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以心伝心  作者: うみかぜ
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第六話 これが全てです。

「やっぱり薬がないとヤバイかもな。」

仁人はカレーを食べ、夜も深くなってきたので、由美に案内されたところに布団を引き、横になっていた。

しかし、仁人は睡眠も睡眠薬がないと眠れないという状態からだった。

さらに、とてつもない不安に駆られていた。

『こんな様子じゃ、直也を助けられないとか。』『由美さんに申し訳ないとか。』

『何やってんだ自分とか。』

だんだんと、どうでもいい事までもが全て不安となり押し寄せていた。

すると、『トントントン』とノック音が聞こえた。

「はーい。」

と仁人が答えると由美が部屋へと入ってきた。仁人は布団を被ったまま、近く足音を聞いていた。すると、バサっと布団を剥ぎられ、再び被せてきた。でも、さっきと違うものがあった。そう、布団に由美が、入ってきたのだった。頭に手を置かれ、撫でられる。仁人の目には安心からか、涙が溢れてきた。

「大丈夫?辛かったんだね。」

「うん……。」

「私が、仁人がものすごい量、食べれるくらい美味しいの作ってあげるから。」

「うん……。」

小さく頷いて、返事をする。そんな事しか、今の仁人にはできなかった。暖かい、『優しさに包まれる』ような感覚だった。気づけば寝ていた。

そして、再び重いまぶたを開いた。

「朝か……。」

着替えて、リビングに行こうとする。しかし、昨日の事があり、顔を合わせづらい。

「情けないな……。」

自分にため息をつきながら、リビングに向かった。由美は既に起きており、朝食の用意をしながら、

「おはよ」

とだけ、声をかけてきた。

「あの、昨日は」

仁人は謝ろうした。しかし、怒っているどころか、由美は軽く笑い始めた。

「大丈夫!私、保育士になるのが夢で一回ああいうの、やって見たかったから。」

そう言われた瞬間、顔が真っ赤になった仁人。

「あ、保育園児扱いですか!!」

「アッハハハ、そのまんまじゃない。」

「うっ……。」

否定できないのが悔しかった。

朝食も食欲がでず、少ししか食べられず、

「まだまだ、なんだな私は。」

と笑いながら言われ、「いや、美味しいんですが、俺が食べられてないだけで……。」

と言っても由美は笑っていた。そして、仁人は本題をようやっと、切り出した。

「ここまでしてもらったので、俺が過去2014年に来た理由。全部話します。」

そう言って、仁人の友人、直也が水の事故で亡くなる事や、仁人がトラウマをかかえ、今も不自由な生活でいること、そして、謎の封筒が届いた事、全てを話した。

「こんな事がファンタジー以外であり得るなんて……。」

「否定はしないんですね。」

「だって、それを否定する材料がないんだもの。」

「確かに。」

「それに昨日も言った通り、こういう系統の話は好きなの。」

「信じてくれてありがとうございます。」

「じゃあ、作戦を立てないとね。」

「そうですね。」

まずは、どうやって直也を会うかという事だった。


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