 Lv50〗〖収納 Lv50〗〖空間移動Lv20〗

称号 〖アメージアの祝福〗

   〖エマ商会の会長〗〖遠島の開拓者Lv10〗

魔法ギルド  オリハルコンランク

商業ギルド  AAAランク

冒険者ギルド AAAランク

エマ商会 175店舗

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