表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

どんな人がマインド・コントロールしがちなのか。また、マインド・コントロールされやすいのか

 前回の予告どおり今回は、なぜマインド・コントロールによって人格の変容がおきるのか、というお話をしようかと思います。それではよろしくお願いします。


 そもそも、マインド・コントロールとは何なのか。定義は、あるのか。無いのか。一体誰が考えたのか。

 これに関しては、とりあえずネットの辞書を見てみましょう。読者の方は「なろう」のユーザなので、ネットの辞書ならいつでも確認できるからです。


***



マインド・コントロール

一時的あるいは永続的に,個人の精神過程や行動を操作あるいは支配することをいう。心理操作psychological manipulationともいう。組織がその目的の成就のために,新メンバーの獲得や維持といった人的管理のために用いられるが,広義にはプロパガンダや詐欺的商法など個人の意思決定を欺瞞的に誘導する体系的操作を指す。歴史的にはマインド・コントロールは,監禁,拷問や薬物を用いながら個人の意思や行動を支配しようとした洗脳brainwashingから発展し,その身体的な強制の代わりに,隠ぺいや欺瞞による情報操作を用いて,個人の意思決定過程における自発性を仕組む。さらに強力な操作法では,個人のアイデンティティの根幹にかかわるビリーフ・システムbelief system(信念体系)の変容,すなわち,①自分とはいかなる存在か(自己),②完成された個人や社会の像(理想),③理想へと至る個人の歩むべき道筋(目標),④歴史や出来事の摂理・法則や世界観(因果),⑤だれをモデルとしたり指針としたりするのか(権威),といった変容を導くことで実現する。(以下省略)

コトバンクより 2022/11/25閲覧 抜粋、引用



***


 この辞書にある「ビリーフシステムの変容」は、エッセイのあらすじに挙げた参考資料の中の一冊「シリーズ・人間と性格 第14巻 性格の変容と文化 詫摩武俊・鈴木乙史・清水弘司・松井豊 編 マインド・コントロールと性格 ――西田公昭 103ページ~」にも書かれていて、けっこう内容が難しいです。西田さん、もうちょっと簡単に説明してくれと思いました。


 って、ボヤいてもしょうがないですね。……要するにビリーフの変容とは、ある個人ないし組織の理念や行動様式が、他者の今までの価値や生活に侵食し、やがては「母屋を乗っ取る(その他者の元々あった価値基準や行動様式に成り代わる)」、そういった現象の事を言っているのだと私は理解しました。

 読者の方は、どう思われますか。


 以上の事から、マインドコントロールとは、人格の変容をもたらす心理操作である、と定義してみます。なおかつその心理操作は、あらゆる場面で用いられていると言えるのです。その最たるものが、教育ないし宗教による教化ではないかと思うのです。


「ビリーフシステム」に関する記述を読むと、それらは家庭や地域、学校などのあらゆる場面からの教育によって培われていると考えられるのです。それは、その人を構成する要素、アイデンティティ(自己)であるとも言えるでしょう。


(自己の定義に関しては、今は問題にしないでおきます。私は、記憶の集積が自己であると思っていますが、自己の本質は魂であるとか、そういう事を思っている人もいるかもしれませんが、今は問題にしません。あしからず)


 マインド・コントロールとは、そのビリーフシステムの変容を促す、つまり、再教育をする事だと言えるのではないでしょうか。


 通常、人への教育というのは、本人が社会に出たら困らないようにと、子供に対し親心で行われるのがその始まりではないでしょうか。例えば「おしっこはトイレで出しなさい」とか。そして、子供にそれを教育しないのは、育児放棄(ネグレクト)という虐待にあたると言ってもいいでしょう。


 では、そのようにして丹精込めて教育し育てた子供が突如、「おしっこは飲むもんだ! だっておしっこは聖水で、飲んだら全ての病気が治るんだよ! そんな貴重な宝をトイレには流せない! ペットボトルに溜める! 推しの女王様がそう言ってたんだ!」とか言い始めたら、私は多分息子ないし娘にビンタしてから、正気に帰れと泣くかもしれないです。

 暴力はいけないと知ってはいますが、そんな事態になったら理性を保てる自信がありません。そして、私の子供をそのように再教育した女王様を恨むと思います。たぶん。


 実際のマインド・コントロールの事例は、こんな茶番劇よりも深刻で、悲惨なものです。それらをここで列挙するには、文字数が沢山必要なので、興味のある方はぜひ、書籍等で確認してみてはいかがでしょうか……


***


 サブタイトルの回収がまだなのです。

 という事でここからは、どんな人がマインドコントロールされやすいか、またどんな人がマインドコントロールするのかという事を、資料を元に解説してみようかなーと思います。長くなりますが、しばしお付き合い下さい。


***


 参考資料は、「マインド・コントロール 増補改訂版 岡田尊司 文春新書」の第二章「マインド・コントロールする側の特性」、第三章「マインド・コントロールされやすい要因」です。気になる方は、図書館等で調べてみてはいかがでしょうか。


 という事で、さっそく見てみましょう。


『マインド・コントロールする側の特性』

・独裁者

・カルトの狂信的な指導者

・独善的な上司や配偶者、親

・イジメに走る子供

・閉鎖的集団の中で優位な立場にいる

・弱者に対する思いやりや倫理観の欠如

・支配することが快楽になっている



『マインド・コントロールされやすい要因』

・依存的なパーソナリティ(強い愛着不安)

・高い被暗示性(暗示や催眠にかかりやすい)→暗示にかかりやすいため、空想と現実の境界があいまいになる。

・バランスの悪い自己愛

・支持環境の脆弱さ(支えになる人が少ない)


 はい。上記の内容を見て、あなたはどこに当てはまりそうですか。私はもちろん、カモ時代はがっつり、マインド・コントロールされやすい要因を全て持っておりました。正直言って、この項目を読んだ時はちょっとウツっぽくなりました。


 しかし、ここからが絶望の入り口といいますか、序の口といいますか。

 なんと上記の書籍によれば、マインド・コントロールされる側が、周囲をマインド・コントロールする場合があると言うんですね。それはまるで、オセロの白が裏返って黒になるような……


 被暗示性が高い人物は、現実と空想の区別が曖昧なために、空想虚言と偽りの証言で、人に取り返しのつかない迷惑をかける事がある、という事例が挙げられています。(空想を事実を思い込み偽りの証言をした事で、冤罪の被害に遭う人がいた、など)


 マインド・コントロールの被害に遭った人は、私も含め、いずれはこういった事実と対面し、自分にも非が無かったか反省する時が来るのです。それは、被害者という立場を脱してから、何年後か。それとも何十年後か。それは、分かりません。


***


 何とも話が込み入ってきたので、ここで一旦お開きといたします。それではまた次回。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