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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第2章
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海外挑戦


2047年の世界の競馬はシーバイードを中心に進むとみられている。キングジョージで距離延長を問題としないパフォーマンスで8馬身差の快勝をすると、次走の凱旋門賞も連勝。

一部では引退説も浮上したが、翌年の現役続行が発表された。


そんな叔父のアブソルートの引退後に誕生した次世代の最強馬のシーバイードだが、主戦のR.ムーアJr.が興味深いコメントを残す。


「シーバイードは確かに凄い馬だが、シーバイードとワールドファラオが同じレースに出走することがあったら、僕はどっちに騎乗するか1週間は頭を悩ますことになるだろうね。」と…


ワールドファラオとは凱旋門賞10勝の父アブソルートと2勝のトレイブルの子供で、デビュー前から出来の良さを注目されていた。


いくら凱旋門12冠ベイビーとはいえ、デビュー前の時期にこの発言はいくらなんでもビックマウスが過ぎるだろうと誰もが思ったが、デビュー前の調教でシーバイードの全兄でG1馬のフクムードと併せ馬をして遜色ない走りを見せて周囲を驚かせた。

その出来の良さにジュニアも驚き、惚れ込んでしまったのだ。


そんな中、春馬の期待馬フラッシュジャパンは年明けも勝ちきれないレースが続いていた。

シンザン記念を2着、きさらぎ賞を3着とここまで5戦1勝。

新馬戦の勝利の後は折り合いの課題を克服出来ず、脚をあまして勝ちきれず4連敗中だ。


「またうまく乗れてなかったな。大丈夫か春馬?」

「次走のスプリングステークスを見てから言ってくれ。そろそろ掴めてきたからな。」

「そうか!じゃあとりあえず俺は一足先に海外に挑戦してくるわ。」

「え?サイレンスストーリーの次走はどこに行く予定なんだ?」


祐翠の突然の報告に驚いた春馬。


「サイレンスストーリーの次走は2000ギニーを予定しているよ!」

「2000ギニー?!」

「早くから海外の競馬場をサイレンスストーリーには経験させようということになってな。俺とサイレンスは先に行くぜ春馬!」


日本馬の凱旋門賞挑戦に長らく言われている馬場の問題と海外競馬の経験という問題に、2歳時に結果を残したサイレンスストーリー陣営は3歳春から海外挑戦という異例のローテーションを組んできた。


「そういうことなら尚更次のレースは負けられないな。」


フラッシュジャパンの次走は皐月賞へのステップレース。

G2のスプリングステークスを予定している。


「新馬戦以降、4戦連続折り合いをかいて満足なレースを出来ていない…フラッシュジャパンの力は間違いなく世代トップクラスだ。こんなレースばかりしていたらこの馬に俺が乗る資格はない。」


スプリングステークスで負けたらこの馬の主戦騎手を降りる。

そんな覚悟で挑むスプリングステークス。

最大のライバルはホープフルS2着のペルシャカメハメハ。

サイレンスストーリーに負けたペルシャカメハメハに負けるわけにはいかない。

そんな気持ちで挑んだ春馬はその覚悟に見事応えた。


着差は3/4差と僅かな着差だったが、終始折り合い勝利を飾り次走の皐月賞に春馬は確かな手応えを感じていた。


「春馬の馬はこれで大丈夫そうだな。」


祐翠は安心した表情でフラッシュジャパンのレースぶりを見守っていた。

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