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12.えっ!ギルドマスターですか

「エマは元気にしていたかい?」


「はい。元気がありすぎてお父様やお母様に怒られてばかりです」


「ははは。エマらしい。グレイス侯爵婦人が怒る姿なんて想像着かないな」


「お母様はずるいのですよ。泣きながら説教されますから歯向かうことも出来ません」


「ははは、それは凄い。もしかしてゼニスも同じように婦人には敵わないのかな」


「どうでしょう?お父様とお母様が喧嘩しているところを見たことありませんので」


「それは羨ましい。僕も将来の妃とは仲良くやって行きたいと思っているよ」


「嬉しいですわ」


嬉しい・・・確かに嬉しいのだが・・・

レオナルドの事は嫌いではない。ただ、夢の中の出来事を考えると素直には喜べない。

今日はレオナルドとグレイス領地訪問をする事になり、会話が上手く出来るか心配であったが意外と楽しんでいる自分がいる事に驚いた。


「あ、あれがエマ商会です」


「知っているよ。最近、商会に昇格したんだって?今では王都でも有名だよ。歴史上最速及び最年少での商会昇格だからね。」


「それは有難い話です」


「そうだ。ゼニス侯爵が持ってきた提案が受理されたよ」


父ゼニスが提案したのが農業発展のための『農業ギルド』と各資格を管理する『資格ギルド』であった。

両方ともグレイス領だけでなくアメリア全領で取り組む事でアメリア国の発展に繋がると王家に両方のギルド設立を提案したのであった。


「それは良かったですわ」


「ただ、新設ギルドだから管理者がまだいなくてね。取り敢えずゼニス侯爵にギルドマスターとして代役して貰い人材を育てる事になったよ」


「えっ!ギルドマスターですか?」


「ふふふ。驚いたかい?」


「ええ。でもお父様はグレイス領から出られませんけど大丈夫でしょうか?」


「それなら問題ないよ。王都にルーブル小侯爵がいるじゃないか」


(あ、後でお二人に何かプレゼントでもしましょ)


「あ、つきましたわ」


今日、レオナルドと訪問する事になっていたのはグレイス領とエリュード領を結ぶ新しい街道にできた宿場町である。

この新しい街道に王家も注目しており、レオナルド皇太子と訪問する事になった。


「レオナルド様、久しくお会い出来ませんでしたがご健勝の事とお喜び申し上げますわ」


新しく出来た街道に入ると出迎えの人混みがあったため馬車を降りるとリーサオーラが挨拶をしに前に出てきた。


「リーサオーラも元気そうで僕も嬉しいよ。出来るだけ早く向いたかったのだけど待たせてしまったかな?」


「いいえ。ここは色々と充実してますので時間なんてあっと言うまですわ」


「へぇ~どんなのがあるんだい?」


「はい。それではここエリイスの宿場を治める事になりましたレレシアに案内して貰いましょう」


「レレシアと申します。本日はご多忙のなかお伺い頂き有り難く存じ上げます」


「こっちこそ突然ごめんね。今日は宜しく」


「は、はい」


流石はレオナルド皇太子。天性の『たらし』だとエマは思う。この顔で満身の笑顔を向けられたレレシアの顔は真っ赤になっている。こりゃ、王妃になったら大変だ。


ーエリイスの宿場ー


グレイス領とエリュード領を結ぶ街道の中間地点にて皆が休める宿場町を作った。領地はグレイス領であるが街道作りを全面的にエリュード領側が行ってくれた事からここでの税収はグレイス領とエリュード領とで折半することになっている。その為、ここを治める者を探していたところ今年に学園を卒業するレレシアに声がかかったのであった。

レレシアはまだ18歳と若かったがグレイス領出身の母ととエリュード領出身の父との長女で学園内でも成績優秀であったため彼女が選ばれたのであった。

後々、男爵への就任式を王都で行われるが18歳の若さでの就任は驚きの早さである。(私の方が早いけどね)


