報酬だ人参を上げよう。
場所はスーパーお菓子売り場、酒のつまみにでもと、えんどうなお菓子を買いに来た俺はとんでもない萌えを経験した。
「いいかい? はるかはラムネが欲しい。ならば私にラムネを買わせるだけのものを見せてくれればいい。」
はるかと言われたおそらく5歳ほどの年に見える表情はぶっきらぼうな美少女は、首を傾げながら訪ねる。
「はるかは何をすればいいの?」
そうだ何をさせるというのだ!?
「簡単だ私を萌えさせてみろ!!!」
!?!?
「なんで?」
ぶっきらぼうな少女 はるかは母と思わしき女性に尋ねるそりゃそうだ。それに対して女性はさも当然のように答える。
「ん? 男なんてのは萌えさせて世話してあげれば簡単に落ちるからだよ。でしょう?お兄さん」
「えぇそうですね。男なんてのはかわいい女の子に心惹かれて世話されたら心がっちりですからね。それに萌えという要素は大切でしょう。あなたもそう思うでしょう?」
いつの間にか来ていたお兄さんが俺に聞いてくる。いつの間にいたんだ。
「そうかもしれないですね。」
「おや?未婚で?」
「えぇ恥ずかしながら」
まだ焦る年齢ではない……はずだが。心に来るな
「ふむ……私じゃなくあのお兄さんを萌えさせたらラムネだけじゃなく、この人参(米菓子)も付けてあげよう」
女の子の目がきらめく……まさか釣られるのか
「人参……」
女の子はトテトテ歩いてきて顔を一度伏せてから顔を上げ、
「はるか、ニンジン食べたいの……ダメ?」
「いいですともおおおおおおおおおおお」(ゴル○ーザ風)
なんですか。ぶっきらな子が目をゆるゆるさせながら小首を傾げて訪ねてくるのだそりゃあいいですとも! ですから!
萌えますよそりゃあああああ
隣の男も萌え萌え(死後)だ。
「ふっはっはよくやったそれでこそわが娘!報酬だ人参を上げよう!」
それを聞き女の子は母親のもとにまたトテトテともどって母親からもらったニンジンをカートに入れる。
「ご協力感謝する! ではな!」
そう母親は言って嵐のように去って行った。女の子もトテトテついていく。
「なんだったんだ……」
「すごかったな」
お菓子売り場に残された俺たち二人はうなずきを交わし買い物に戻っていくのだった。
……こうやって女の子は育っていくのか、そりゃ男なんて手玉に取られるわけだ。そう思ったのだった。