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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第1章
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チェンジオブペース


上位人気のシルバーグレイトの出遅れと、モヒートミントの先行作で早くも予想外の展開になった日本ダービーを実況のフジ原アナが解説する。

『先頭は逃げ宣言をしていた田名部騎手騎乗のマイルドカフェモカ、続いてモヒートミント…3番手にシルクウーバーとシルクテキサス、ここにいましたヴァンガードここからどういった競馬を見せるのか…』


人気のヴァンガードを蓋するように進路を取った鷹騎手。

「ヴァンガードは人気薄のシルクの2頭の内に閉じ込めた。これはうまくいった。これは苦労するぞ」

D.リラード渋い表情。


スタート後のポジション取りのやり取りを見ていた祐一調教師。

「うまい!さすが極さんだ。」


向こう正面先頭から最後方のシルバーグレイトまでは約15馬身馬郡は固まらずスタート直後のポジションから大きく変わることなく進んでいく・・・


先頭の馬が1000メートルに差し掛かる頃、シルクウーバー騎乗のK.デリケート騎手がつぶやく。

「スコシスローネ」


1000mの通過タイムを確認する祐一調教師。

「1000メートル63秒!!!後方のシルバーグレイトには厳しい展開になってしまった。ん?ウチの馬はどこだ??」


出遅れて最後尾にいたシルバーグレイトを見失ってしまったのは、祐一だけではなかった。


「祐翠くんの馬、見失っちゃった」

祐翠と同期のジョッキー達が集まってテレビ観戦していた。

同期同士で観戦中の3人の輪にいた仏珍念ほとけちんねんだ。


その輪には祐翠の次に同期で勝ち星を上げている小和田竜一騎手の姿があった。

小和田の父もジョッキーの大和田竜二。

なぜ苗字が違うのかというと大和田の息子だと贔屓されないように分かりにくくして小和田という名前を登録しているのだ。


これは父だけでなく、同期の祐翠を意識した彼なりのプライドの表れだ。


そして輪の中のもう1人も祐翠の騎乗する映像を熱い眼差しで見ている男がいる。その男の右腕には痛々しいほどの包帯が巻かれている。

「外だ、中団まで上がってきた」

「風切くん…あ!ほんとだ8番手くらいまで上がってきた。」

風切と言われた男

「これで分からなくなった」



「でもあんなに外側回ってたら最後まで持たないんじゃないかな」

「上がっていった時はまだ馬郡は団子状態になる前で縦長な時に上がっていったからそれほどロスはない…このまま先団まで馬なりで上がっていければ」




シルバーグレイトの進出に気づくはずもない先頭集団。

予定通りにレースが進めており、勝負どころを探っている鷹騎乗。

「早めに抜け出してロングスパートで押し切るか?」


残り800メートル、、、

直線で先頭の馬を捕まえにいくか鷹が迷っていると同馬の斜めから先に侵入しようと伸びてくる馬が1頭いることに驚くレジェンドジョッキー!

「誰だ…?え!ヴァンガード!!!」


ヴァンガードがモヒートミントの真横にまで上がってきた。

「いつの間に外に出したんだ?!」


しかも伸びてきたのはヴァンガードだけではない。さらに外側にはヴァンガードより早いスピードでシルバーグレイトも進出。

逃げるマイルドカフェモカの2馬身後ろの2番手はモヒートミント、ヴァンガード、シルバーグレイトの三頭が横並びの展開。


先頭集団に上がってきた祐翠。

「くそ、嫌なタイミングでヴァンガードが上がってきたから1列外側になっちまった」


シルバーグレイトの進出に気づき外に出してきたD.リラード。

「ワタシノウマニタチフサガルノハキミカ、ユウスイ?」

レースは最後の直線に差し掛かる。



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