アメリア国、カディア王国から移住者を募集した。

最初はどれだけ集まるか心配だったが、噂を聞いて移住して来るものもおり五百人ほどの移住者が集まったため幾つか施設を設ける事が出来た。


「ここは宿場通りとなります。宿には『大衆宿』『個室宿』の二つに分けられております。そして宿場通りの中心にあるのが食事場所となっております。

中央に食事が出来る席が設けてあり、それを囲うようにお店があります。最大で15店舗の営業が可能ですが今のところ10店舗が営業しております。尚、2階は個室専用となっており各店舗には2階より上だけが頼める裏メニューがございます」


因みにエマ商会は『エマの揚げ物屋』『エマのお菓子屋』として2店舗名前貸しとして出店している。


「此方はギルド通りとなっております。新しく創立される『資格ギルド』や『農業ギルド』も設けてあります。また、この通りには食堂や鍛冶屋などが出店出来るようになっており、現在エマ商会から要望がありエマ工房がこの通りの奧にございます」


募集をかけたが鍛冶を行う者はいなかった。しょうがない。どれだけ人が集まるか解らない場所に来たいと思う人が珍しいのだろう。

丁度、エマ工房の2店舗目を探していたし、エリュードに出店をしていく事を考えるとここに工房を設けられるのは願ってもないことなのでエマ商会として申し込むことにした。


「この通りは市場通りとなります。生活雑貨や食材だけでなく、ここでも軽食が取れるようになってます。この隣の通りから住宅街となります。このように代官領事館を中心として放射状に街が区分けせれております。また、領事館から一定の距離の場所に街を一周出来る道を設けてあります」


「外周に大きい施設があるけどあれはなに?」


「はい。『学校』『総合病院』『水質改善施設』『図書館』『治安管理局』『貴族専用施設』などがあります。学校とは誰でも学ぶ事が出来る施設で『農業学』『経営学』『武術学』などを自由に学ぶとこができ、ここで暮らす者には子供に一定時間学校で学ばさなくてはならないと定めております。次に総合病院ですが様々な専門の医者を一つの建物にまとめました。水質改善施設は貯水タンクの水を浄化させ各施設に水道を設置。また、各施設から出される生活排水を集め浄化させてから河川に戻す施設です。治安管理局は街の警備や防災などの管理を行っております。これらの費用は税金・罰金・使用料などで補っております」


「す、凄い!素晴らしいよ!」


「ただ、これ等の運営を行うため少し税金が高くなってしまいますが、この街の住居者には住民票を設け、住民には優先したり施設利用に割引したりしております。」


「なるほど!」


「今のところまだ収入は難しいですのでグレイス家とエリュード家、そしてエマ商会にも援助して頂いております」


「商会が!?」


「収入面で心配する事がなさそうですので必要経費分以上の残金を少し援助しただけですし、他にも融資を募ったところドラルド大商会も援助してくれる事になりました」


「二人とも凄いよ。レレシアには統治者としての爵位、エマとリーサオーラには名誉爵位が与えられると思うから」


レオナルドが言われた通りにはならなかった。

レレシアは男爵を受爵されたがレオナルド皇太子は言われた街道としての実績やエリイス街の繁栄の成果がまだ解らないということでエマの爵位はそのままでリーサオーラも爵位は与えられなかったが一等勲章が与えられる事になった。

【エマ・グレイス】

9歳 女性 Lv24

職業 〖貴族〗 適応魔法 闇

体力 120 魔力 130

力  65 守  30 速  35 知  125

火 Lv0 水 Lv0 風 Lv0 土 Lv0 光 Lv0 闇 Lv0

剣 Lv4 槍 Lv1 斧 Lv1 弓 Lv5 鞭 Lv1 拳Lv10 拳豪 Lv3

スキル 〖浮遊 Lv9〗〖収納 Lv9〗

称号 〖アメージアの祝福〗〖皇太子の婚約者候補〗

魔法ギルド  アイアンランク

商業ギルド  Dランク

冒険者ギルド Eランク

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