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以心伝心  作者: うみかぜ
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第七話 作戦会議

仁人と由美は直也に会う作戦を考えていた。


「とりあえず、直也の小学校も、家も分かります。」

「なるほど。家に押しかけるのはさすがに、おかしいし、かと言って学校で待ち伏せも不審者のようだし……。」

「それに、過去の自分に会ってはダメとなると、学校帰りは、いつも一緒に帰ってたのでキツイかと……。それに出来る限り色々な人と関わらない方がいいと思います。」

「そりゃ、キツそうだねー……。」

いきなり八方塞がりだ。

「やはり、家に行くしか方法がなさそうですね。」

仁人と由美は計画を立てた。

「できれば、親御さんに俺が会うのはまずいと思うんですよ。」

「そうだね。会う人は最小限に。」

進めるには課題がかなり多かった。



「俺がインターホンを押せば、直也が必ず玄関から出てくれるんです。でも、小六の時って声変わりしてないから、さすがに自分と分からないですかね……。」

「毎日過ごしているならすぐに、バレそうだね。」

「ですよね……。」

「あ、じゃあ、みーさんが真似してみたらどうですか?」

「私が、昔の仁人の真似?そんなの声優さんじゃないんだし、できるかな……。」

「少なくても、完全に声変わりしてしまった、俺よりかは似る事はできるかと。」

「分かった。やってあげる。」

「ありがとうございます!」

それから二人は昔の仁人の声真似を始めた。かなり苦戦すると思われたが、2時間もしないうちに、かなり声は似るようになった。

「すごい……。みーさん。」

「私にかかれば、こんなもん。」

次は直也の家にいく、タイミングを考えた。

「平日は俺がいる可能性が多いと思うんですよ。だからかなり難しいと思います。夜とかならもちろんいないですが、それはそれで、不自然なので。それで彼は土日には習い事をしていたはずなので、いない時もあるんです。」

「いない時はまずいから、やっぱり平日しかなさそうね……。」

「それで俺は第一月曜日、第三月曜日に習い事をしていたので、その日なら大丈夫だと思います。」

「今日が4月26日、次だと5月5日だけど、恐らくGWだから休みよね?」

「そうですね。休みだと思います。なので、次の狙い目は5月19日、5月第三月曜日ですね。それまでに俺は薬がない生活に慣れておきます。」



「ちなみに、習い事って何してたの?」

「俺ですか?俺は……、水泳です……。スイミングスクールに通ってました。」

「そうだったんだ……。」

「だから、泳ぐのが好きであの日直也を、海に誘ったんです……。」

「……。」

「あの時、誘ったのは俺なんです……。だから余計悔しくて……。」

『それは仁人のせいじゃない。』

とか言って欲しい訳ではない。むしろ、それはいっぱい言われてきた。でも、それを聞く度に自分だけが擁護されている気がして余計に自分が許せなくなっていた。

「それは仁人のせいだね。」

「えっ……。」

思わず声が出てしまった。

「だって、それ誘ってなければ事故は起きなかったんだから。でも、それを変えに来たんでしょ?だったら自分のやった事を片付けにいこうよ。」

「そう言ってくれるのはみーさんくらいだな。でま、逆に元気出た。ありがとう。」


仁人と由美は計画の土台固めに取り掛かり始めた。

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