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3.商会

誤字脱字ありましたら、ご報告よろしくお願いします!


「で? お前にはどんな能力があるんだ?」

 私達は今、宿屋のベッドに居た。


 さっきと同じ様に路地裏で、物と喋ってる所なんて見られたら変な奴で通報されかねない。

 しかも私は元王太子という立場であるからな。変なのに絡まれたら困る。


 そう思って宿でゆっくりしながら話をしようって訳だ。


(まず、自己紹介からしようよ。僕は『共鳴のネックレス』。よろしくね。)

「それもそうか…。私はレグルスだ。よろしく頼む。」


 私は軽く自己紹介を済ませる。


『共鳴』ね…。

 はっきり言ってそこだけじゃ、どういう太古の遺物なのか分からないな。


(で、レグルスが聞いてきた僕の能力だけど、僕の能力は、簡単に言うと「人の感情が分かる」能力かな。)


 ふむ。すごい能力だな。これがあったら感情が筒抜けという事か。


(と言っても僕を身につけている人に対しての、好意と悪意にしか反応しないんだけどね。)


 …まぁ、それだけだとしても凄く便利だがな。


 国を作るには交渉の場もあるだろうし、その時にこちらに好意を持っているか、どうかが分かれば良い関係を結べるかもしれない。


「良い能力だ。早速着けさせて貰うぞ。」


 このシンプルな装飾、無駄な装飾はされていない。悪くない。

 私はネックレスを着ける。


 それにしても、太古の遺物というのは、何故この様な効果を発揮するのだろうか。どういう物で作られたんだ? まず誰が作ったんだ? 作ったとしたらそいつは相当の発明家だな。


(ねぇ、アンタこれからどうするのよ。国を作るって言ってたけど。)

『追憶の鏡』が話しかけてくる。


 ちっ、いい所だったのに。

「まずは国を作る為の土地が欲しい所だな」


(なんで不機嫌そうな顔してるのよ…。まぁいいわ。土地って言っても、それは国が管理してるでしょ? どうするのよ?)


 …そこが問題だ。

 国作りにおいて、隣国の印象が悪くなったら困る。それだけで人が来なくなる可能性もあるからな。


(じゃあ国が管理してない所に行けばー?)

(だからそんな土地ある訳ないでしょ!!)


 国が管理してない…。


(えー、海とかさー。)

(海も管理されてるわよ!!)


 ふむ。確かに。


「…土地は後回しだな。他にもやる事はある。まずはそっちからだ」

 俺は立ち上がる。


((やる事?))




「いらっしゃいませー」


 私は、この国でも最近登り調子の"カフ商会"に来ていた。


(なるほど…)

(zzz……)


 私は周りの商品など見ず、カウンターへ直行した。


「売りたい物があるのだが…」

「はい。買取ですね」

 店員は平然とした様子で受け答えをする。


 俺が王子にも関わらず、何故店員が平然としているかというと、

 私の髪色を変えているからだ。


『追憶の鏡』で前世の記憶からカラー剤を出して、元の髪色だった金から茶色に変えた。


 そのお陰で王子だとバレなかった訳だ。


「これを…」


 ドサッ


「これは…!! すみません! 少々お待ちください!!」


 店員が慌てた様子で、奥へと入っていった。

 私がカウンターに出した物は、"真っ白な塩"だ。


 今の世界の塩は何故か不純物が多く入っている。こんな不純物がない物をこんな出されたら、誰でも驚くだろう。


(この塩で先に商会と繋がりを持っておこうって事ね)

「そう言う事だ。国を作ったら来るのも大変になるだろうからな。その前に良好な関係を結べたら嬉しいんだが…」

 私達がそんな事を思っていると、店員が戻ってきた。


「お、お待たせしました! 会長がお話がしたいと!!」


 ふむ…。


(イテッ)


「今伺う。」

 私は『共鳴のネックレス』をデコピンで起こすと、商会の奥へと進んだ。




 コンコン


「先程の少年を連れてきました」

 店員がドアにノックをする。


「入ってくれ」

 中から声が聞こえた。


 すると店員がドアを開ける。

「失礼します」


 私もそれに続き、部屋に入る。そこにはイケてる長髪の20代ぐらいの若い男性がいた。


(あら、良い男)


 少し静かにしてくれ。

 俺は『追憶』をこづく。


 そんな事を思っていると、イケメンが近づいてくる。


「そっちに座ってくれ」

 と気さくに話しかけて、ソファに座る。

 続いて私もソファに座る。


「さて、アンタが大量の塩を簡単に出したって言う奴か? 案外若いんだな?」


 こいつは敬語も何も使ってこないのか。なめられてるのか…。それともただのバカか。

 見極めさせてもらうか。


「はぁ、そうだな」

 私は大きな溜息を吐いた後、ソファに深く腰掛け、肯定する。


「……クッ…ハハハハハ!!」

 突然男は私の言葉を聞くなり呆然となった後、笑い出す。


 ふむ?

 私は訝しんで見ると、男は呆然としている店員を部屋から出す。出し終えるとその男はソファに座る。


「そんな目で見るなよ! こう見えても一応この商会の会長、カフだ!!よろしく頼む!」


「…私はレルだ。よろしく頼む」


 私達はソファから立ち上がると、握手を交わす。そしてまた座り直す。


「それで? 私をここに呼んだ訳を聞かせてもらっても? それと店員を追い出した理由」

 私がそう言うとカフは笑って答える。


「あぁ。いいぞ。まず此処に呼んだ訳はレルに興味を持ったから。店員を追い出した理由は2人きりで話してみたいと思ったからだ」


「ふむ。じゃあ、なんで2人で話したいと思った?」


 私は何処にでもいる平凡な少年だと思うのだが。


「ククッ! 顔に出過ぎだレル!」

 カフは腹を抱えて笑っている。


 ふむ。そんなに変わっているか?


「はー、腹痛い。あー、なんで2人で話したいと思ったかだよな。まずお前…平民じゃないな?」


 言われて私はビックリする。

 今の私は服等といった物は、追放された時に平凡な物にされた。アクセサリーも取られた。気づく要素としたら…。

 私がそんな事を考えていると。


「ま、お前の考えている通りだと思うが…仕草が平民の者じゃない。小さな頃から貴族として育てられた者の動き。しかもその顔立ち…。」


「何処かで見たことのある顔だぜ?」

 カフはそう言うと、意味深な笑みを見せた。


『共鳴のネックレス』は何故か白く光る。

面白そう!と少しでも思ってくださった方は、


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してくれたら私のやる気がupしますᕦ(ò_óˇ)ᕤ

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