表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

意外と気難しい太陽系第三惑星

翌朝も小屋の前で迎えた。

まぁ、このくらいでは何ともない。


昨日と同じように、土下座をしてみる。


「あのね、リュートちゃんは女の子なんだよ」


チチがやってきて教えてくれた。

そして、男女の性を間違えることは、そうとうに失礼なことらしい。


意外と気難しいな。太陽系第三惑星。


二回のキックで許された後、再びゴミの山に向かう。

今日は老人たちはいないようだ。

最初の日のように、のんびりと修理を繰り返し、少女たちの持ってきたゴミを袋に詰める。


後ろから、見慣れない青年がやってきて話しかけてきた。

随分と笑顔だ。


「その品をゆずってくれないかな」


いいと返答し、代金を考える。相場が全く分からない。

確か、老人には20ドルで売ったんだっけか。

適当に指を2本立ててみる。


「あぁ いや もらっていくっていってるんだよ」


そういうと、青年はいきなり銃を向けてきた。

表情は笑顔のままだ。

少女たちも気が付いて、こちらを見ている。


あぁ、この子たちが怖がってるじゃないか・・・・。

こんなガラクタくれてやるから、その未開人丸出しの武器をしまってもらえないだろうか。

そう伝えようと思って、歩み寄る。


バーンッ


あれ・・・。撃たれた。

そんなに簡単に撃つんだ。


世界が暗転し、僕は倒れた。


---------------------------------------


目が覚める、目の前が白い。

お腹のあたりで、二人の泣き声が聞こえる。

顔の上に、ぼろぼろの布が掛けられている。


布を動かすと、あの小さな小屋の中だった。

二人で運んでくれたのだろうか・・・。


「えっと、運んでくれてありがとう?」


むっくりと上半身を起こすと、二人は凍り付いた顔をしていた。

どうも、これも文化的にまずかったかもしれない。


「がぷghぷあp:ふgじゃ:p」


奇妙な声が聞こえるので、蹴りだされる前に小屋の前に出る。

そして、寝転んで空を見る。大きな月が二つ見える。


夜空最高だな。

こういうのは、惑星連盟にいたころは見たことが無かった。

俺の墓は、惑星で一番綺麗な星空の下にある。

そういうのは、ちょっと恰好がいいような気がする。


小屋の中から、二人が覗いているが、まぁ明日の朝まで待とう。

時間を置けば、怒りも覚めるかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