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俺のスマホアプリ〈異世界ツクール〉で異世界創造  作者: うなぎ
人魔大戦編

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大和の作戦


 新たに海峡を追加してオルレアンを分断。

 そして偽ロリタ王女を量産してこの地に放ち、侵入した魔族たちを各個撃破していく。


 量産化したロリタ王女は魔族の侵攻を防ぎ切った。

 エン将軍はずっと浅瀬で槍を振り回している。

 そして魔族たちも足踏み状態。


「落ち着いてきたな」

「ですね」

 

 俺とリディア王女は胸を撫でおろした。


 ゲームとはいえリアルタイムで繰り広げられる人類VS魔族の攻防。下手をすれば多くの死者を出してしまう異常事態。とてもではないが手を抜くことはできない。


「これで危機的状況は止められた。次は魔界三将をどうするか、だな」


 魔王となったジェーンを含む魔界三将、中でも今回の事件の黒幕であるライオネル。奴を倒さなければ話は終わらない。


「まずは城からおびき出すべきかと思います。三人のままでは戦いにくいので」

「それもそうだな」


 リディア王女の言う通りだ。偽ロリタ王女を当てるとしても、このままではこの前と同じ結果になってしまう。


「そういえば……」

 

 と、ここで俺は思い出した。


「昔、イベントを起こしてライオネルをアングル王国の近くまで連れてきたことがあったな。あの時と同じことをして、ライオネルだけ城の外におびき出せば……」


 あのころはまだ神様気取りだったな。皆斗たちの個人情報を手に入れて、本人かどうか確認したりあとで脅したりといろいろ考えてたんだけどな。

 まさかこんな深刻な事態になるなんて……。


「無理やり強制イベントでおびき出す、か」

 

 今のライオネルに通用するかどうかは分からないが、試してみる価値はあるな。

 俺はどんなイベントにしようかと考えながら、マップに目を落とした……のだが。


「あれ……?」


 俺はすぐさまその変化に気が付いた。

 エン将軍やオルレアンのあたりに集中していたから全く気が付かなかったが、魔界三将が動き始めていた。

 城の外に出て、オルレアンの方に向かってる。三体ともだ。

 高位魔族ということもあり、その動きは走る人間のそれをはるかに超えている。車レベルと言っても差し支えないほどだ。 


 ぐ……。

 まさか三体そろって城から出てくるなんてな。

 単独で出ていけば他の奴もついてくる。神である俺を警戒しているのであれば当然の話だな。これでは一体だけ奇襲というのは難しい。


 だがこれは好都合だ。

 ここは城と違って建物の外。偽ロリタ王女を配置するのには何の障害もない。


 たとえそれでジェーンが殺せなかったとしても、戦闘力がさほどではないライオネルやエドマンドなら十分倒しきることができる。まずはここで足止めしつつ、強制イベントでジェーンかライオネルを引き離し、弱いライオネルやエドマンドをロリタ王女に倒させる。

 

 あとは一体残ったジェーンをどう料理するか考えればいいだけだ。彼女の〈全武〉は強力なスキルだが、武力に特化しており頭脳までは回っていない。スキルの説明通りであれば俺の行使する創造主の力を理解もできないはずだ。

 

 悪いようにはならない。最善手だっ!


「いけっ、偽ロリタ王女! 魔族を倒せっ!」


 偽ロリタ王女を一体、二体、三体と量産していく。魔族を倒すという使命を帯びた彼女たちは、一斉に魔界三将へと襲い掛かった。


「「「「「「「〈殺陣〉っ!」」」」」」」

「うらあああああああああああああっ!」


 偽ロリタ王女四体を魔王ジェーンの戦斧によって薙ぎ払われる。相変わらず圧倒的な武力だ。一対一……否一対十であったとしてもこちらが負けてしまっていただろう。

 だが今度は条件が違う。

 

 俺は手慣れた動作でさらに偽ロリタ王女を量産していく。

 五、十、二十、三十、指がつりそうだが……ジェーンが薙ぎ払う速度よりも上だ!


 この作戦は……いけるっ!


