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チートスキル?

 

 ふぅっー!

 久々の風呂は生き返るな。

 何日振りだっけか、100から前は覚えていない。


 ユーリとピットにオジさん臭い!

 と、ストレートに言われからな。

 しゃーなしに入ってやったぞ。



 この世界全てかどうかは知らないが、フロを使って不便だと感じた。大きな桶のような風呂に沸かしたお湯を、バケツリレーのように入れてお湯をためるシステムなんだこれがまた。


 風呂に入る度に薪のコストがかかるし、燃費悪いよなぁ。


 何かいい手はないものか。

 むっ……閃いたぞドラム缶を召喚して、それを風呂代わりにすればいいんだ。

 これならお湯を何度も足す必要がなくなるぞ。


「よしダスト!」


 ガランゴロンガランと、空宙から空のドラム缶が降ってきた。

 けっこう年季入ってるけどちゃんと使えそうだな。

 これを縦にしてと、それからコンクリートブロックもダストで出せないかなぁ。


 予想通り、コンクリートブロックも召喚することができた。これをドラム缶の両端に敷いて完成だな。あとは底に板か何かを敷いておけば風呂として入れるだろ。


 とりあえず外に置いておくか。






 俺は借りている部屋で貨幣を数える。


 ミル銅貨が300枚。

 シル小銀貨1枚。

 シル銀貨9枚。

 

 これが今日の売り上げ。

 この内の半分をイレアさんに払った。



 シル銀貨1枚あたりの価値はけっこう高いと思う。

 シル小銀貨で現代に例えるとタバコ1箱と、100均商品が1個ぐらいの価値だろうな。

 そしてシル小銀貨2枚で、シル銀貨1枚ぐらいの価値らしい。


 こんなに受け取れないとイレアさんは言ってたけど、一宿一飯の恩義がある。

 風呂も借りたし、メシも食わせて貰ったからな。



 ベッドに腰掛け、残りの貨幣を並べる。

 ユーリから貰った布袋に硬貨を入れた。

 袋毎に分けないと、取り出すのが大変だから銀貨は銀貨、銅貨は銅貨で分ける。

 



 街の子供達を参考に見ても、硬貨を取りやすいように服を結んだ腰布や腰紐に、袋をぶら下げていたようだ。それとは別の反対側に、少々の香辛料を袋に入れて、腰布にぶら下げるのがこの街で流行っているオシャレトレンドらしい。



 ファッションとかこの年なれば、どうでも良くなるんだよなあ。

 ジャージかスウェットで充分だ。

 そういや俺の紺色のジャージ目立つかな。

 

当然ながらこの世界には、石油素材で作れたジャージを売ってるはずも無く一際、無遠慮な視線をよく浴びた。



 このアルフレンドの街は、自治都市といって、職を求め流れてきた職人や力をつけた商人、貴族達が領主の手を離れ、発展させていった街だ。



 税金なんかも他に比べると安い。

 かまど税や井戸税。

 他に収穫の10分の1を献上する、10分の1の税とかこのアルフレンドの街は無いようだ。


 それに比べ、賦役労働を週に3日行い、畑仕事やブドウ畑の収穫とか、顔も知らぬ領主の為に働かなければならない地域もあるらしい。


 しかも、タダ働きだってさ。

 俺なら死んでもやらん。


 それに、比べりゃマシなんだろうけどさ。

 ドフォール商業組合の今日の反応を見たら、個人でやってる都市商人に反感を買ってそうだったな。



 そりゃ大量に毛織物とか、武器を安く仕入れられたら、一商人は太刀打ちが出来ないだろう。

 個人の毛織物商と武器商人は店を畳むか、別の街で商売をするかの選択を余儀なくされたらしい。



 俺も販売ルートの構築と、物の相場の勉強しなきゃなあ。


 



 コン、コン!


 ドアの外からのノックの音がする。



「はい開いてますよ」



 あっ、美人のエルフ娘だ。

 昼に目が合った時は、脱兎の如く駆け出して行ったし。

 人見知りなのかな?




「しっしっ……失礼します。その、あの、その、食事ここに……置いて置きまぁあす」



 と言い、またしても猛ダッシュ。

 はええな、なんつう足の速さだ。

 何なんだ一体。

 街で猫耳獣人やドワーフらしき人種は何人か見たけど、エルフは一人も見なかった。

 エルフの方が人口少ないんだろうか。


 まっいいや、メシをいただくとしますか。

 いただきます!


 オートミールの粥と、ニンジンとタマヌギの薄いスープ。それとチーズか。


 ……このオートミールの粥……死ぬほどマズイ!

  なっ、なんじゃこりゃ! 味付けもしてないし、もうマズイとしか言いようがない!


