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第1話『衝撃のトリプルトラップ!!!あたし今日から毎日頭痛薬服用します……』

どうも初めましての方は初めまして、久しぶりの方は久しぶり、ていん?がー!と申します。


自分が主流にしていたにじファンが消えてしまったので自身初挑戦のオリジナル連載を書いていきたいと思います。


まだまだ至らない点はありますが応援お願いしていただけたら幸いです!


どうぞよろしくお願いします!!byていん?がー!


――あたしは非日常と非常識が大嫌いだ。



 朝、急いでたら曲がり角の先で可愛い女の子とぶつかるとかギャルゲーのしすぎ、バカじゃないの?


 本気を出せば簡単に人生を変えれるに違いないから明日から本気を出すとか今やらなきゃ何も変わらねえよ、ど腐れが。


 今は普通だけど前世は勇者とか眠ってる力があるやらで人知れず悪と戦ってるとかまず現実と戦え、厨二病。


 信じればいつかきっと神様が助けてくれるとか都合の良いものに全部押し付けるな、卑怯者。



 人生には多少の刺激が必要だってどこかの偉い人が言ってたけど、あたしは半分だけ賛成。


 もう半分の反対の理由は刺激が多かったら困るから。

 かと言って少なすぎるのもあれだけど要するに適度が一番だってこと。



 つまり何が言いたいかっていうと、あたしはただ『普通』を謳歌したいだけ。


 シンプル・イズ・ザ・ベストってこれまたどこかの偉い人が言ったみたいに結局はそんじょそこらのありふれた日常が何よりも最高だと思う、いや断言する。


 人生経験なんてまだまだ浅いあたしだけど、その浅い経験から判明したことだ。



 とにかくあたしは普通の人生を歩みたい……。










―――――――――――










「……んっ!……みちゃんっ!……」



 …………何だろう、うるさいなあ。



のぞみちゃん!!」


「ん……」


 あれ……美咲?



「…………寒」


「大丈夫? とりあえず、はい」


「ん、ありがとう美咲」



 温かい、冷えた身体を熱いコーヒーが温めてくれる。



「それにしても何でこんなとこで寝てたの? 一応待ち合わせ場所にいたから別にいいんだけど」


「いやぁ……それなんだけど早く起きすぎてさ、二度寝しても寝坊すると思ったから一足早く待ち合わせ場所に来て待とうとしたらいつの間にか……ね?」


「……その心は?」


「……バカ親父が起きる前に家を出たかった」


「ちょっ! ダメだよ! おじさんかわいそうだよ!!」


「だって合格発表の日に見つかったら絶対めんどくさいことになるし……」


 どこかの誰かに説明するとしたら、あたしの家は父子家庭である。


 父子家庭となると苦労してるだろうって普通は思うかもしれないけど、苦労どころか逆に人並みに裕福だ。


 さらにうちでは虐待やらセクハラやら後ろめたいこともなく気まずい空気も一切ないから端から見たら最高の家庭だと思う。



 ダ!ケ!ド!!そんな我が家でも一つだけにして最大の問題がある。


 それがあたしの父だ。



 といっても父は人当たりは良く人格者であることはあたしも認めるが、問題は性格のほうだ。


 父の性格は簡単に言えばm――「希ちゃん! そろそろ行かないと間に合わないよ!」


「えっ? わっ! もうこんな時間! 美咲、走って行こう!」









―――――――――――









 あたしは受験前に父と一つの約束をした。


 それは今来ている私立四世界学園に合格できたらそこの寮に住むということだ。


 呆気ないとは思うだろうけどあたしにとっては超真剣。


 何せ問題児ならぬ問題父から離れて暮らせる。それだけでいや、それだけにお賽銭箱に一万円を投げ入れて願掛けした程だ。


 だからなんとしてでも絶対に合格してほしい。



「ええっと、11756、11756っと……」


 頼む、このために今まで頑張ってきたんだ!あってくれ!


「11742、11743、11745、11748……」


 発表掲示板を上から一つずつ見ていく。

 もうすぐあたしの番号だ……!



「11750、11753、11754、11756、11757……え?」


 え?今のもしかして!


「11754、11756、11757、11756、11754、11756」


 うん、何回見返しても間違いない!



「あったああああああぁぁぁぁぁ!!!!」


 やった!やった!やった!!ある!受かったんだ!あたし!


 美咲が行った掲示板のほうを見ると美咲もこっちに向かって手を振ってる、もしかして美咲も!


「希ちゃん!」


「美咲! 美咲のほうもやっぱり!!」


「うん! わたしのほうもあったよ!! やったね! これで一緒の高校に行けるね!!」


 うれしい!美咲と同じ高校に行けるしあのバカ親父から離れて暮らせる!神様ありがとう!!



