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27.えっ!ドワーフ

「な、わ、うわ!」


エマの浮遊魔法で森の上から王がいる森まで移動する。

案内役のエルフは初めての体験であったため興奮を隠せないでいた。

ただ・・・

少し五月蝿い。

暫く移動していると遠くの方に白く輝く城が見えてきた。


ー エルファンローレンス ー


代々、エルフの王が住む城エルファンローレンス。

緑の森の中で純白の城がより城を際ただせ神秘的な景色を目の辺りにしたことで一瞬心を奪われていた。

そして、夢にまで見たエルフの国。ハーミーさんからは「期待したら駄目よ」って言われていたけどどうしても期待してしまう。


「ハーミー・マッケンフィールドただいま帰郷致しました。突然の帰郷及び客人を連れての訪問申し訳ございません」


「エルフ国を治めるリューグナーである。ハーミー・マッケンフィールド良く戻って来てくれた。客人については確かに驚かされたな。理由を聞かせて貰えるかな?」


ハーミーはエマのスキルで谷底の下を調査する事になった事や途中でモグラ族と出会い和平を結ばせて貰った事、洞窟がエルフ国に繋がっていると教えて貰い、同行されているアメリア国皇太子よりエルフ国の王にお会いしたい旨などを詳細に説明した。


「成る程、そなたがアメリア国の皇太子かな?」


「はい。そこにおられますモグラ族の長モーグス殿と和平を結ばせて頂きました。

その際にモーグス殿よりエルフ国への交流があることをお伺いしエルフ国とも友好を結ぶことが出来たらと思い案内して頂きました」


「友好と言われても我が国には特産というものはないよ」


「構いません。可能でしたらエルフ国にある植物の苗木や種などを頂けたらと思っております」


「それで、変わりにそなたの国は何を私達に与えてくれるのかな?」


「解りません」


「!?」


「私達はエルフ国の皆さんが何を欲しているかが解りません。ですがアメリア国はエルフ国にないものが沢山あると思っております。そして、その逆にエルフ国にあるが我が国にないものも多くあるのではないでしょうか。それらを理解するために友好を結びたいと思っております。

例えますと私の隣におりますエマ・グレイス男爵は商会を営んでおりエマ商会には沢山の品物を取り扱っております。エルフ国の皆様にも気に入って頂けるモノもあるかと思います」


「ご紹介して頂きましたエマ商会の会長をしておりますエマ・グレイスと申します。

当商会で扱っております商品を幾つか説明したいと思います。まずこちら魔道具〔防犯〕です。センサーに触れると音がなるようになっておりますので聖国侵入防止になるかもしれません。

次に魔道具〔伝書鳥〕です。これに言葉を吹き込むと遠く離れた者に言葉を伝える事が出来ます。

最後に魔道具〔収納袋〕です。この大きさですが、100倍の荷物が収納出来ます。また、浮遊効果もあるため重量は100分の1の重さとなっております」


「す、素晴らしい。だが、どうやって物流を交わすのだ?

ワーモグラの者達に穴掘りをお願いするとしても何日も歩かなければならない。此ではそちらの国との交流は難しいかと思うのだが」


「そうですね、ワーモグラさんの洞穴にレールを設置しトロッコバスにて荷の移動をさせれば楽に運べるようになるかと思います。谷間からアメリアの大地まで荷を上げるにはエレベーターを利用しようと思います。」


「ほう」


「どうでしょうか。私達と友好を結んで頂けませんでしょうか?」


「私は大臣のハバルフと申しますが少し宜しいですかな?」


「どうした?」


「この者達にドワーフ族についてお願いしてみてはどうでしょうか」


「えっ!ドワーフ!」


「北の岩山を中心にドワーフ国があるのだが、最近先方より突然断絶宣言されてしまった」


(あーエルフとドワーフが犬猿の仲ってあるあるよね)


「差し支えなければ何があったのか教えて頂けませんか?」


「ああ、エルフというのはどうしても時間と言う概念がルーズになってしまってな。何度も約束の時間を遅れていたらドワーフ王が切れてしまった。『謝る迄は許さない』と言われたので何度も謝罪しているのだが全く許して貰えず今も交流出来ていない状態で困っていたところなのだ」


「私がこの国を出た時は仲良かったはずですが。何時からなのです?」


「もう60年程になるだろうか」


「私が出てすぐなのね」


「すまぬが仲を取り持ってくれぬか?ドワーフ族は珍しいモノが好きでな。めったに見れないアメリア人に会えたとなれば歓迎されると思う。其に先程述べた輸送技術だがドワーフ国の技術を借りれば用意かと思う」


「あのう・・・聖国などで人間は嫌われてませんか?

