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ダンジョン攻略

 ダンジョンを攻略しながら修行という名のレベル上げを行う。

 言うは易しだが、実際は低レベルで回復アイテムもないから怪我は避けなくてはならない。

 だから最初はまず敵に不意打ちで攻撃し、有利をとってからロータスに実戦させる。

 もちろん、ロータスが危なくなったら後方から石を投げて仕留めていく。

 ロータスは騎士として、この戦い方に不服なようだったが、意見があるなら一人で戦えるくらい強くなってからにして欲しいと拳を構えながら伝えると渋々同意してくれた。


 やはり力こそパワー。


 そんなロータスだが、最初は危なっかしかったのに敵を倒す間にメキメキと剣技も魔法も上達した。


 追い詰められると人って成長するんだな。


 院長が私を狼の群れに叩き込んだり、熊と戦わせた理由がよくわかった。

 手助けしたいのをぐっと我慢して、見守ってくれていたに違いない。


 でも流石に蜘蛛とかアネモネとかの不測の事態の場合は助けて欲しかったよ。


 後ろで石を生成してくれる皇子もガンガンレベルが上がっているらしく、魔法の技が多彩になっていった。

 前衛がいればこのダンジョンの敵でも余裕で戦えるくらいだ。

 それに戦闘以外のダンジョンの謎解きもあっさりといてくれる。前世で私は謎解き要素を妹に任せきりにしていたから大変助かる。

 やっぱり主人公陣営って側から見るとチートじみている。


 魔法を知識で知っているのと実戦で使うのは全然違うのに、即戦闘で扱えるの凄すぎない?


 もちろん、皇子もロータスも今まで学んできた経験が生きているんだろうが、10年修行した私とあっと言う間に差を縮めるのを間近で見ると、少々複雑な気分になる。

 才能って残酷だ。

 でも仕方ない。主役の皆さんは人々を救う事を求められるから、実力がないといけない。

 私はモブだから自分に出来る事をやるだけだ。


 それでうっかりチュートリアルを破壊してしまったけど。モブに負ける方が悪い。


 心の中で言い訳をしながらも攻略対象二人のおかげで順調にダンジョンを攻略し、最奥にある大妖精の間に辿り着いた。


「ここに......土の大妖精がいるのか」


 両開きの巨大な扉を開けて、感慨深くサルファーの皇子が呟く。

 入った当初はただの穴を掘った土の洞窟だったが、大妖精の間はさながらクリスタルの洞窟だ。

 人の数倍の大きさの水晶が床や天井、壁から四方八方に伸び、神秘的な空間を彩っている。

 その中を通り抜けるために、何故か大きな広間が目の前に広がっている。


 ボス戦ですよね。わかります。


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