「お―い! 葉原はばら立宮たちみや―!」


 えっ?今の声はもしかして……


「お前らも四世界学園受かったのか?」


「か、唐町からまち!」


 まさか唐町もここ受験したの!?


「うん、わたしと希ちゃんどっちも合格したんだよ、唐町くん」


「そっかあ、良かったな。同じ高校に行けて」



 や、やばいやばい!!唐町がいるなんて思わなかったから何か話す話題を……!!!


「そ、そういう唐町はどうなんだよ!!」


 って何で喧嘩腰になってるんだあたしは!!


「俺か? 俺もさ、ここ受かったんだ。いやぁ大変だったよ、毎日4時間勉強してやっとだったんだぜ?」


「ふ、ふぅ―ん、よかったじゃん」


 素っ気ないよ!!唐町の努力の結晶をそんなどうでもいい感じで返すなあたし!!!


「ありがとな、葉原!」


「お、おう……//」


 ぐあああああああああ!!!!やめてえええええええ!!!失礼な態度をとってたあたしにそんなまぶしい笑顔を見せないでええええええ!!!



「お―い! 圭太! 早く行くぞ―」


「おう! 今行く! そんじゃあまたな二人とも!」


 え!?嘘!もう行っちゃうの!?な、何か言わないと……


「あ……唐m「ちょっと待って唐町くん! 希ちゃんが言い忘れてたことがあるんだって!」


「え、そうなのか? 葉原」


 美咲ぃ――!!You are really good best friend――!!(あんたが親友でほんまによかったわぁ――!!)



「あ、あのさ、唐町」


「どうしたんだ?」


「あの……えっと……」


 頑張れ!頑張るんだ!あたし!!ここで言わなきゃ女が廃る!



「あたしと……あたしとメアド交換しないか!! ほらっ! 3年間同じ高校に通う訳だから交換しとかないと色々不便だろ!!」


 言えた!言えたけどずれてるよあたし!!


「え……い、いいのか、葉原?」


 え……まさかの意表をついた好感触!?


「そ、そうだよ! ほら! 唐町の友達も呼んでることだし早く済ませるぞ!」


 あ~~!!そこはもう少しオブラートに包もうよあたし~!



「な、なあ、葉原」


「え、な、なんだよ」


「葉原はその、学生寮に入るのか?」


「そ、そうだよ、文句あんのか!」


 だ~か~ら~、あたしは攻撃姿勢を見せないで~!


「そ、そうなのか! 実は俺も入るんだ! だからさ……」







「これから毎日一緒に学校に行かないか?」



「…………はへ?」


「あ……いやだったか?」

「そ、そそそそそそんなわけねえよ!!」


春キタ――――――\(`▽´)/\(゜∇゜)/\( ̄∀ ̄)/\(☆o☆)/



「ほ、ほんとか!! ありがとな、葉原!」


「お、おう……」


 神様……最上級の奇跡をありがとう。今日からキリスト教を信仰します。


「よし、アドレス交換もすんだしもうそろそろ行くわ。またな二人とも」


「バイバイ唐町くん」


「ま、またな唐町」





「……ところで希ちゃん。唐町くんは気づいてなかったっぽいけど、そろそろそのにやけ顔止めないと周りに変に思われるよ?」


「え、ええ、そう?」


 唐町と一緒に登校……ゆくゆくは唐町とデート……えへへ、えへへへへ///










―――――――――――










「ふん、ふふん、ふふんふん♪」


 思わず出る適当な鼻唄を歌いながらエレベーターに乗る。


「こんなに体が軽い(気分で帰る)のは初めて♪ もう何も怖くない☆」


 なんてね。いつもなら考えるだけですごく恥ずかしいけど、今日は100回言おうがちっとも恥ずかしくない。


 さらにうちのマンションまでの足取りも軽かったしでもういいこと尽くしで希、困っちゃう☆


 っと、幸せすぎてテンションがおかしくなったけどまあ、いっか。

 あっ、言ってる間に扉が開いてる、さっさと出よう。



「しっかし、もしバカ親父が先に帰ってたらどうしよう」


 あの問題父なら普通にありそうだけど、もしいたとしても勝利結果を思い切り見せ付けてやる、っと着いた。



 ガチャガチャガチャガチャガチャ!


 ん?鍵が閉まってる。

 やっぱそうよね。今はお昼なんだし親父もまだ働いてる時間だから当然よね。あ~あ、心配して損した。


 あたしはガチャリと鍵を開けて家に入った。



「う~寒い寒い、あっ今笑っていいじゃんやってる時間だった。早く観ないと」


 あたしはあわててカバンや合格書類とかをそこらへんに投げてこたつの上のリモコンを取ろうとした、が……


「ぎゃ!」



 何か声が聞こえた……。


 え……鍵閉めてたのに声……?


