信じられなすぎる話
銃を出せる
そんな現実離れしたことを言われて僕はほんの少しだけその話を信じた。
そして続きを聞くためにカフェを出て優くんについていく。
着いたところは…
「場所を変えようか。」
さすがにカフェで銃が出るとかの話ができる訳もなく優さんについて行く。でも、一体どこに行くんだろう?
「着いたよ、ここが俺のバイト先」
そう言ってとある建物の前に立った。少し高い建物を見上げる。なかなか新しい建物で……ってここカフェだ。それになぜ僕は優くんのバイト先に連れてこられているんだ?ドアには準備中と書かれた板が吊るされている。なかなかオシャレな作りだ、僕はかなり好き。 しかし、なかなか普通のカフェって訳でもないのかな?なんてことを野生の勘で感じとった。
「ここがバイト先…カフェですか?」
「うん、表向きはね。」
表向き?どういうことだろう
「ま、入ろっか」
優くんはそう言ってドアを開ける。カランカランとドアに付いている客を知らせるベルが揺れた。そして優くんについて行くまま1階の飲食スペースの奥にある階段を上がっていく。
「んー?あぁ優か。その男は誰だ」
そう言い女性の方がソファから起き上がる。両耳にピアスを着けて長い髪は?少しオシャレにひとつに縛っている。そして茶色っぽいようなオレンジっぽい様な瞳だ。僕は正直なかなかの美人だと思った。ここの店長もしくは店員さんなのかな。
「見つけました」
「何をだ」
「初めてのバイト仲間」
ん?バイト仲間って僕のこと?なぜバイトをすることになっているんだろう。僕は正直バイトなんてしたくないのだけど。
「えと、バイト仲間って僕のことですか?僕バイ」
「おお!よくやったな〜 これでお前の仕事量がちょこーっと減るかもな」
「わ、ほんとですか やったあ」
言葉が遮られた。僕自身の意思は通されないのだろうか?
「ところで、バイトはカフェの店員さんじゃないんですよね?一体何を?」
「お前、まだ言ってないのか?」
「あーはいはい、今言いますって」
ん?勿体ぶらなくてもいいのに、そもそもバイトの内容が分からないのにバイトをする話が進んでいるのは困る、というか怪しい。そう思っていると優くんが口を開ける
「僕のバイトでありここの本当の仕事は、まあ簡単に言うとスパイ兼殺し屋です。」