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40.えっ!黒いフード!?

ー 境界の町 ー


「宰相様、聖国の侵攻が治まる気配がありません。我々も直ぐに応戦致しませんと・・・」


「我々は敵が王都に責め入らないようここで待機だ!」


「しかし、このままでは境界の町の市民が犠牲になりますし侵攻した者がアメリア国内に紛れ混んでしまいます」


「黙れ!ここで待機と言ったら待機だ!」


宰相は王より『鎮圧せよ』と王命を受けたのに鎮圧に動こうとしなかった。その行動に不審に思った王兵が進言しても動く気配がない。宰相の考えは誰も解らないのであった。

境界の町に住む民の命を諦めるしかないのかと誰もが諦めかけた中で暴徒達が次々と切断されて倒れ出した。


「貴殿方は何もしないのならそのまま見ていなさい。この場は冒険者ギルドが対応します」


声のする方を見るとフードを被った一人の冒険者風の者が町に向かって歩き出し次から次へと侵攻者達を倒していった。


「勝手な事をするのは許さん!」


宰相がフードを被った者に魔法をぶつけようかとすると一矢が宰相の頬をかすめ飛んできた為、宰相は悲鳴をあげながら転げ出す。


「貴殿方は見ているだけと申したはずですよ」


天帝のハーミーだ。

その他にも複数のエルフがいつの間にか加わっている。

エルフの矢が聖国の者を貫き先陣をきって突き進むフードを被った者が聖国の者をほぼ鎮圧し静寂し始めた中で目の前で驚きの光景が起きた。

神木の橋が切り落とされたのである。


「罰当たりなーーーー!」


宰相が再度立ち上がり魔法を打ち込もうとすると、突然に宰相の指が1つ切り落とされた。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


「指加えて見ていることさえ出来ないならその指入らないわね」


そう一言残すとフードを被った冒険者の姿は消えた。

その場に残っているのは天帝の者達とエルフの民であった。


ー グレイス北部 ー


グレイス北部に集まったのはエリュード領含む近領からの応援や冒険者が集まり約三千の兵が集まっているが魔物の数はその倍はいる。

通常、大型の魔物は複数人で倒すが今回は一人で二体の魔物を相手にしないといけない。

更にドラゴン等の空を飛ぶ敵に対して魔法や弓以外での対応策はない。

先頭の大地で魔物の雄叫びが聞こえ始めた。合戦が始まったらしい。


「少し厳しい状況だな」


ゼニスは一言呟いた。領主としてはあるまじき言葉であるが、ここへは一人の冒険者として参加していた。


「そうね。でも冒険者なんてそんなもんでしょ」


「騎士も諦めたらそこで終わりだ」


「ああ、そうだな。子供等の為に全力を尽くそう」


「ありがとう。でも安心して、応援は呼んであるから」


突然、現れたフードを被った冒険者が指をさす方を見ると多くの飛行する何かぎ見えた。

望遠鏡で覗くと天狗やドラゴニュート、バンパイア、ハーピーなど飛行する獣人属がグレイス領の旗をもって近付いてきた。また、空を飛ぶ者達がそれぞれオークやオーガ等の獣人と共に飛んでいるため、その数五千は越えるかと思われる。


「仲間の獣人属だから間違えないでね。私も少し間引きしてくる」


フードを被った冒険者がそういって言葉を残すと空を飛び次から次へとドラゴンの首を切り落としていった。


「貴方以上の化物に育ったみたいね」


「そうだな。娘には助けられてばかりだ」


「俺達も行くか!」


「おお!!」


ー テキサル領の西の砦 ー


テキサルの兵と近領の兵合わせて三千程集まってが、テキサルの兵は1万を超えている。


「くそっ!ナガン帝国め!本当に全軍投入しおったか」


城壁は崖上にあるため立地では優位であったが多勢に無勢のため徐々に責められつつあった。

苦戦する中で応援部隊が来た。


「グレイス領より参戦する。!俺はこの団の指揮を任されたマックだ!共に戦おう!」


ストロング団長のご子息が約1500の兵を率いて応援に来た。劣勢だった戦況は少しであるが持ち返して来ていた。

防衛戦は昼夜続き兵達も疲弊し始めたがナガン帝国の兵の勢いは留まることはない。


「遅くなってご免なさい。応援を連れてきたわ。」


声をする方を見るとフードを被った冒険者が側にいて指さす方を見るとドワーフ属がいた。

その数、三百程度と藁にもすがる思いの中で本当に藁を掴んでしまった程度の加勢で戦況は変わらないものと思われたが、ここから戦況が一気に変わっていった。


「ドワーフの土魔法を甘く見んことだな」


ドワーフ達の魔法により突然に大地が突起したかと思えば大地に亀裂が入ったりと砦をよじ登る敵兵を次々と叩き落とすと土魔法により砦の強度を強化してヒビが入り侵入しかけた部分も修復されていた。

