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23.えっ!旅行終わりですの?

ドメイル領を出ると北上しアメリア国一美しいと言われるハーミットに向かった。


ー ハーミット ー


ここにはハーミット湖という国内最大の湖がある。

そして湖の中に島があり、ハーミットの街はその島に造られている。貴族の間では一度は来てみたいとされる絶景な街である。

この街は景観を守るため道路整備が出来ずにいるため車は湖の畔に待機させ、領内には馬車で移動することになった。


「凄いですわ。街が1つの城みたいになっていますのね」


「この壁は浸水防止の役目もあるそうだよ」


島の中を馬車で見学しながら島の中で一番高い塔に向かっている。あの一番高い塔がハーミット伯爵の領主館となっている。


「レオナルド様及びご婚約候補者の皆様、等領地にお越し頂きありがとうございます」


「このハーミット領は相変わらず素敵だね。流石、アメリア国内で一番美しいとされるだけあるね」


「褒めて頂きありがとうございます」


「本当に領都が1つの宝石のように素敵ですわ」


「はは、嬉しいですな」


「ハーミット伯爵、ご令嬢方にこの領地について説明して頂けると助かる」


「解りました。我が領地は見ての通り殆どが湖で領都はご覧になられた通り湖の中の島にあります。領の収入源は観光と湖の水利権と湖に生息している魚となっております。時期によって水位が上がりますので街周辺は湖の水が侵入しないよう壁で囲んでおります。

ですので、領内に来られた際に通られた橋は少し高い位置となっております」


「時期によって水位が上がると言われましたが湖周辺は問題ないのでしょうか?」


「湖周辺には土手によって水害防止がされております。ですので入口に置かれました車も安全ですから安心して下さい」


「そうなんですね」


「ハーミット領で抱えている問題とかあったら教えて欲しい」


「そうですね。我が領に住みたいという移住希望者が多いのですが、島の大きさは決まっております。私達は湖と共に生きていますので埋め立てるとかはしたくありません。仕方なく移住希望者を断っております。また、宿屋の宿泊も日々満室となってしまっております」


「成る程、それは難しい問題ですね」


どの領主も国に貢献したいと思うものだけど、それを断らなくては行けないとは領主としては残念で仕方がないかもしれない。


「でも残念ですわ。夜、月明かりに照らされる街が見れないなんて」


「ふふ、ラミさん。中にいてはどちらにしても街は見れませんわ」


「あれ?そうですよね。街の外、あの車を止めた場所に宿を作っては駄目なのですか?」


「・・・」


「あそこからみるこの街は絶景かと思うのですが・・・」


「確かに素敵ですわね。入口も丁度西の方ですので朝日に照らされる街を見ることも出来ますわ」


「ラミさん、さすがです」


「えっ!私ですの?」


「だって、ラミさんの言葉がなかったら思いもつきませんでしたわ」


「ハーミット伯爵、検討してみても面白いかもしれませんね」


「そうですな。今日は良い話し合いが出来ました」


ハーミット領を出た一行はいよいよエリュード領に向かう事となった。


ー エリュード ー


久しぶりのエリュード領主館に到着した。


「レオナルド殿下、漸く我が領に来ていただきましたな」


「これでも予定より早いはずだよ」


「はは、それでどうでしたかな国内の情勢は?」


「ああ、全ての領地を廻れた訳ではないが廻る先々で貴重な意見や体験が出来たよ」


「ほう。其は良きことですな。どうやらアメリアの将来は明るいようだ」


「今回の視察は三令嬢のお知恵に助けられました」


「リーサオーラも何かの役に立てたのなら嬉しいですな」


「あら、お父様。それはいつも役立たずとでも仰っているようですわ」


「はは。すまん、すまん。リーサオーラのお陰で我が領地は過去にない運営を行えている。役立たずどころか我が領の女神と讃えられているよ」


「まぁエマさんじゃないのですから大袈裟ですわ」


「何で私が出てくるのですリサさん」


「怒らないでエマさん。まるでラミさんが二人いるようですわ」


「失礼ですわリサさん」


「こんな感じでいつも私は置いてけぼりです」


「私もリサがここまで仲良くなる令嬢がいるとは思わなかったですよ。こやつは小さい頃からどこか無気力であったが、婚約者候補の顔合せから帰って来た時の目の輝かせようと言ったら驚きました」


