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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第1章
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ミッキー浜中先輩


皐月賞が行われる週の金曜日の夕方に調整ルームに入る風切に偶然タイミングが一緒だった珍念と遭遇。


「あれ春馬くん今週は調整ルームに入るの早いね、いつもは門限ギリギリの夜9時付近にならないと来ないのに…」


「それは祐翠のほうだろ?アイツはギリギリまで遊んでからくるお子ちゃまだからな。俺はいつも8時には入ってるよ。」

「まあ今週は皐月賞だからな、少し緊張してじっとしてられなかったんだ。」


「そっか、そうだね頑張って!僕もそろそろ初勝利しないとな〜」


風切はなんとも言えない表情で珍念を見ながら言葉を選んでいた。何か気の利いたことを言おうとしたが、何も言葉が浮かばなかったので、そっと口の中のツバを飲んだ。


ごくり‥


調整ルームの入り口にはまさかの祐翠が先に到着していた。

いつもは父親譲りのベビーフェイスで陽気な祐翠も真剣な表情をしていた。


「あっ!祐翠くんお疲れ!」

風切も祐翠に挨拶をする。


祐翠がこちらに気づいた!

「ああ、珍念と春馬か!お疲れさん!」

やはりいつもとは少し様子の違う祐翠だった。


「琇哉、皐月賞勝負だな。」


「ああ、どっちが勝っても恨みっこなしだ!」


互いの健闘を祈る2人。

しかしそこに‥


「ああ、さすが第七世代や。もうどっちかが勝つのは決まってるとでも考えてるんやな?」

2人にチャチャ入れてきたのは、6年目の先輩騎手の河田だ。


リーディング上位のジョッキーで腕は確かなのだが、後輩に厳しい先輩で知られていた。

勝ち気な性格が印象を悪くしているのか、実力よりも乗鞍に恵まれていない印象がある。


「あっ気を悪くされたなら申し訳ありません。」

風切が河田に誤ったが河田は続けた。


「まあ勝つ気マンマンな事は悪くないけどな、あんまり調子乗っ取ったら許さんで?」

あまりに理不尽な物言いに祐翠が言い返そうとした時だった。


「河田さん、許してやって下さいよ。可愛い後輩ちゃんじゃないですか、」


止めに入ってくれたのは河田より1年下の4年目騎手のミッキー浜中さんだ。


「あっ!ハマさん!」


「おう、祐翠!お疲れ〜」

浜中は爽やかな顔立ちながら、後輩にも偉ぶらないところから後輩ウケが良かった。


「河田さんも皐月賞で乗り馬いないからって後輩に当たらない!」


「ちっ!」


浜中が間に入った事で、白けたのかまだ少しイライラしながらもその場から去っていった河田。


「そんなだから乗り馬集まらないんだよあの人は!」


「でもあの人、腕は確かだよ!一度実力をオーナーさんに認められたらあの人の時代が来るだろうね。」


「そうっすね。オーナーさんからしたら馬を勝たしてくれるかどうかですからね。」


「確かにどんなにいい奴でも俺がオーナーだったら、下手なジャッキーは乗せたくないな。例えば珍念とか(笑)」


「えっ!ひどいよ祐翠くん!」


祐翠だけは、珍念の騎乗成績の悪さをいじれていた。

それを見て浜中や春馬も笑っている。


「でも実際、2年目の騎手2人が皐月賞で1番人気と2番人気に乗ってるなんてすごい事だよな。胸張っていいと思うぜ!」

「ああ、俺もいつか勝ちたいな皐月賞。」


祐翠と風切は浜中を見て同じことを考えていた。


「(浜中さんのお父さんも元ジョッキーでダービーや菊花賞を人気薄で勝ったことがあるが、確か皐月賞は買ってなかったよな?今回の皐月賞でハマさんの馬は6番人気のミッキーマイルだ!今回父親の悲願に燃えていてもおかしくない。)」


要注意だ!

2人は密かに同時に浜中を警戒した!


春馬が浜中に質問する。

「ハマさん今回のミッキーマイルの出来はどうなんですか?」


「えっ今回?!ダメダメ、ミッキーマイルに皐月賞は長いもん。ノーチャンスノーチャンス!」

浜中はバンザイのポーズをとりながら応えた。


ノー天気だなと祐翠と風切と珍念の3人は思った。

しかしそういう時にこそこの男は仕事をする男だ。






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