意外と気難しい太陽系第三惑星
翌朝も小屋の前で迎えた。
まぁ、このくらいでは何ともない。
昨日と同じように、土下座をしてみる。
「あのね、リュートちゃんは女の子なんだよ」
チチがやってきて教えてくれた。
そして、男女の性を間違えることは、そうとうに失礼なことらしい。
意外と気難しいな。太陽系第三惑星。
二回のキックで許された後、再びゴミの山に向かう。
今日は老人たちはいないようだ。
最初の日のように、のんびりと修理を繰り返し、少女たちの持ってきたゴミを袋に詰める。
後ろから、見慣れない青年がやってきて話しかけてきた。
随分と笑顔だ。
「その品をゆずってくれないかな」
いいと返答し、代金を考える。相場が全く分からない。
確か、老人には20ドルで売ったんだっけか。
適当に指を2本立ててみる。
「あぁ いや もらっていくっていってるんだよ」
そういうと、青年はいきなり銃を向けてきた。
表情は笑顔のままだ。
少女たちも気が付いて、こちらを見ている。
あぁ、この子たちが怖がってるじゃないか・・・・。
こんなガラクタくれてやるから、その未開人丸出しの武器をしまってもらえないだろうか。
そう伝えようと思って、歩み寄る。
バーンッ
あれ・・・。撃たれた。
そんなに簡単に撃つんだ。
世界が暗転し、僕は倒れた。
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目が覚める、目の前が白い。
お腹のあたりで、二人の泣き声が聞こえる。
顔の上に、ぼろぼろの布が掛けられている。
布を動かすと、あの小さな小屋の中だった。
二人で運んでくれたのだろうか・・・。
「えっと、運んでくれてありがとう?」
むっくりと上半身を起こすと、二人は凍り付いた顔をしていた。
どうも、これも文化的にまずかったかもしれない。
「がぷghぷあp:ふgじゃ:p」
奇妙な声が聞こえるので、蹴りだされる前に小屋の前に出る。
そして、寝転んで空を見る。大きな月が二つ見える。
夜空最高だな。
こういうのは、惑星連盟にいたころは見たことが無かった。
俺の墓は、惑星で一番綺麗な星空の下にある。
そういうのは、ちょっと恰好がいいような気がする。
小屋の中から、二人が覗いているが、まぁ明日の朝まで待とう。
時間を置けば、怒りも覚めるかもしれない。