ラブソング
彼の名はかわいそうだ……じゃないな~
あれ?
誰だったっけ?
あっ、神威龍一だ!
いや、これは生時のデビュー作、格闘小説「武勇伝」の主人公だ。
愛上夫これも「ホープ」というコメディー小説の主人公だし……
リュウ・シー・ドーラは「マジカルワールド」の主人公だし……
「おい、作者いい加減にしろよ。他の作品を宣伝すんなよ!」
すまん。すまん。ギャラクシー・コスモ・アン・エイリ2世よ。
「それは龍馬かぶれの宇宙人の本名だろう。てか、そっちの方が覚えにくいだろう」
ははっ……
では気を入れなおしてやり直し。
彼の名は河合・武市・壮太。親高校に通う高校二年生。
父親は龍馬かぶれの宇宙人
母親は幽霊のおりょう
兄は人斬りだった剣死朗
そして居候には作者の生時がいた。
またペットにビッグ・フッドのドラニャンがいた。
「皆集まるでござる」
剣死朗が皆を集めた。
「ドラニャンがいい歌詞を書いたでござる」
「へ~、ドラニャンが書いたんだ。ん?てか、コイツ人の言葉が分かるのか?ガ~しか言えないだろう」
「キリンの覆面をしたらしゃべれるようになったキリン」
「最後のキリンは何?」
「どうやら語尾にキリンと言ってしまうぜよキリン。まあ、オラ、気にしないでござるキリン」
「いや、キリンだけじゃないんだけど……」
「それより聞いてやってほしいでござる。愛をテーマにしたみたいでござる」
LOVE 作詞:ドラニャン
心の底から好きだキリン
美しいキリン
君の瞳は綺麗だよキリン
美しいキリン
全てが美しいキリン
君は天使か?小悪魔か?小熊か?キリン?
危険な恋ほど燃えているキリン
「(何で歌詞までキリンをつけるんだ!これじゃあ、キリンの事が好きな歌詞になってるよ。それに天使か?小悪魔?はいいけど、小熊か?キリン?ってなに?何でここのキリンの時だけ?マークつけているの?しかも最後の歌詞、キリン燃えちゃっているよ)」
と、武市は心の中でツッコンだ。
危機キリン
危機キリン
今夜君が来なくても
首を長くして……待っているキリン
「(だから歌詞にキリンをつけるから可笑しいんだよ。なんだよ危機キリンって、樹木希林か?首を長くして待っているって、キリン自体首長いから……でも、キリンを無くせばいい歌詞かも……これならサビは期待できるかも)」
ガ~!ガ~!
ガ~!
ガ~!ガ~!!ガ~!!!
ガ~!
ガ~……
ガ~!
ガ~、ガ~、ガ~、ガ~!
「おい~!大事なサビ意味不明なんだけど」
と、思わず大声で武市はツッコンだ!
「ああ、この時は覆面を取って考えて書いたからキリン」
「(考える必要あるのか?全部ガ~じゃね~かよ)」
と、武市は心の中でツッコンだ。
だが、武市以外は皆泪を流していた。
「(何でこんな歌詞で泣けるんだ?)」
「いい歌じゃ~。ワシは感動したぜよ」
「オラもでござる」
「わた、私も……」
作者もですよ。
「特にサビが最高じゃ!」
「あのう、ガ~しか言ってないんですけど」
「武市さんにはこの歌詞が分からんのか?しょうがない訳してやろう」
「あのう、語尾のキリンは要らないんで」
「分かったぜよ」
龍馬かぶれはサビを訳した。
キリンは待ち続ける!首を長くして待ち続ける!
雨が降ってもかまわない!
キリン!麒麟!!樹木希林!!!
だが、悲しい事に待ち合わせ場所を間違えた!
だが、それでもあの子は首を長くして、キリンよりも首を長くして待っていたんだ!
キリンの事を……
しろくろ、くろしろ、おとなしくしろ、ろくろ首ロック!
「……何だこれ……キリンとろくろ首のラブソングだったのか!?」
「これで2曲出来たでござる」
その時だった!
どこからか声が聞こえた。
「音楽なんかやって丸くなったな~八十斎!」
そう言って血だらけの男が、ス~と現れた。
「ゆ、幽霊よ~!!!!」
とおりょうが叫んだ。
「(アンタも幽霊だろうが……)」
と、武市は思った。
果たしてこの男は何者なのか?