「お、お父様、私はいつもと変わりませんわ」


「何を言うか。戻って来るなりグレイス領と街道を拓かなければ北の修道院に入ると私を脅したではないか」


「あれは、そうでも言わないとお父様が動いてくれないと思いましたから」


(やはり脅したのですね)


ー エリイス ー


翌日はエリイスに向かった。

現在エリイス領としてグレイス領と分領されている。党首はレレシア・エリイスである。


「お久しぶりです。レオナルド皇太子様。またご令嬢の皆様も久しぶりにお会い出来まして嬉しいです」


「今日は宜しく頼むレレシア子爵」


「はい。ごゆるりとしていって下さい」


食事の場も終えエリイス領主館の最上階から屋上に出られるようになっており皆で屋上から街の景色が眺められるようになっている。


「す、素晴らしい」


「本当に素敵ですわ。私も初めてここの代官に任命された夜に見ましたが驚きました」


「まるで星の中心にいるようですわ」


領主館から放射線に伸びる道路。そして道路沿いにある街灯。夜空の星と一体となった街の輝きが360℃広がりラミーユ令嬢の言う通り星の中心にいるような感じにとらわれてしまう。

申し訳ないが国内一とされるハーミット領の景観も霞むかのような美しさがあった。


「私、リーサオーラ様、エマ様に一番感謝しているのはこの景色を与えて下さったことですわ」


「旅の最後には最高だね」


「えっ!旅行終わりですの」


「ふふ、気持ち解りますわラミさん。この1ヶ月楽しい思い出を沢山頂きましたわ」


「私も皆さんに心配を掛けてしまい申し訳ございませんでした」


「本当ですわ。あんなこと、もうおよしになって下さいな」


「すみません」


「妹も『エマさんがお亡くなりになってしまいますわ』と泣きじゃくって宥めるのが大変だったな」


「そ、そんな事してませんわ」


「はは、だがこうして皆でこの景色を見ることが出来た」


「「「そうですわね・・・」」」


ー グレイス ー


約1ヶ月程の旅も今日で終わりとなる。

魔道モーターの駅前にレオナルド皇太子を見送ろうとしていた。


「レオナルド様、約1ヶ月程ですが一緒にお供させて頂きありがとうございます」


「いや、私の方が楽しませて貰ったよ」


「次にお会いするのが来年の王妃様のお茶会ですわね」


「・・・」


「あら、レオナルド様には申し訳ありませんが私達は度々お茶会させて頂きますわ」


「多分だけど、今回の旅の報告書を提出しなくてはならないのだが、私の予想では三人でのお茶会も当分先になるかと思う。それに次にエマに会うのは私が先かもしれないよ」


「どういう事ですの?」


「まー、エマに冒険依頼が出るかもって事だ」


「どういう事ですカイン様?」


「まだ正式な事ではないから決定したら連絡するよ」


「解りました。レオナルド様お体を大事にして下さい。そして楽しい時間を与えて頂きありがとうございます」


「私も楽しかったよ。それでは帰るとするよ」


レオナルド皇太子、カイン小侯爵、護衛の人達と共に魔道モーターにて王都に向け帰られた。

暫くしてレオナルドの予測通り王命にて冒険探索の依頼が届いた。

【エマ・グレイス】

12歳 女性 Lv62

職業 〖男爵〗 適応魔法 闇

体力 410 魔力 330

力 170 守  72 速  87 知  325

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv4 槍 Lv1 斧 Lv1 弓Lv10 鞭 Lv1 拳Lv10 弓豪 Lv1 拳豪 Lv9

スキル 〖浮遊 Lv16〗〖収納 Lv16〗〖空間移動Lv6〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

   〖エマ商会の会長〗〖遠島の開拓者Lv2〗

魔法ギルド  ゴールドランク

商業ギルド  Bランク

冒険者ギルド Cランク

エマ商会 20店舗

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