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「ああ、若……見違えましたぞ……一体、どんな魔法を……使ったというのですか? このランスウッド、あまりの驚きに、生き帰り申した!
ダハハハ!」
俺の拳をデカイ手のひらで受け止めると、森中に響くデカイ声で笑っている。
「若……
真に申し訳ございませんでした。
このランスウッド……
二心がございました。
一つは若のお供をする事で、我が知行地の安寧……
そして、もう一つ……
若のお力……
魔法の力の謎を解いて、出来る事なら……可能ならば……我が力に……より、強力な力を己がものとしたいと……
心中で……思っておりました。
しかしながら、若……
死の闇を彷徨う私が理解したのは、強大な力を執行するには、それに見合う業を背負わなけらばならないという事でした」
何を訳の分からない事を……
「若……
あなた様が向かう道は、酷く険しい道……
その道の先に見えるのは、永遠の安寧……
私では成すことのできない世界……
理解したのです。
分をわきまえよ……
そう、啓示が有ったのでしょうな……
そう理解しております。
若、お手間を取らせました。
この、若の前に立つランスウッドは、以前の約束の、永遠の友でございます。
まわり道をしましたが、今一度……
若に……
永遠の忠誠を誓いまする……」
腕をガッチリつかんでいたランスウッドが、俺を立たせると、ひざ元で傅いている。
「ランスウッド……済まない。謝らなければならないのは俺のほうだ。
当家に使える身分である以上、俺の意志はお前の意志でもあったのだが、それはあの時までであった……
本来なら、友としてランスウッドと共に旅に出たのだから……あの時に、お前の意思を聞くべきであったが……」
「ああ、その事でございますか……
まあ、私も延々、城勤めに飽き飽きしていたのは確かで、ございました。幸い、我が知行地を収めるには問題ない、跡継ぎ、家臣共がおりますれば……それは、それほどの問題では……」
「では、何故、その身体に己が魂を戻らずにおったのだ?」
「はい、一つは、この森に巣くう魑魅魍魎の類と、小競り合いをして、なかなにして、身体に戻ることが、かないませんでした……
戻ったら、戻ったで、若が別人のようにお強くなっておりましたので、このまま、悪鬼のふりをして……
若の力を見て見たかった。
さすれば……
今後の旅の面白さもある程度は見えるものかと思いまして……」
「くっ!!」
したり顔のランスウッドを睨んで、分厚い甲冑を叩くと、鈍い金属音が暗い針葉樹林の中にコダマした。
それが、小賢しいというのだ!




