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22.えっ!養蜂ですか

ユダン候補と会えないまま次の領に向かう事になった。

次の目的地は『花の都ドメイル』である。


ー ドメイル ー


アメリア国最東端に位置する伯爵領。

人口は五万人と少ないが花の栽培が盛んに行われており一年中何らかの花が栽培されており、アメリア国全域に花を卸している領地である。

そんな事から他領からは『花の都』と呼ばれている。


エマ達一行がドメイル領に入ると『コスモス』『キンモクセイ』『ダリア』『キキョウ』『リンドウ』など秋を代表とする花が多く咲いていた。


「綺麗ですねエマ様」


「そうね。ここで花を見ながらリナのお弁当を食べたい気分ね」


「エマさんは花より食欲になりそうですわ」


「私でも花を愛でる気持ちはあります!」


「まぁ~まぁ~、ほら領主館が見えてきた。今日はあそこで泊まらせて貰う予定だ」


「ドメイル伯爵・・・」


エマは『花の都』以外でもドメイル領について忘れなれない事がある。それは夢の中での出来事で、現実の世界では学園に入学してからの出来事である。

あの事件が原因でアメリア国内の人口が3割程減少した。現在は父ゼニスとも相談しており対策済みだけど上手くいくかどうかは賭けよね。


「これはこれは、レオナルド皇太子様とご婚約候補者の皆様、等ドメイルに来て頂き有り難き限りです」


「多忙のところ出迎えて頂き感謝しています。今日は婚約者候補と一緒に旅行を兼ねて各領の視察しております。ご令嬢達をお連れするのにここドメイルは必須でしたので了承して頂き助かります。此方は今日と明日お世話になる謝礼の品と思って下さい」


「有り難く頂戴致します。立ち話も何ですからどうぞ中の方へ」


「あっ!ドメイル伯爵様。此方、父ゼニスより娘が世話になるお礼にと渡されたモノなのですけど受け取って頂けますか?」


「此方は?」


「グレイス領では薬草の栽培が盛んでして、それら薬草を研究し精製した調合薬セットになります。様々な効用があり『伝染病』にも効果があるものもあります」


「ほう伝染病ですか」


「はい。他にも『上級ポーション』や『上級魔法薬』など数十人分あります。10年程は保存可能ですわ」


「そんな貴重なモノまで。有り難く頂戴致します。ゼニス殿には感謝の言葉をお伝え頂きたい」


「はい。父ゼニスにお伝え致します」


「そういえば、エマご令嬢は商会を立ち上げていると聞いておりますが」


「はい。皆さんにお世話になりながら経営させて頂いております。リーサオーラ様にラミーユ様も商会のお仲間なのですよ」


「なんと、婚約者候補なのに御3名とも仲が良いのですね」


「ええ私達、仲良しなんですの」


「ところでエマ商会がどうかされましたのですか?」


「ああ、すみません。我が領地にもエマ商会の店を開いて頂きたく思っております」


「お店ですか?」


「はい。我が領は北東は不可侵条約の森、南はアメージアの爪痕となっておりまして物流が悪くどうしても物価が高くなってしまいます。

直接、エマ商会の店が出来ましたら少しでも物価が抑えられるかと思いまして」


確かに、ここドメイルは王都から夜通し車で走っても1日以上かかってしまう。

それに立地もこの街の先には何もないため、商業車はあまり来たがらないだろう。

花という商品があるからどうにか成立しているが商店が出来れば生活が良くなることは確かだが、ここに商店を出すメリットが少ないため他の商会も店を出していない状態であった。

だが、将来の事件を考えるとここに商店があった方が便利であったためエマとしても都合が良い申し出であった。


「解りました。戻ったらここに商店を出せるよう手続きを致します。場所や細かい交渉につきましては代わりの者を後日寄越しますので日程等の相談をしていくようにしたいと思います」


「おお、有難い!これでこの街も賑やかになりますぞ!」


「森の先にある『エルフの国』と親交が持てれば良いのだが、森を切り開くわけにはいかないからな」


そう、アメリアの東の森の先にはエルフの国があるのだが森は不可侵条約となっているため国交結ぶ事が出来ないでいる。

前世でも空想上の生き物だっただけに一度でも会いたいのだけど残念ね。


「東の森は不可侵条約となっておりますが魔物などはどうしているのですか?」


「途中までは我が領地の森なので、領地内で見つかった魔物は狩っておりますが領地外に出ますと追うことも出来ません。魔物も覚えたのでしょうか、領地外に逃げ此方の様子を伺う魔物も増えて来ております」


