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6.国境

誤字脱字ありましたら、ご報告よろしくお願いします!

 今、私達は王都を出てすぐの森に来ていた。


「見てろよ。」

 私はそう言うと拳銃を手に取り、銃口をすぐ近くにある木に向ける。


 ドォンッ!


 トリガーを引いた瞬間に、大きな音が響き渡る。


(な、何よそれ…)

(ビ、ビックリした…)

 2人とも呆然と木の方を見ている様だ。


 木には半径3センチ程の穴が空いている。穴の周りは焼け焦げた様になっていた。


「何って…この拳銃の中にある、熱収束装置で熱を打ち出しただけだ」

 私は拳銃でもう一度木に銃口を向け、トリガーを引く。


 すると大きな音を立てて、銃口から赤黒い線が射出された後、木に新しい穴が空いている。


(どうなってんのこれ…?)

(……)

 2人の驚いている声が聞こえる。


 やはり驚くか。

 この世界は魔法があるせいで、科学が発展していない。武器も剣や槍、弓等と言った物しか存在しないからな。


 私の前世の記憶が、国を作る為の大きなアドバンテージになるだろう。


 まぁ、その前にまず仲間を集めないといけないがな。


 はぁ。早くゆっくりと発明できる場所が欲しい。


 私はこの国から出る為、森の奥にある国境へと急いだ。




「おい! 止まれ!! 」

 兵士は1人の男を呼び止め、肩を掴んだ。


「ふむ。なんだろうか?」

 とても堂々として言った言葉に兵士は一瞬、言葉を詰まらせる。


「お、お前は何の為に国境を越えるんだ?」

「この先の国は海運が盛んだと聞いて、色々な物が見れるかと思ってな。まぁ、ちょっとした旅行だ」

「旅行か。なら荷物はどうした?」

 兵士は訝しむ様に男を見る。


 しかし男は平然とした顔で、

「荷物はそこの国で買うつもりでな。金はあるからな」

 男は、懐にあるお金をチラッと見せる。


「…入国料は10万Gだ」

 兵士は笑って言う。

 こんな子供が1人でこんな金を持ってるとはな。良いカモだ、金を毟り取ってやる。

 そう思っているのだろう。すると突然、男のネックレスが黒く光る。


「何だ? 今のは?」

「珍しいだろ? 時々光るネックレスなんだ。入国料10万Gだな。これで良いな」

 男はそう言うと、懐から10万Gを出す。


「ではな」

 男は兵士に背中を向けると、手を挙げて去っていった。

 兵士は思いがけない臨時収入に、笑みが止まらなかった。




(何であんな男にお金をあんなに渡したのよ!!)

(そうだよー。もったいないよ)

 国境を超え、兵士が見えなくなった頃に2人が私に話しかけて来る。


「金なんて、いざとなっても『追憶』のお陰で困らないだろ。」

((でもー…))

 2人は納得がいってない様だ。仕方ない、ここは王になる身としてしっかり話しておいた方が良さそうだな。


「あの男は最初私を呼び止めた。それは私が国境を越えると言うのに、大きなリュックなど何も持っていない軽装。しかも徒歩だったからだ」

(それは分かってたよ。)

『共鳴』が返事をする。


(わ、分かってたわ!!)

『追憶』も返事をする。


「だからあの兵士は、少しでも可笑しな所があったら詰所へ連れて行こうとしてた筈だ。だから私が懐に入れていた札束を見せる事で、そっちの方へ意識を向かせた」

(…あのままずっと話し合っていたら、いずれは詰所に連れて行かれてたかもしれないってことかー)

『共鳴』が納得する。


(な、なるほどなのよ!)

『追憶』が言う。

 なんか分かって無さそうだな…。まぁ、これは追々教育しよう。


「金に意識を任せる事で男は金欲しさに高い入国料を高く払わせるか、それとも賄賂を貰おうとするかの2択だったが、前者だったな」


 入国料を高く払う方が、早く通れる方だったからな。私は満足だ。


 なるほど、といった風な様子を見せる2人は、大人しくなる。


 ふむ。納得した様だな。

 ではそろそろ野宿の準備でもするか。


 私は道の脇の少し外れた所まで行き、『追憶の鏡』を持った。


「コピー」


 すると出てきたのは組み立て式のテント。

 私はそれを立てると、次に焚き火を作る為の枝を出そうと『追憶の鏡』を持つ。


「コピー」


 そう唱えるが、何も出てこない。

 私が不思議に思っていると、


(言っとくけど私が出せる物には、限度があるのよ。今レグルスは枝を想像したと思うけど、私が出せるのは"人が手を加えた物体"のみなのよ)

 と『追憶』が言ってくる。


「そういうのは先に言っとけ」

 それが分かってたら先に枝を拾いに行ってたが。


 もう陽は沈んでいるが、焚き火はしてみたいな。

 私は火を起こす発明品を作った事があるが、自分がこの様な場所で原始的な方法で火を起こした事がなかった。


「ふむ。最初はどれだけ火を起こすのが大変だったか体験するのも悪くないな」

 私は枝を拾いに夜の森へと入っていった。

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