表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第1章
3/130

レース直前


ダービー当日ーーー

全てのホースマンが目指す同レースは、年末の大レース有馬記念と並ぶ大きな盛り上がりをみせる。


徹夜で開門を待つ競馬ファンとその光景を中継する各メディア。競馬好きの大人達のこの1週間の世間話はダービーの話一色だった。


注目の福山祐翠の乗り馬の名前は【シルバーグレイト】

父の祐一を持ってして、一番強い馬と言わしめたシルバーステートを父に持つ同馬だが、怪我による引退を余儀なくされた父に似たのかここに至るまでも順調に来れた訳ではなかった。


体質の弱さから出したいレースに使えないことが続きながらの日々だった。

そのため前走の青葉賞でジャッキー同様、馬もこのダービーの出走をギリギリで決めることができていた。


戦績は3戦3勝。

新馬戦を楽々勝利し、将来を期待されるも体調を崩し2歳児は1戦のみに終わる。

年明けのレースは体調が戻り途中だったので、陣営は無理せず重賞ではなく条件戦に出走させる。


その為皐月賞の出走には賞金が足らず青葉賞からダービーを目指す道を取っていた。

青葉賞出走馬からダービー勝ち馬が出ていないのは競馬好きなら殆どの人が知っている情報。

無敗の戦績で話題のジャッキーといえど、青葉賞馬の人気は三番人気どまり。


二番人気は還暦を越えた生ける伝説のジャッキー鷹極たかきわみが乗る5戦3勝の皐月賞2着馬の【モヒートミント】

そして一番人気は海外からの刺客【ヴァンガード】


戦績は6戦6勝。

地元で4戦したのち日本の2歳G1ホープフルステークスを3馬身差の完勝で海外登録馬初の日本2歳牡馬のタイトルを取り、

前走の皐月賞も2着馬モヒートミント他を寄せ付けず完勝。

そのためダービーはダントツの人気になっている。


ヴァンガード陣営「皐月賞出走馬とは勝負付けは済んでいる。相手はシルバーグレイトなどの皐月賞未出走馬たちだ。」


モヒートミント陣営「皐月賞のリベンジができるように頑張ります」

競馬好きの女性タレントがテレビのインタビュアーとしてシルバーグレイト陣営にもインタビューを行っていた。

「シルバーグレイトの調教師さんの祐一さんにインタビューをさせていただきます。前走の青葉賞はいかがでしたか?」


調教師の祐一がインタビューに答える。

祐一調教師は話も理論的且つ和やかなトークをする為楽しい雰囲気で進んでいく。


「では最後にダービーの自信は?」


祐一調教師

「1頭もの凄く強い馬がいますからね、どうでしょう。でも祐翠は絶対勝つって言ってましたね(笑)」

「祐翠ジャッキーはいつも自信満々ですね(笑)」




ーーーーーーーーーー

話の祐翠はジャッキールームでもいつも元気いっぱい、しかし本日だけは少し様子が違っていた。

「祐翠くん、そろそろレースの準備をした方が良くない?」

祐翠と同期の騎手の仏珍念ほとけちんねんが声をかけてきた。


「あ!ああ珍念ちんねん。もうそんな時間か?!」

「あれ?もしかして祐翠くん緊張してるの?」


普段から自信満々の祐翠がいつになく緊張している姿がおかしくて仕方ない珍念。


「ば…バカ珍念!俺がダービーくらいで緊張するかよ」

「そうだよね、祐翠くんは日本人初の凱旋門賞勝利ジョッキーになるんだもんね。」

「当たり前だよ!だからとりあえずダービージョッキーになってくるよ!」

「うん頑張って!」


とーーーまーーーれーーー!

レース発走15分前、パドックの周回が終わり騎手達の出番の時間となった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