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六話 熊と教会と少女と

がんばってスピード投稿。


学校があるので次はいつになるのやら・・・

 静かな森の中、その平穏を乱すかのように激しく音を鳴り響かせるものがいた。


 それは、一つの影だった。


 それは、緑色の髪がよく映える村の娘だった。


 彼女は、前に何があっても構わず、全力で走っていた。


 草や花があれば蹴散らして。


 枝や根があれば踏み折って。


 普段の彼女ならば、けっしてそんな事はしなかったが、今の彼女はそんなことは気にしなかった。


 ただ、がむしゃらに走っていたから。


 全力で走るにも理由がいる。基本的には二つだ。


 一つは、何かを追いかける時。


 もう一つは、――――




「ガァァァァアアアアアアアアッッッ!!!」




 何かから全力で逃げる時だ。




■□■□■□■□■□■□■□




〈side ミーラ〉


「な、なんで・・・こん、なところに・・・!」


 今日も、いつものとおり村の外れの教会にお祈りに行くところだった。

 最近、散歩をしていた時に、偶然見つけたのだ。

 神父や修道女などの人は誰もいなくて、手入れもされず長年放置されてきた寂れた教会だった。

 父さんや母さんは、そんなものはないと言っていたが、現に私が見たのだから村の人は知らないのだろう。

 壁も崩れて屋根もほとんどなく、中央に女神の像がポツンと置いてあるだけの場所であったが、私はなぜかそこが気に入った。

 二日に一回ぐらい行くほど気に入った。

 昨日も行ったが、今日はなにかありそうな気がするので、何故か慌ただしい親の目を盗んで出かけたのだ。


 今思えばそれが間違いだった。


 教会に行く途中に出会ったのは、熊、いや魔物だった。


 

 ミーラが出会ってしまった魔物の名前は〔ナックルベア〕。

 ギルドランクではAランクという高ランクを記録する熊型の魔物だ。

 その名の通り、ナックルベアは拳で獲物を殴り、仕留める。

 そして、その拳から肘まで、堅牢な甲殻で覆われている。

 これが強さの秘密で、この甲殻は竜の鱗並に硬く、ハンマーでも砕けないほどだ。

 さらに、甲殻ほどではないが毛皮も刃がとおらず、打撃もその強靭な筋肉の鎧によって無効化されてしまう。

 

 唯一倒す方法は、魔法などによる攻撃だけだ。


 ナックルベアは、近接攻撃特化型の魔物なので拳が届かない場所から、魔法を撃ち込めばなんとか倒せるのだ。


 もっとも、一撃で倒さないととんでもない速さで走り寄ってくるが。


 もちろん、ミーラにそんな上級魔法は使えるはずもない。

 逃げるしかなかったのだ。


 なんとかミーラは教会に逃げ込めた。

 教会には結界がかかってるから、魔物は入れないと昔言われたことを思い出したからだ。

 しかし、それはちゃんと整備されている教会だけであって、何十年も放置されているこの教会にはそんな力は残っていなかった。


 教会に隠れるも嗅覚が敏感なナックルベアには意味がなかった。


 ミーラは、女神の像の場所まで追い詰められてしまった。

 

 ミーラは、必死に祈る。

 かつて、魔王と戦った女神、この像のモチーフとなった女神に。


 だがそんな祈りを無視するかのごとく、ナックルベアは拳を振り下ろした。




 ゴシャッ!という音と共に、何かが割る音がした。


 ブシャッ!という音と共に血が舞い散った。




 

 しかし、それらは両方ともミーラから出た音ではなかった。



「ギャァァァァァァアアアアアアアア!!??」



 ナックルベアの悲鳴のような咆哮が響き渡る。


 



 何故か力が抜けてゆくミーラが最後に見たのは・・・・




























 黒い髪と真っ赤な剣を持った青年と金の髪と純白の翼を持った少女だった。



ちなみにこの話を伏線にしようと思います。


しっかり覚えていってね♪


訂正

・協会の『協』を『教』に修正しました。

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