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35.えっ!『闇』

彼女は学園を退学する事になった。

折角、Aクラスに入れたのに勿体ない事をしたものね。能力があっただけに可哀想に思える。

其に学園の卒業は貴族の証とも言える。それが退学となったのだから彼女は貴族ではいられない。

優秀なだけに勿体無い・・・


尚、これによりAクラスが一人減ったためBクラス内で一番優秀な者がクラス上げで入る事になった。


「まさか貴方が来るとは思わなかったわ」


「私も一生懸命に勉強致しましたから」


来たのはロイである。

領地ではマックと共に剣術ばかりかと思ったら勉強も隠れてしていたよう。

ただ私にとっては、ロイが近くにいてくれるだけで少し安心する。


今日の午後は魔法の授業がある。

夢の世界の私はここで皆に『闇』の適正がバレてしまい、学園での見方はロイしかいなくなってしまった事を思い出す。皇太子レオナルドは怪我をさせた負い目での婚約者と言うことで、レオナルドの態度は変わらなかったが味方でもなかった。


「エマ・グレイスさんの適正は・・・えっ!『闇』!?

属性魔法レベルは・・・ええっ!全ての属性Lvゼロ!?」


魔法の授業はAクラスとBクラスが合同で行われ、最初は鑑定であった。

貴族は既に魔法ギルドで鑑定しているが情報は漏洩されない。

なので、皆は初めて私が『闇』属性で魔法全属性がLvゼロであることがバレることになった。

皇太子レオナルドを初めリーサオーラやラミーユも驚いているよう。

ここまでは夢の世界と同じね。

尚、学園で行われる魔法鑑定はここまでであるため、エマがスキル持ちであることはレオナルド皇太子とリーサオーラさんとラミーユさんだけであった。そのため、この時皆から無能令嬢と思われていたかと思う。

因みにソフィア令嬢は光属性である。


次に能力テストだ。

一定の距離にある的に目掛け魔法を放つ。

ソフィアとリナは光の矢を的中させる。

レオナルドは風の刃で的中と皆がそれぞれの得意魔法で的に当てていた。

エマの番が来た。

皆が魔法全属性Lvゼロの人間に何が出来るのかと冷やかしの目で見ている。

私は浮遊魔法で石を浮遊させ的に目掛けて光速のような早さで移動させた。


パーーーーーン!


誰も目で追い付けない。

ただ石が消えたように思えたが音がした方を見ると的の中心に穴が開いている。


「エ、エマ・グレイスさん、今のは物理攻撃なります。ま、魔法での攻撃を行って下さい!」


魔法で浮遊させ移動させたのだから魔法の攻撃だと思うのだけど物理攻撃と言われれば仕方がない。「解りました」と返事をすると収納魔法で的があった周辺をまとめ抉るように消し去った。


「これで宜しいでしょうか?」


「的に当てると言う事は魔法のコントロール能力を計る為に行っているのです。的全体を消してはコントロールしているか解りません」


「其ではこれでどうでしようか?」


エマは隣の的に収納を薄く状態で行う。其により的が真っ二つになった。

尚、的と共に収納した物を元の場所に戻しておいた。


「そ、そうね。良くできました」


エマの魔法に静まり返っている。無能令嬢と思った者が得たいのしれない魔法を使っていたからだ。

また、この授業を切っ掛けに魔法授業の教師がやたらと私に質問をしてくるようになった。


- 教師クレメンス -


私には魔法しかない。

婚約者がいた時もあったが「面白味がない」という理由で婚約破棄され、元婚約者は妹と結婚した。

私には魔法しかない。


一生懸命、魔法の勉強を行い魔法の研究も行ってきた。

私の魔法の実力はかなりのモノだと自負している。


そんな中で風の噂で魔法ギルドでプラチナクラスとなった者が現れたと知らされる。

久しぶりのプラチナクラスだ。

どんなに実力者でもゴールドクラス止まりで歪んだギルド職員が多くいる中でどうやってプラチナクラスの認定を勝ち得たのか興味があった。


なのに魔法全属性ゼロ!

私の頭の中で一つの解として結び付いた。

彼女はエマ商会の会長をしていると聞く。もしかしてお金で買った?

私には魔法しかない。

その魔法を侮辱された?

許せない。


私は次に能力テストとして的当てを行う事にした。

全属性Lvゼロのエマに恥を掻かせるために。

石が浮いた・・・

消えた!


パーーーーーン!


音がした方向を見ると的に穴が空いていた。

的には耐久の保護がされており簡単には穴を開ける事は出来ない。

嘘でしょ・・・

いや・・・全属性Lvゼロの者が的を射貫けるはずがない。

あれは投擲等の武器技の応用もしくは何処かでお金で雇ったスナイパーが隠れているのね。

なんて汚い。

私の魔法への冒涜は許せない!


「エマ・グレイスさん、今のは物理攻撃です。魔法での攻撃をしてして下さい」


ふふ。これで不正も行えないはず。


えっ!どういう事?的が大地毎抉りとられるように消えた。

えっ!今度は的が真っ二つに?

あれ?消えた的が元に戻っている?


・・・


・・・


うん。

解ったわ。

エマ・グレイスは本物ね。


私が常識と思っていた事をエマ・グレイスがひっくり返してきた。

私には魔法しかない?

違うわね。

婚約破棄された事で・・・

元婚約者が妹と結婚した事で・・・

家族が祝福していた事で魔法しか信じるしか出来なかった。

その魔法にも裏切られた気分。

でも、何でかな、絶望感も何も感じない。

魔法から解き放されてみたら魔法以外にも私にはあることが解った。


確か、両親から再三手紙が来ていたわね。

今度の休みに実家に帰って見ようかな。何か会って貰いたい人がいるらしいし。

【エマ・グレイス】

15歳 女性 Lv122

職業 〖伯爵〗 適応魔法 闇

体力 680 魔力 525

力 310 守 125 速 150 知  525

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv7 槍 Lv1 斧 Lv1 弓Lv10 鞭 Lv1 拳Lv10 弓豪 Lv9 拳豪Lv10 拳神Lv8

スキル 〖浮遊 Lv27〗〖収納 Lv27〗〖空間移動Lv10〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

   〖エマ商会の会長〗〖遠島の開拓者Lv7〗

魔法ギルド  プラチナランク

商業ギルド  AAランク

冒険者ギルド Aランク

エマ商会 98店舗

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