私達が行くと逆効果になるのでは?」


ドワーフ国の北側は獣人の国しかない。西側の人間が治める国に行くには聖国かカディア王国を通らないと行けない。その内の聖国はドワーフやエルフを魔物扱いして見かけたら討伐されてしまう。

そのため獣人族を初めエルフやドワーフは人間が嫌いだとされている。

その証拠に北部の獣人国と隣接しているカディア王国にも獣人族などが国境を超える事は滅多にない。


「そこは大丈夫であろう。私達もそうだがドワーフ族や獣人族は聖国とアメリア人との違いが解るからな」


「そうね。そうでなければ私だって安心してアメリア国で冒険者なんて出来ないわ」


確かに。アメリア国内には隣国から移住してきた者達は少なくない。それどころかエマ達によりアメリア国内は急発展したことによりここ数年の移住者は以上な程増えてきている。その中で聖国の者もいるため区別がつかなければ訳も解らず突然後ろから刺されるなんて事もあり得てしまう。

ただ、何か引っ掛かる・・・


「どうする?王子様。私達は貴方の判断に従うわ」


「私もレオナルド様のお言葉に従います」


今回の調査のリーダーを任されたハーミーさんが判断をレオナルドに一任したので私達がとやかく言う事はないのですけど私が「お願いします」と頼み事をすると「しょうがない」と言う感じで嬉しい顔をする。

現に今も少し顔を赤らめ嬉しそうな顔をさていた。


「リューグナー王殿、私はドワーフ国とも友好を結べる機会を頂いたと思っております。ですので、この度のリューグナー王殿のご依頼を喜んで引き受けたいと思います」


「おお、感謝する。申し訳ないが護衛にエルフの戦士を着けたいのだが私達が近付くだけで国への入国を拒否されてしまうのだ」


「王様、私ドワーフ国のお姫様とお友達ですから大丈夫よ。

場所も解るから道案内も必要ないわ」


(ハーミーさん、ドワーフ国と仲良かったんですね)


(・・・)


(何か頼もしいのだけどやな予感がするのは気のせいかしら・・・)


私達はドワーフ国へは明日向かう事にし、今日の夜はエルフの王城に泊めさせて頂く事になった。

エルフは狩猟が得意な民族であるが乱獲せず必要な時に必要なだけ狩りを行うため晩餐のメニューは殆どが野菜をメインにしたモノが多かった。

アメリア国を知って頂こうと収納魔法で保管してある『パンケーキ』『フライドポテト』『クレープ』を出したところ大変喜んで頂いた。

夜会も無事に終え翌朝を迎える。


「エマ様!」


「どうしたのリナ?いつもより早くない?」


「朝方、ここの侍女の方からこのような手紙を預かりまして」


封がされている手紙が一通、『エマ・グレイス様』と書かれていた。

身に覚えがなく怪しい手紙だが開けないわけにはいかない。リナが罠がないか用心しながら封をあけた。


「何て書いてあるの」


「昨晩のパンケーキが忘れられない。朝食でも食べたいのでパンケーキを頼む」


「・・・」


収納内にパンケーキがないが材料はある。

朝早くエルフに案内して頂き厨房を借りてパンケーキを作らせて頂いた。

ついでに朝早く起こされることはなくしたいのでパンケーキの作り方を書いたメモを料理長に手渡した。

エルフの王は上機嫌に朝食を召し上がっている。

そしてエマは思う


(ドワーフ国行かなくても既に友好結べてるような・・・)

【エマ・グレイス】

12歳 女性 Lv72

職業 〖男爵〗 適応魔法 闇

体力 470 魔力 365

力 200 守  85 速 100 知  350

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv5 槍 Lv1 斧 Lv1 弓Lv10 鞭 Lv1 拳Lv10 弓豪 Lv3 拳豪Lv10 拳神Lv1

スキル 〖浮遊 Lv17〗〖収納 Lv17〗〖空間移動Lv7〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

   〖エマ商会の会長〗〖遠島の開拓者Lv3〗

魔法ギルド  ゴールドランク

商業ギルド  Aランク

冒険者ギルド Bランク

エマ商会 25店舗

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