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十七話 大司祭の依頼

遅くなりました!テストもあと少し!

そしてごめんなさい!今回、急いで仕上げたので短いです!

 

お気に入り登録をしてくれた人はありがとう!

では、待望?の本編スタート!

 なんだかんだで悪目立ちしまくったけれど、特に追求されるということもなく終わった。

 魔剣とか邪悪な物を使ってるのに聖女と旅とか大丈夫か?主に噂的に。などと思ったが、魔剣に意識を奪われずしっかりと理性を保っていられるなら大丈夫らしい。

 ・・・よかった。ゲームではこういう時『魔剣使いのような汚らわしい存在に聖女を任せられるか!』っていう展開が多かったからな。

 折角決闘に勝ったのに追い出されるとかになったら、たぶん泣くよ、俺。

 

 決闘のあと、色々と儀式みたいななんかを終え、早速ギルドに向かおう(登録じゃないよ。素材を売りにだよ)と思ったところで大司祭に呼び出された。

 ・・・まだなんかあんのかよ・・・。

 文句を(心の中で)グチグチ言いながら、大司祭の部屋に向かう。

 えっ?聖女?先に行ったらしいよ。

 ・・・案内ぐらいしてくれてもいいと思うんだけな・・・。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□




 はい、迷いました!

 先の見えない廊下、同じような扉の配置、既にダンジョンと化してるよ。いや、正しくは迷路か?

 それにしても広すぎる。そして人が全くいない。さらに、いつのまにかアテネもいない。

 ・・・そういや、いまの状況ってヤバくないか?

 国の重要施設に見知らぬ若者が一人・・・死刑ルート?

 や、ヤバイ!早く衛兵か何かに見つかる前に大司祭の部屋まで移動しなくては!

 ・・・あ、あれなんか嫌な予感がしてきた。


「―――そこで何をしている」


 しまった!フラグだった!

 後ろにいたのは、白い鎧をつけた金髪のポニーテールに金色の目をした女騎士だった。

 ・・・あ、なんか終わった予感が。

 

「ええっと・・・ちょっと迷子に・・・」


「ふむ・・・最近の不届き者は嘘がヘタなようだな。もう一度聞く―――ここへ何をしにきた?」


 ヤバっ!なんか誤解しているし!


「いやいや!別に不届き者じゃありませんよ。先ほど聖女の巣立ちがあったじゃないですか、そこで選ばれたものです」


「本当に嘘が下手なようだな。聖女の護衛候補の中に黒髪のものはいない」


 そりゃ、(強制)飛び込み参加ですから。

 そう言う前に、女騎士は抜刀し斬りかかってきた。


「―――おわっ!」


「これは・・・なるほど。嘘は下手だったようが、腕はそれなりのものらしいな」


「え、いや、ちょっ、待っ・・・!」


 繰り出される斬撃、なんとか動体視力だけでよけていく。てか速ええ!

 ビュンビュンと風切り音が止まないし、逃げようにも背中を向けた瞬間斬られそうで、逃げようにも逃げられない。

 てかこの人なんで鎧つけてこんな早く動けるんだよ!

 こうなったら!


 ガキンッ!


 魔剣を出して、女騎士の剣を止める。これはやりたくなかったんだがな・・・。

 なぜか?それは・・・


「これは・・・!貴様!魔剣使いか!」


 ほら、殺気が尋常じゃないレベルに膨れ上がったもん。

 神父とか、司祭とかは何も言わなかったけど、目が汚らわしい物を見る目だったもの。

 魔剣、半端なく嫌われてるっぽいもん。こんなところで出そうものなら・・・。


「汚らわしい悪の使徒め!成敗してくれる!」


 ・・・こんな事態に陥ってしまうわけですよ。

 魔剣を持っている良い子のみんなは気をつけろよ!良い子は魔剣なんかに手を出さないと思うけど。

 

『・・・何してるんですか?』


 そんな時、ちょうどいいところでアテネが帰ってきた。

 

「大司祭の部屋に行こうとしたら、不届き者あつか―――」


「貴様ッ!狙いは大司祭様だったか!」


 しまった!なんか余計に火にガソリンを注いでしまった! 


(大司祭の部屋はどこだ!?)


『ここからは少し遠いですよ。あの女騎士の後ろ側の廊下を右に回って階段を十階ぐらい登った場所です』


 遠い!そんなに離れた場所でさまよってたの俺!

 とりあえず、今は女騎士無力化!

 さあいくぜ!魔剣チート能力(スキル)その四!《強欲の侵略》!


