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EGO  作者: アナログF
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第01話 運命の出会い?

感想よろしくお願いいたします。

人気のない町に一台のバスが走る。

中には、肌の色の黒いバスの運転手と学生カバンを枕にして寝ているセーラー服を着た少女しかいなかった。


人気のない町の中でも、ますます人気のないところに来ると、アナウンスなしにバスは止まり、肌の色の黒いバスの運転手が少女を優しく起こした。



顔を上げた少女は、大きくあくびをして肩に当たるか当たらないかという長さのサラサラとした茶色っぽい黒髪を、わしゃわしゃと掻いて運転手に一礼し、バスから降りた。


少女が降りるとすぐにバスは行ってしまった。



まだ頭がぼーとしているのか少女は『六本寺前』と書かれたバス停の時刻表にもたれ掛かった。

150センチ程ある時刻表だが少女の身長は悠々とその時刻表を越えていた。


少女は時刻表にもたれ掛かったまま寝息をたてて寝てしまった。


「道をお尋ねしたいんですが?」


その一言で少女は目を覚ました。


初夏だというのに暑そうなロングコートを着ていて、肩にはエナメル製の刀袋を掛けて、手には鉄製の四角いバッグを持っていた。 髪は黒く長い。少女から見てなかなかハンサムな青年が少女を少し見下ろしていた。


時刻表からさっと離れた少女はもたれていた所に付いた砂ぼこりを払って赤面になりながら、青年にニッコリと微笑んだ。


「交番か警察署はどこにありますか?」

青年も微笑みながら尋ねた。


「交番はありますけど、結構道ややこしいですよ。あ、大丈夫。紙に書きますから」

そう言って少女はカバンから『オープンキャンパスの案内』と書かれた紙の裏にバス停から交番への行き方を詳しく書き込んだ。

そして、それを青年に渡した。


「ありがとうございます。親切な方に会えてよかったです。さっきあった人なんて話すら聞いてくれませんでした。」

青年はやっぱり微笑んだ。

「それは災難でしたね。」少女も苦笑いをした。


「お名前なんて言うんですか?」


「え?」


「別に悪用しようと思ってませんよ。ただ親切な人の名前くらいは聞いておいてもと…」


「瑠花です。」


「はえ?」


「神川 瑠花っていいます。」


「何が?」


「名前!」


「あ、すいません。あっさり教えてくれたもので…って今のは悪用しようとかそういう意味じゃありませんよ!」


「わかってますよ。」


「まぁなんやかんやでありがとうございました。」

青年は地図で書いた交番の向きと逆の方向へ走って行った。


「何のために地図書いたことか…あ、あの人の名前聞くの忘れてた。」




200段あると言われている石段を登ると、二つの家が見える。

一つは大きな神社のような建物で、もう一つは民家だった。

神社の方はあまり使われてないようで全体的にボロボロであった。


瑠花は神社に手をあせて拝んだ。何を望んだかはわからないが、とりあいず20秒程拝んでいた。


「だだいま!」

民家の方は彼女の家であった。

「おかえり」

中からは優しそうな顔をした彼女の父親と、目付きの悪い彼女の弟が出てきた。

「今日、遅かったね。」


「軽音部のバンドのチラシ配るの手伝わされてたんだ。」


「姉さんの配るチラシ取る人いるの?」


「黙れ!大翔!」


帰ってきた姉に嫌味を言って殴られる弟とそれをニコニコした顔で見守る父親。それが彼女の『家族』だった。



食事を終えて、入浴し終わった瑠花は、リビングでテレビを見ている弟の大翔と父に一声掛けて自分の部屋に向かい、勉強机に座りカバンから取り出したワークを広げ、着々と数学の問題を解いていた。


30分程たったころに、玄関のチャイムが鳴った。

時刻は10時前。来客が来るのには少し遅すぎる時間帯だった。

時計を見ているうちに二度目のチャイムがなった。 父も弟も出ないので瑠花は自分で出ることにした。


「今出まーす」


扉を開けると見覚えのある顔が出てきた。


ロングコートにエナメル製の刀袋を肩に掛けて、鉄製のカバンを持ったハンサムな男。


「さっきの…」


「神川さんのお宅ですか?」

男も少し驚いた顔をして尋ねた。


「はい。そうですが…」



「なんだ、アンタの家だったのか、神川って聞いた時に気づけば交番まで行かなくてよかったのに」


「え、交番まで道聞きに行ったの?」


「そうだけど。てかアンタの地図下手すぎ、交番に着くまで3時間掛かったよ。」


「それは君が方向音痴だからでしょ!」



「そんなことより、お父さんは?」



「今話変えたな!」


「いいからお父さんは!」

青年は強い口調で瑠花に言った。


「リビングに居るけど…」


「リビングねぇ…案内してよ」


「家の中でも迷うの?」


「いいから案内してくれ」

青年の口調が少し冷たくなった気がした。


なによこいつと思い瑠花は玄関から少し離れてるリビングに歩いて行った。


「父とは知り合い?」


「ちがうけど。俺がアンタのお父さんに用がある。」

「どんな用事?」


「聞かない方がいいと思うよ。」


「あ、そ」


瑠花の目には青年は変にしか写らなかった。もし、変なセールスマンだったら話も聞かずに追い出してやろうと思った。この時は…


リビングの入り口の所に大翔が寝転んでいた。



最初は寝ているのかと思ったが、勝手が違うことにすぐ気がついた。



左手を押さえている。



「大翔!」



瑠花が大翔に駆け寄った。左手を見ると、酷く流血していた。



「いたいよ。ねえちゃん」


青年は倒れている大翔と瑠花の横にバッグを置いた。


「消毒液とか入ってるから、手当てぐらいしといてやれ」



瑠花は青年が向かっている方向に目を向けた。


そこには!



そこには青年より頭三個分程デカイ化物がいた。



「シェイプシフターか」


青年は呟いて刀袋から80センチ程の日本刀を出した。


え、シェイプシフターって何?って次回紹介しますんで、落ち着いて落ち着いて。あ、Wikipediaとかで調べないでね。作者のウンチクを発表できないから。じゃあ感想よろしく! by いまだに名前の発表されていない主人公。

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