 せめてここに百体を生み出して、こいつらを釘付けにする。指を止めなければ……必ずうまくいく。


 俺は勝利を確信した。


 しかし、変化は唐突に訪れた。


「う……」


 ん?

 なんだ、偽ロリタ王女の様子が。


「うううううううううっ! うぎゃあああああああっ!」


 突然、偽ロリタ王女が背後へ剣を振り回した。

 そこに魔族はいない。いたのは……同じように量産された偽ロリタ王女だった。


「ぎぎぎぎぎぎぎ」

「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおんっ!」

「ぶぶぶぶぶ、ぶぶぶぶぶっ!」

「ろ、ロリタ王女が……同士討ち?」


 一人だけではない。まるで伝染病に感染するかのように、何人もの偽ロリタ王女が暴れまわっている。

 

 ど、どういうことだ? 何かの状態異常を付加されたのか?

 いや、ロリタ王女には状態異常の耐性を持たせている。幻覚とか混乱とか、そういった状態にならないはずなのだが。


 疑問に思った俺は、すぐに暴れまわるロリタ王女がステータスを確認した。


 するとそこには、重大な変化が記載されていた。

 名前、偽ロリタ

 種族、魔族。


「魔族化……」


 魔族化。

 人を魔族にする邪法のことだ。物語後半で起こる強制イベントでこれが起こり、村の住人が魔族にされてしまう。魔族になった人間は元に戻すことができないため、裕也たちは泣く泣くその村を滅ぼし、魔族への復讐を誓うのだった。

 通常の状態異常とは違い、魔族化は特殊な変化だ。アイテムや魔法で治せる普通の状態異常とは扱いが違う。

 したがって、偽ロリタ王女の状態異常耐性をすり抜けたのか?

 

「ま、まずいっ! 偽ロリタ王女が!」


 魔族を殺す。

 それこそ俺がロリタ王女に下した唯一無二の命令であり、奴らを止めるための秘策であった。

 だが今、この魔族化によってロリタ王女が魔族と化してしまった。


 俺が定めた設定の裏を突いた、見事な作戦だった。こんな形で負けるだなんて……思ってもみなかった。

 一体誰が……。


「私の謀略はあらゆる敵を打ち滅ぼす」


 全知の将ライオネル、元全武の将、魔王ジェーン。そして――


「たとえそれが……神の力でも」

「エドマンド……」


 全謀の将――エドマンド。

 魔王軍の軍師・参謀的な地位にある幹部の一体。

 ライオネルと同じく頭脳派ではあるが、彼が幅広い知識に長けているのに対し、エドマンドは戦略・戦術面に長けた軍事部門の長だ。


 ジェーンがその武力で俺の設定を凌駕できるように。

 ライオネルがその叡智で俺のことを認識できたように。

 このエドマンドもまた、俺の仕掛けた策略を打ち破ることができるということか?


 そういえば魔族化のイベント、このエドマンドの陰謀って設定だったな。一生懸命考えたのに、こんなところで仇になるなんて。


「くそっ、な、なら魔族化を解除するアイテムをここに」

「遅いっ!」


 特殊な状態異常を治す特殊なアイテム。

 それを一から作り出し、マップに配置する。

 時間にして五分程度。その間に、すべてが決してしまった。


 偽ロリタ王女、全滅。

 

 もとより俺の量産があってことの優位だ。俺がアイテム作成にうつつを抜かしている間に、全滅してしまうのは当然だった。


 こ……これはなんだ?

 なんなんだこれは?

 俺は神だぞ? この世界の創造主だぞ?

 

 本来なら、俺だけが無限の手を打てるワンサイドゲームのはずだ。誰も俺の存在すら理解せず、ただ俺の命令に従うだけの存在だった。

 だが、こうも状況が覆されるとは思ってもみなかった。


 その後、狼狽する俺を尻目に、魔界三将たちはオルレアンへと到達した。

 そして先ほどと同じように偽ロリタ王女を魔族化して、全滅させてしまった。


 魔族たちが、孤島となったオルレアンに集結していく。


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