「―――なっ!?」 


 魔剣から発生したサビに侵食され、女騎士の剣を無力化。

 唖然としている女騎士をよそに、魔剣を石造りの壁につきたてて、《強欲の侵略》を発動する。

 サビに侵食された石を操作して、女騎士を囲って・・・。


「―――しまった!逃げるな貴様!」


 三十六計逃げるに如かず。俺はその場から逃走した。





■□■□■□■□■□■□■□




 全身の筋肉をフル活用し、アテネの案内の下なんとか大司祭の執務室にたどり着くことができた。

 本当に・・・長かった・・・。

 コンコンと、一応ノック。社会人として最低限の礼儀だよね。まだ学生だけど。

 

「誰だ」


「先ほど呼ばれましたリュージです」


「おお、やっと来たか。どうぞお入りなさい」


 許可が出たので、やたらと重圧で荘厳な扉をゆっくり開けると、これぞ執務室といった部屋に、大司祭と、聖女が待っていた。

 

「遅れてすいません。少々道に迷ってしまったもので・・・」


「いやいや、謝ることはない。案内を忘れてしまったのも私だからね。すまんかったね」


 ふむふむ、なかなか人格者っぽいな。

 魔剣を持っているということに対する侮蔑の色も目には浮かんでないし、口調も穏やか。

 まさに、大司祭といったオーラをだしている。

 白髪で長い髪もミスマッチ。あれ、ナイスマッチだっけ?


「さて、君を呼んだのにはちょっと依頼があってな」


「・・・?依頼、ですか?俺は冒険者ではないのでよくわからないですが・・・」


「?・・・君は冒険者じゃないのかい?」

 

「はい、俺は冒険者ではありませんよ」


 なったらめんどくさそうだし。依頼達成のノルマとかあると面倒だし。


「・・・これは珍しい。それほどまでの腕を持ちながら冒険者ではないとは・・・何か理由でも?」


「いや、単にギルドに束縛されるのが嫌、というだけですよ」


 そう告げると、大司祭が笑顔を固まらせてしまった。

 ・・・選択肢間違えたか?もしかしてやっちゃった系?

 そうビクビクしていると、大司祭は突然笑い始めた。


「ハッハッハッ!・・・私は、もしかして犯罪歴でもあるのか、という意味で聞いたんだがね。まさかそんな答えが返ってくるとは・・・。世の中も広いものだ。クックックッ・・・」


「はぁ・・・」


 どうやらセーフだったみたいだ。うーん現実は相変わらずゲームとちがって、展開が読めない。


「私にはその束縛を上回るメリットがあると思うけどね。それなら、これは依頼でなく個人的なお願いとしよう。聖女を〈神森(しんりん)〉に連れて行って欲しいのだ」


 〈神森(しんりん)〉?神様かなんかでも住んでるのか?


『こちらに来ている神はほとんどいませんよ。〈神森(しんりん)〉は神力が満ちている、世界でも数少ない聖地です』


 すかさず入るアテネズヒント。いや別にヒントじゃねえか。


「君も知っているかもしれないが、神官の教育はどうしても閉鎖空間での教育になってしまうため外に出ることがない。そのため、聖女の守護として精霊と契約させてきてほしいのだ」


「まあそういうことなら・・・聖女を、その〈神森(しんりん)〉に連れて行って精霊と契約させてこればいいんですか?」


「君の力を信用していないわけではないんだが・・・すまんね。どうしても孫のように思えてしまって心配なのだよ」


 つまり要約すると親バカと。

 心配する気持ちもわからんこともない、俺も精霊居ないしちょうどそこに行って契約してくるのもいいかな。


「・・・わかりました。その依頼、受けさせていただきましょう」


「依頼ではないんだがね・・・。では、聖女を頼みましたぞ」


 俺は静かに大司祭と握手をする。

 さあ、頑張らなきゃいかんな。




■□■□■□■□■□■□■□




 大司祭と話をしていたら、すっかり日が暮れてしまったので、今日は宿屋に戻ることにした。

 聖女も後ろからついてきていて、ただ歩くだけでものすごく目立つ。

 黒髪はあんまりいないもんな・・・。俺も黒髪だけど。

 周りから視線(主に嫉妬)を集めながら歩いていて、なんとか〈春風の宿場〉にたどり着くことができた。

 少し早歩きで入ろうと思った瞬間、そいつはそこにいた。


「・・・面白い噂を聞いて来てみれば・・・」


 山高帽に燕尾服。全身が黒づくしの姿に浮かぶ白。


「随分と懐かしい顔ではないか。なあ―――”遊戯帝”?」


 少し長めの白髪に顔を覆う真っ白な仮面。


「・・・お前は・・・」


 その姿には見覚えがあった。

 いや忘れるわけがない。

 常に真っ白な仮面をつけ、不敵に笑う男。


「なぜ、ここにいる・・・・













































・・・・・・・”仮面王(ペルソナ)”・・・!!」

また増える新キャラ。

そして困ったことになるそれからのストーリー。

まあ、増やさないと続けられないんですけどね。


誤字脱字アドバイスなどありましたらどしどしご報告ください。


感想をくれてる皆さんいつもありがとう。そして、返信できなくてごめんなさい。

・・・忙しんです。

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