 ホームレス時代に、自分でとったカラス麦の粥の方が美味いぞ。

 スープも味が薄いしさ、チーズだけは美味い。濃厚で味わい深くてイケる味だ。


 食料問題も、どうにかしなくっちゃあな。

 スキルに頼ってるだけじゃ、すぐに回数が無くなっちまうし。

 まあタダで食わしてもらってるんだから、文句は言いまい。



 ふっーごっそさん!

 そういや……まだ使ってないスキルあったな。


「ボックス」


 ドッスン!


「うぉっ!」


 仰向けにベッドに寝転がっている俺の横にだ。

 世界地図を表した柄のでっかいトランク、とでも言えばいいだろうか。


 そんな箱が落ちてきた。

 何でこのスキルって、いちいち上から落ちて来るんだろう?



「レベルが上がりました」


「へっ?」



 気がつくと俺の肩辺りに、ダンボールで出来たハニワみたいなちっこいのが、乗っかっている。

 頭には大きめの帽子、これまたダンボール製。


「なっ……なっなんだ!? お前……いつからそこに、てかダンボールが喋ってる!」


「私はダンボールなど劣悪な素材ではありません。超ダンボールとでも申しておきましょうか。初めまして私は主神マヨラー様より派遣されし、ゴミの精霊チョコレーと申します」




 結局、ダンボールなんじゃねえかよ。

 チョコレーとかいう自称精霊が身振り手振りで、俺に身体をクネクネ動かし説明をする。

 くねくねと動くダンボール、どう見てもこれは完全に心霊現象です。



 ツッコミが追いつかんから……ま、まあいいか、そこは。


「で、チョコレーは何しに来たの?」


「主神マヨラー様より、主人様のナビゲーターを仰せ遣いました」


「マヨラー? ああ、毒舌なゴミの神の名前ね、如何にもマヨネーズが好きそうな名前だな」


「マヨラー様は大のマヨネーズ嫌いです。見ただけで吐き気すると仰せです。ちなみにマヨラー様の好きな食べ物はショートケーキに、大福餅と魚の骨です」



 すごく、どうでもいい知識を得てしまった。



「チョコレーさ、別にナビゲーターとか、いらないから帰っていいよ」


「そういう訳にも参りません。ナビゲーターの役目も果たさず帰ったら分解されてしまいます。我が主神は気性の激しい方ですゆえ」



「分かった分かった、スキルのこと教えてくれ」



 チョコレーから説明して貰った。


 まず今の俺のスキルレベルは2。


 ・ダスト

 地球のゴミを召喚できる。

 レベルゼロの資源ゴミは無制限で召喚可能。

 粗大ゴミなどにも召喚制限がある。


 食料品には召喚制限がある。

 レベル1で3回→レベル2で5回→レベル3で8回と増えていく。


 レベル2以上はランダム召喚。

 一度召喚した物は召喚ストックがあれば、自在に召喚可能。

 食料召喚は金額依存。

 レベル1はおにぎりなど150円以下の物。

 レベル2だとチャーハン、牛丼など350円以下の物。

 レベル3だと幕内弁当など500円以下の物。


 チョコレー曰く、レベル5を超えると凄いことになるから楽しみにして下さいとのことだ。



 ・ボックス

 スキルレベルによって大きさが拡張する。

 完全耐熱、完全防水、変質完全防止。

 ダイナマイトでもキズ一つつかない。

 不思議な力で重量はどれだけ入れても増えない。

 レベルが上がると、中に入れた物を修復できる。(レベル依存)

 中に入れておくと、食料の賞味期限を蘇らせる。(レベル依存)



 ・アウト

 レベル依存なし。

 容量無限。

 24時間制限なく、四次元空間に色んな物を収納できる。

 ボックスの箱を、アウトに収納することも可能。

 一回に収納できるサイスは馬一頭分ほど。

 生物は出し入れ不可。


 ・ミックス

 神の編み出した未開の能力

 ゴミを合成するスキル(スキルレベル5で解放)


 ぷにぷにボール+ウニの殻=スーパーウニウニボール。

 投げると爆発しトゲが辺りに飛散する。

 皮の盾くらいなら、トゲがたやすく貫通する野球で使ってはいけないボール。


 ペットボトルの空+炭酸水=炭酸ロケット砲。

 遠投投石機と同等の威力があり、城壁を軽々砕く。

 コントロールに難アリ。



「……って主人様、私の話を聞いてます?」


「ふぁ~あ……話が長い。明日、朝早いし家畜の世話の手伝いすっから、おやすみ」


「まったく仕方ありませんね」






調べたら精霊の名前が有名なダンボールと被ってしまったので変更しました。

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