5.出立
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俺はそう言うとベッドへ寝転ぶ。
(国から出るのは良いけど、その後は何するのよ。)
「同意見だね。」
2人がそれほど疑問に思ったのか聞いてくる。
「はぁ。そう言えば言ってなかったな。俺はこの国の第2王子だった訳だが、このスキル【物体会話】を発現させてから王家を追放されたんだ。だからこの国からはなるべく早く出た方がいい。」
俺は寝転び、足を組んで目を閉じながら言う。
(あら、とてもいいスキルだと思うけど。)
(何より、僕たち太古の遺物と会話できるんだもんね。)
第2王子ってとこは触れないんだな。ま、こいつらからしたら王族でも関係ないか。
「で、あと1つ。こっちが国から出たらやる事だ。」
私は指を1本立てる。
2人は黙って、私が何て言うのかを待っている様だ。
「私達の第1目標は優秀な人材を集める事だ」
((優秀な人材?))
「そうだ。まず言っとくが、今の私達では国を作る事ができない」
(なんでよ!!私がいるのよ!!)
『追憶』が不承の声を挙げる。
「お前がいたら住居や生活に必要な物は、大体作れるだろうな。だが、その後はどうする?」
私が言うと、少し間が空く。
(その後?)
「そうだ。作り終わってしまった。その後はどうするんだ? 誰1人として住んでいない無人の場所の出来上がりだ」
(そ、そんなの分からないじゃない!! 作ったら誰かが来るかもしれないわ!!)
(いや、それが"誰かが"じゃダメなんだよ『追憶』)
ここで『共鳴』が話に入ってくる。
(な、何よ! 『共鳴』まで!)
(無人の場所に来たのが、悪人だったらどうするの?)
(あ…)
『追憶』の言葉が途絶える。
「もしそれが悪人でなかったとしても、そいつが優秀な人材じゃなきゃ、国は運営できない。私がいくら凄い奴だったとしても、国は1人では運営できないんだ」
私は2人の方を向き、目を開いた。
「私達はこれから優秀な人材を集める為、世界を周るぞ」
私はそう2人に言い放った後、すぐに目を閉じて意識を手放した。
翌朝。
(ーーーー!!)
ん? うるさいな。
(ーールド!!)
もっと寝かせろ…。
(そろそろ起きなさい!!)
私の前に大きなタンスが出現する。
「いっ!!?」
(やっと起きた…。)
「何をしている!?」
私はタンスを急いで避けて、『追憶』へ叫ぶ。
(何って…早く拳銃を使って欲しいのよ。)
「……はぁ」
太古の遺物は頭のおかしい奴しか居ない。
もう1人はこの騒ぎでも熟睡してるし…
(zzz…)
『共鳴』は寝息をたてながら大人しくしている。
(さ! 早く行くわよ!!)
『追憶』が飛び跳ねている。
「というかお前、動けるんだな」
そこにはベッドの上でピョンピョンと跳ねる『追憶』の姿が。
(そうね! 私達は気合を出せば動けるわ! すごい疲れるけど!! それより拳銃よ! 拳銃!! それに優秀な人材を集めるんでしょ? 早く起きないといなくなっちゃうわよ!)
「分かった分かった」
私は『共鳴』を着け、『追憶』を抱えて外に出た。
まさかこんなに朝早くに起こされ、この国を出るとは…。
私が外に出た時にはまだ太陽も上がっていなかった。
私達は門から外へ出る。
とても大きな王都だ…。
私は街の奥にある、王城を見上げる。
「…まぁ、これから私がこれ以上の面白い国を作るがな」
私は笑って旅立った。
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