大地の専門家だ。何処が弱いか次々と対応し防衛は強固なモノとなった。

また、フードを被った冒険者が魔法を唱えるとナガン帝国の兵が次々と切断され倒れ始めた。

その見事な動きに味方の兵もただ見いってしまい、「えっ!黒いフード!?」と呟くのがやっとであった。

此により最早、ナガン帝国に勢いはなくなった。戦況は確実に我がモノとなった。


突然、ナガン帝国の後方よりざわめき始めたかと思うと一気にナガン帝国の兵が退陣し始めた。

ナガン帝国の兵が全て見えなくなると1騎の兵が「伝令!」と叫び近付いて来ていた。

書状を受け取りジョージア侯爵は書状を確認すると驚きの事が書かれていた。


『ナガン帝国のシナノン王が9月10日に崩御。此度の全責任はシナノン王にあり、新王はアメリア国との和平を結びたい。良い返事を期待している。』


「前王が崩御ですと!?」


「ああ、兵が引いていったわけだ。ナガン帝国の作戦の可能性もあるため警戒体制で待機せよ。またこの書状を直ちにガルディア王に届けよ!」


ー グレイス領北 ー


(なんなんだ・・・)


(この数の魔物だ。負ける訳がない。)


(なのになんなのだ・・・)


(なぜここに獣人族がいる!?)


(なんなんだ、あの空飛ぶ冒険者は?)


(何でドラゴンが次々と落とされていってる?)


(ドラゴンってこんなに弱かったか?)


「貴方には聞きたい事があるわ」


突然、後ろに現れたフードを被った冒険者に抑えられ口に何かを入れられたため自害する事も出来ない。


「安心して。貴方は喋る執拗はないわ。獣人族には相手の脳内を覗ける人種がいるの。楽しみにしていてね」


ー アメリア王都 ー


「報告致します。聖国との国境で発生した暴動は鎮圧したとの事。尚、鎮圧には冒険者『天帝』とエルフが応援に加わったとの事です。また、今回の暴動により神木の橋は切り落とされました」


「神木の橋が!?」


「報告が遅れました。鎮圧には『フードを被った冒険者』も関係しており神木の橋もそのフードを被った冒険者のようです」


「フードを被った冒険者!?」


南の暴動の鎮圧ができ少しホッとしていたところ次の知らせが届いた。


「報告致します。西の砦につきましてナガン帝国の兵が撤退致しました。此度の防衛にグレイス領含む近領の兵とドワーフ軍の応援とフードを被った冒険者によって戦況が変わったようです」


「ドワーフ!?それにここでもフードを被った冒険者か」


「報告の続きですが、ナガン帝国の王が崩御されたとの事。新王は和平を望んでいる書状が直ぐに届けられるようです」


「あやつが崩御したのか?」


「そう報告を受けております」


「信じられん。先の会議では何の前兆もなかったぞ」


「謀られたかもしれませんね」


「かもしれん。取りあえず謝状が届くのを待とう」


そして、最後の伝令が届く。


「報告致します。北のスタンピードは無事に鎮圧。また、フードを被った冒険者がドラゴンの背に乗る怪しい人物を捕らえたとの事です」


「フードを被った冒険者は何人いるのだ!」


いつも冷静な王による始めての突っ込みにより王の間に静寂が広がった。

【エマ・グレイス】

17歳 女性 Lv165

職業 〖侯爵〗 適応魔法 闇

体力 825 魔力 630

力 405 守 160 速 215 知  650

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv9 槍 Lv1 斧 Lv1 弓Lv10 鞭 Lv1 拳Lv10 弓豪Lv10 弓神Lv3 拳豪Lv10 拳神Lv10

スキル 〖浮遊 Lv38〗〖収納 Lv38〗〖空間移動Lv14〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

   〖エマ商会の会長〗〖遠島の開拓者Lv10〗

魔法ギルド  オリハルコンランク

商業ギルド  AAAランク

冒険者ギルド AAAランク

エマ商会 120店舗

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