「ところで『養蜂』はしないのですか?」


「えっ!養蜂ですか?」


「はい。蜂の巣箱を花畑の中に起きますと蜂が住み着き蜂蜜を作るようになります。これだけ一年中花の栽培が盛んなら養蜂も可能かと思うのですが」


「なるほど。どなたかその技術を知るものはいませんか?」


「グレイス領でも果実の花で養蜂されている方がいますから父ゼニスに相談してみますね」


「だが、そうすると『蜂蜜』の価格が下がりグレイス領の民に迷惑をかけるのでは・・・」


「確かに南部では蜂蜜は高級品のようで驚きました。ですがグレイス領では王家と三領での物流が殆ど価格もさほど高くありません。南部には全くと言っていい程流通してないのでしょう。ですので、南部に蜂蜜の産地が出来ましても南部の価格が下がりますが北部にはさほど影響しないかと思います。

それにレオナルド様、メキシアなどは環境から蜂蜜とは縁遠いかと思いますので貿易に良い商材になるのではないでしょうか?」


「そうだね。ここに蜂蜜の産地が出来れば国として素晴らしい交易が産まれる事になるから王家からもゼニス侯爵にお願いしてみるよ」


「おお、有り難く感謝致します」


「また、エマ商会の商品が増えましたわね」


「そうですね。ここで商店を出させて頂いた時は蜂蜜料理や蜜蝋からの商品などを名産物しても販売していきたいわね」


「流石、4年で大富豪の商号を得られるだけあるね」


「本当ですわ。先日のメキシアとの国堺の街では『ラー油』を作りたいも仰有っておりましたし」


「明日は不可侵条約との堺を見に行く予定ですがご令嬢方はどう致しますか?」


「私とラミさんは花畑を見に行こうと思いますがエマ様はどうしても堺を見に行きたいそうですわ。一緒に見に行けなくて残念ですが」


「すみません。冒険者としての血が騒ぎまして」


「冒険者ですか?」


「私もエマの冒険者姿を見るのも初めてだから楽しみにしているよ」


ー 東の森 ー


「ここが境目だね」


国外との境目に赤い杭が等間隔に刺さっている。


(これでは森を越えてもバレないのでは?)


「こちらは境目を越えたかどうかどう判断されているのですか?」


「目撃情報だけですね。ただ、その情報が真実かどうかを判断するのが困難ですが」


「なるほど、密入するものは報告するわけないし、その者を恨んでいる場合は嘘の報告をする場合があるわけか」


「左様です」


「エマ商会に冒険者用の魔道具〔防犯〕というのがありますが、それを使ってみてはどうですか?」


「それはどういったモノなんだい?」


「ちょっと待って下さい」


エマは収納箱から魔道具〔防犯〕を取り出し設置した。


「この設置した魔道具から光が出ており、この光を遮りますと・・・」


ブーッ!ブーッ!ブーッ!


「このように音が響き渡ります」


「へぇーこんなに便利なモノもあるんだね」


「ですが、境目は我が領以外にもありますので全部となりますと・・・」


「そうだね。父上に相談してみよう」


「ありがとうございます」


「さて、あまり長居すると二人が拗ねるから戻るとしよう」


エマは最後に森を奥を見つめていた。


(この奥が事件の元凶なのね)

【エマ・グレイス】

12歳 女性 Lv62

職業 〖男爵〗 適応魔法 闇

体力 410 魔力 330

力 170 守  72 速  87 知  325

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv4 槍 Lv1 斧 Lv1 弓Lv10 鞭 Lv1 拳Lv10 弓豪 Lv1 拳豪 Lv9

スキル 〖浮遊 Lv16〗〖収納 Lv16〗〖空間移動Lv6〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

   〖エマ商会の会長〗〖遠島の開拓者Lv2〗

魔法ギルド  ゴールドランク

商業ギルド  Bランク

冒険者ギルド Cランク

エマ商会 20店舗

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