表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/372

特訓

 グレイ隊長に連れられて、昼過ぎにやってきたのは前にモブ君に連れられてきた城内の訓練場だ。

 ちなみにお昼はサンドイッチをグレイ隊長に奢ってもらった。

 昨日の夕飯と今日の朝食の美食がお腹に残っている感じがしていたので助かる。


 こういうのでいいんだよ、こういうので。


 朝食は料理人さんに頼んで少なくしてもらったんだけど、普段朝はあまり食べられないので多く感じた。前世は飲むゼリーで終わらせてたぐらいだったからなぁ。

 昨日から碌に体を動かせてないので準備運動をしっかりして、貴重品はグレイ隊長が預かってくれた。

 フラックスから貰ったネックレス、傷つけるの怖いから一度帰って家に置いて来れば良かったかもしれない。後の祭りだ。

 そうしてようやく、待っていてくれたグレイ隊長と向き合う。


「俺はあまり教えるの上手くないんだけど、それでもいいか?」


 グレイ隊長は腕を組んだまま、自信なさげに言う。


「はい、大丈夫です! 強くなるのは実戦形式が一番だって院長も言ってました」

「あの脳筋についていけてる時点で、嬢ちゃんは俺の指導なんていらないと思うんだけどな……」


 ぼやきながらグレイ隊長は木刀を持つと私に向けて構える。


「とりあえず好きにかかってきていいぞ」


 グレイ隊長はロータスルートのルートボスだ。

 アネモネと同じく基本3ルートのルートボスだけど、ロータスは普通に遊んでいたら自然と最初に選ばれる基本中の基本ルートだ。

 だからアネモネと違ってステージギミックもなくて、近づいたら近接攻撃・遠くなら魔術で攻撃とバランスよく戦ってくれる。

 私は属性魔法も使えないから、魔法でガンガン攻撃してくるアネモネよりもまだ戦いになる……はず。

 グレイ隊長は動かずに私を見ている。

 深呼吸して『身体強化』を発動。遠慮なく最大加速する。

 正面から堂々と殴りかかる―――と見せかけて、脇に飛んで斜め後ろから蹴りを入れる。


 卑怯とか言うな。一撃必殺を心がけろって院長から言われてるんだ。

 

 油断してれば一撃くらい入れられるだろうと思ってたんだけど、あっさりとこちらを見もせずに木刀で止められた。そのまま連撃を繰り出すも、それも止められる。

 そこでようやく目が合った。

 グレイ隊長は真剣な目だ。冷たさも感じる戦う瞳。

 

 ガチじゃん。教えるの上手くないって、手加減が出来ないからって事……?


 私はスピードに任せてヒット&アウェイが基本なので一度距離を取る。

 グレイ隊長は私を追うことなく、その場を動かない。というより、私の攻撃を受けても一歩も動いていない。


 ここまで来ると悔しい。一歩くらい動かしてやるんだからな……!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