 ちょうど投げたカバンのところから聞こえたような……って!こたつからじゃん!!


 そういえば妙に膨らんでるところがあるような…………あれ……何かもぞもぞしてるよ~~!!


 え……もぞもぞ動いてたかと思ったらこたつ布団がめくれて――――



「お゛~が~え゛~り゛~」


 血まみれの生首がこっちを睨んでいた。


「いやあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」










―――――――――――










「いや……まあ、希、俺起きる前に家出たやん? 父ちゃんはそれが悲しくて悲しくて。だから仕返s……サプライズ起こそうかなあ、なんて、なははは……すみません私が悪うございました」



 今あたしの目の前で絶賛土下座中かつ顔がぼこぼこ(※正当防衛の結果です)のこの男こそが、あたしの父――葉原司進(26)だ。


 顔はかっこいいほうだけど、ダサいキャラクターがプリントされてるシャツに安っぽいジーンズと浅く被った似合わないチップ系キャップと似合わない笑い方により悪い意味でのギャップが生まれる。


 そして色々突っ込みどころはあると思うけどもまず一番にこの男、性格がめんどくさいかつガキっぽいのだ。


 さっきもあったけど、あんなイタズラを仕掛けてくることも決して少なくはない。


 もちろん前にも言ったように人当たりの良さや人格者の部分もある。

 だけどそれ以上を占めているのが例の性格だ。



 ――土日はほぼ必ず近所の子供と遊んでいるけど、マジで遊びすぎて自分をリーダーにしたグループを作ってアホみたいに遊ぶわ


 家にいる時はいつも適当だわ何かとゲームで遊びたがる、というか何で今どき世代に大分レトロなゲームをすすめてくるのよ……


 挙げ句のはてにはデパートに一緒に買い物に行った時、いつのまにか消えたと思ったら放送が流れて来て『迷子センターのほうでお父さんを預かっているので娘さん引き取りに来てください』という恥辱さえもさらしたのだ。


 そんなこんなであたしはこのおっきな子どもに頭を抱えているのだけど、父はご近所づきあいが良くて何気に親しまれてるから質が悪いことこの上ない。



 ……だけど今日は違う。

 この既成事実ごうかくけっかをこのバカに見せて毎日頭痛ライフからおさらばだ……!



「……親父」


「ん、どしたん?」


「こ、れ、を、見やがれ―――!!!」


 床の合格通知書を拾い上げて親父に見せ付ける。


「な、なにぃ――――――!!!??」


 案の定のリアクションをしてきたけど当然スルーだ。


「ともかく、四世界学園に合格したから約束通りあたしは来月から学生寮に行くからね」


「く……くくくく……この受験に受かっても第2、第3の受験が貴様の前に立ちはだかるだろう……」


 まだ続いてんのかよ!?

 というかもはや意味がわからん!



「と!に!か!く!あたしは学生寮で生活するからこの家から出るからね」


 来月には幸せライフのスタートだ!ひゃっは―!





「…………なあ、希」


「? なによ」


 黙ってたと思ったら合格通知書と入学案内書を見てどうしたのかしら?


「……お前って学部どこ受けたんやったっけ?」


「どこって、総合学部よ」


 分かりきってることを何を今さら……



「いや、合格通知書には創造・・学部って書いてるで?」


「は?」


「ほら、見てみ」


 そんな馬鹿なことがあるわけ……


「……マジかよ」


 何で……何で違う学部になってるの?何の間違いよ……?


「えっと、入学案内書に注意書で『総合学部と創造学部の学部番号は非常に間違いやすいのですが違う学部に合格した場合は自己責任でお願いします』って書いてるで」


「ざけんなよちくしょおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


 そんな笑えないことそんなとこに書くなよ!!いやっ、でも創造学部にも学生寮はあるはず……


「ああ、あと学生寮のことなんやけど創造学部のは試験の時に審査するらしくて合格書類と一緒に推薦状が入ってたら寮に入れるらしいんやけど、見たとこそんなん無かったで」


 ……神様っていないんだね。

 あははははは、勝手な妄想しちゃってあたしってほんとバカ……。


「あっ、そや。言い忘れてたけど










俺、お笑い芸人なるわ。割とマジで」



「………………は?」



 これがあたしの人生で最も非常識な3年間の幕開けだった。

こんな感じになりましたが、感想やできればアドバイスをいただけたらすごく嬉しいです!!


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