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エッセイ

また、勝てなかった

作者: HOT-T

先日見た夢が凄まじく心を抉ってくる内容でした。小説形式にして恋愛ジャンルに投稿してやれと思ったけど小説ってわけでもないし、詩でもないしということで『その他』分類です。

 あと少し、あと少しで届く。 

 今度こそは……今度こそは……


 俺は君の傍に居たいと願った。

 ただそれだけ、ささやかな願いだった。


 これまで、想いが敵わない経験をどれだけ重ねて来たか。

 やはり自分はダメなのか。

 誰にも選ばれない存在なのか。


 そこで君に出会った。

 君の芯の強さに、明るさに、今度こそはと私は傷つき果てた身体と心を震わせ力を振り絞っていく。


 たった一人でいい。自分を選んでくれる女性が居ればいい。

 私が望むのはそんなささやかな人生。


 そして……


「私ね、彼氏が出来たの」


 彼女のまぶしい程の笑顔、喜び。

 それが私を照らし、また影を濃くする。

 ああ……そうか。そうなったのか。


 脚が震えていくのを感じながら私はただ、祝福の言葉を贈る。

 いつもそう。

 いつだってそう……


「あなたもきっといい人に出会えるわ」


 ありがとう。

 いつもそう。

 いつだって、いつだってそう……


 憎むことが出来れば楽になるのだろうか?

 でも自分に出来るのはただ、笑顔を作り彼女の幸せを願うだけ。

 心の中に止まない雨を降らせながら……


 あとどれくらいこの胸が張り裂けそうな経験をすればいいのだろうか?

 あとどれくらい……


 勝ち負けなんかじゃないってよく人は言う。

 だけどそれは、勝ったことがある人間の言葉で……


 また、私は勝てなかった……

 雨はまだ、上がらない。


筆者は特に恋愛をしていません。夢の中に出て来た『彼女』に心当たりはありませんが起きたら泣いてしまう程でこれはヤバイといった感じです。

あれかな、柄にもなくラブストーリーの映画なんか見たからかな?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして、竹目 樹本と申します。 読んでてささやかな願いが叶わなかった切なさが凄く心に響きました、描写もとても素晴らしくって夢の体験が活かされてると感じました。 本当に美しくて素敵な物語…
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